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ヒト・人間・人類の住む世界――
かれらから「俗世界」と呼称され、
またその世界は賑わい集団で存在することを望んだ。
未だ誰も住まぬ世界――
かれらから「異世界」・「別世界」と呼称され、
またその世界は静かに孤独に存在することを望んだ。
かれら(=「俗世界」に住むものたち)は、「異世界」・「別世界」の存在について全く無知であり、
よって「俗世界」と「異世界」・「別世界」の交わる可能性はゼロに等しく、
両世界は両世界とも交わることなく存在し、
またそれが両世界にとって、
一番適当な手段であった。