僕の戯言。


1 :葵助 :2007/07/14(土) 20:01:44 ID:n3oJW4oA

俺にとって人生ってのは、ダチであったり、親であったり、彼女であったり、善であったり、悪であったり、笑顔であったり、涙であったり――
そんな俺の周りにあるもん全部全部、詩という気持ちで表せれたらいいな、なんて思ってます。


2 :葵助 :2007/07/14(土) 20:03:06 ID:n3oJW4oA

なまっちょろい言葉





全部噛み砕いて





捨ててください。


僕が欲しいのは




確かな言葉 だけなのです。


3 :葵助 :2007/07/14(土) 22:44:42 ID:n3oJW4oA

どこに行っても
僕は君のこと忘れないけれど
どうして
君は


4 :葵助 :2007/07/14(土) 22:49:07 ID:n3oJW4oA

左に空いた穴が
妙に痛い。
痛い。
痛いよ。
薬が欲しい。
つらい。




ただ つらいだけ。




今まで一度だって泣いたことはなかった。
けれども あんたの顔を見ただけで
こんなにも前が見えなくなる。
いっそのこと狂ってしまいたい。
正気を失ってしまいたい。
なにもかもわからなくなりたい。
つらい。




ただ つらいだけ。




愛は知らないけれど 恋は知っているよ。
美しさは知らないけれど 醜さは知っているよ。
だから
あんたのことが好きなんだ。
愛が知りたいから
美しさが知りたいから
好きなんだ。
なのに
今はつらい。
つらい。




ただ つらいだけ。


5 :葵助 :2007/07/14(土) 22:52:15 ID:n3oJW4oA

失ったモノは 数知れず。



なのに



得たモノは なにもない。






心が

こんなにも冷たい。


6 :葵助 :2007/07/14(土) 23:08:12 ID:n3oJW4oA

アナタの世界に






ボクはまだいますか?






アナタが感じていたい温もりは






まだボクですか?






アナタはいつもいつでも






ボクを想っていますか?


7 :葵助 :2007/07/15(日) 10:39:11 ID:o3teWkL3






アンタにもらったもの
それは
それはそれは
大きなもので
それは
それはそれは
小さなもので


8 :葵助 :2007/07/15(日) 10:47:46 ID:o3teWkL3

世界一醜いもの。
それは涙であり 笑顔です。
世界一綺麗なもの。
それは怒りであり 憎しみです。

あなたの涙が
あなたの笑顔が
私を 狂わせているのです。
あなたの涙と 笑顔が美しすぎて
ほかの人の涙と 笑顔が醜く見えるのです。

あなたの怒りが 憎しみが
私を 惑わせているのです。
あなたの怒りと 憎しみが醜すぎて
ほかの人の怒りと 憎しみが美しく見えるのです。


この目は
どんな形になろうとも
あなただけを
ありのままに写してくれるのです。


9 :葵助 :2007/07/15(日) 10:51:39 ID:o3teWkL3

できるなら






ずっと 笑っていてください。






あなたの笑顔が 好きだから。


10 :葵助 :2007/07/15(日) 11:02:26 ID:o3teWkL3

いつも 君を不安にさせているのに



ボクは君を見ないふりする



それでも 君はボクの手をにぎってくれて



いっそのこと 手放してくれれば いいのにね



君を助けるのは
ボクじゃなくていいのに



それなのにボクは
優しさがうっとうしくて



手放してみたり



それでも君は
笑う



救われても 無頓着なボクを
君は何度も許している



誰より ボクは 君を傷つけている




ボクは



悲しい


11 :葵助 :2007/07/15(日) 13:21:21 ID:o3teWkL3

何度 繰り返せば いいのだろう。



求められた愛を 何度も 拒否して ゴミ箱に放り込んで

求めた愛を 何度も 捨てられ ボクはくしゃくしゃになった愛を心に戻す



何度 泣かせれば 何度 泣けば 気が済むのだろう。


確かにそこに在った愛を 見ようともせず

決して届かない愛を ボクは必死に追いかけていた



気づいてたのに
気づかないフリしてて

ボクは弱虫だ。

目の前にあった キミの姿を

何度 素通りしたことだろう。

ボクは弱虫だ。

キミが与えてくれた愛は

ボクが求めていた愛とは 違うけれど。


確かに

そこに在った 愛 なのにね。


ボクは
弱虫だね。


12 :葵助 :2007/07/15(日) 13:28:27 ID:o3teWkL3

にっちも さっちも いかない。






アンタのことが 好きすぎて。


13 :葵助 :2007/07/16(月) 16:00:09 ID:xmoJm4rm

いっそのこと


ぐちゃぐちゃに 切り刻んで ください。


そして 二度と あなたの 顔が 見れないように


ゴミ箱の 中に 捨てて ください。


つらいけれど そっちのほうが 楽になれるのです。


何度頼んでも

あなたは 笑う だけ。

そんな 顔 されると よけいに つらいのです。

あなたの 顔を 見たく ないのです。

見たい けれど 見たく ないのです。

回らぬ 思考で あなたのことを 考えて 泣くのは つらいのです。

だから

私を 丸め込んで 捨てて 欲しいのです。




ああ

なんと 悲しき

恋焦がれ。


14 :葵助 :2007/07/16(月) 16:03:51 ID:xmoJm4rm

ごめんなさい。




それでも




アナタが 好きなんです。




,


15 :葵助 :2007/07/16(月) 16:07:10 ID:xmoJm4rm

左手は


いつも アンタのために


空けています




.


16 :葵助 :2007/07/16(月) 16:15:12 ID:xmoJm4rm

焦がれ 焦がれ 鳴く蝉は


黄色い太陽を 仰ぎ。


また


狭い空を 仰ぐ。


ボクは 無意識にぬぐった汗を


太陽に晒し。


太陽に目を細め。


太陽に話しかける。


ああ 今年もやってきた。


キミのいた季節が。


決して 晒すことのない 笑顔は


キミのためにと ずっと とってある。









キミに               会いたい







.


17 :葵助 :2007/07/16(月) 16:40:10 ID:xmoJm4rm

葵助の解説コーナー!(ぇ

初めまして 麗汰こと葵助です。
今回は今まで描いた詩(というかただの文の羅列)について 解説していこうと思います!
ボクの詩って何言ってるかわからない人のほうが多いでしょうからw(吐血


さて、まず一個目の詩について。
ボク適当な言葉が嫌いなんですw(ぇ
適当に「一生そばにいるから」とか言うやつ大嫌いですw守れもしない約束する人大嫌いなんですね
ちゃんとした、確かな、強い言葉が好きなんですよね。ただ、それだけですw(ぇ

二個目の詩について。
これ片思いの詩ですね
どんなに遠くにいても、ドコへ行っても
ボクはキミのこと忘れたりしないけれど
どうしてキミは……
みたいなw(意味不

三個目の詩について。
これ失恋の詩ですね。
失恋てつらくて つらくてしょうがないんですよ。
言葉にできないほど、ね。
ホント 一日中 左胸がズキズキ痛くて
薬が欲しいって思ったり
死にたい、とか狂ってしまいたい、とか思ったりしちゃうんですね。
ま、つらいんですよw失恋は(←簡単にまとめやがった

四個目の詩について。
これ俺のことッスね。吐血
俺の罪深き人生の中で、得たものなんて一つもなかったんです。
気づけば失ったモノばかり……
それに気づいた時、ものすごく心に寒い風が吹いたような気がして……(涙 はいv(死

五個目の詩について。
これ遠距離恋愛をテーマにしてみました。
相手の世界の中の中心は まだ自分であってほしい
相手の感じていたい体温は まだ自分であってほしい
相手は離れていても 自分のことを想っていてほしい
ま、そんな感じですね

六個目の詩について。
大切な人(ダチ、彼女、家族etc…)
人によって大切な人は、さまざまですが
大切な人にもらった温もりは……すんごく大きいんです
でも 大切な人にもらったものは心の中に入っていけるほど小さな温もりでもあるんです
意味不明ですね(吐血

七個目の詩について。
好きな人の笑顔は世界一綺麗で、好きな人の涙は世界一醜い
俺はそう感じています。
恋は盲目 なんて言いますけれど
俺が好きな人に向ける目はきっと鋭いはずですw(ぇ

八個目の詩について。
これ読んで字のごとくですね。
好きな人には
やっぱ笑ってて欲しいもんです。
たとえその笑顔が自分に向けられてないとしてもね――(涙

九個目の詩について。
これ 相手が自分ことを好きっていう詩ですね
いつも自分はその子のこと傷つけてるのに
その子は ただ笑って 自分の手を握ってくれて
うっとうしくて 手放してみても
それでも相手はただ笑って 自分を助けてくれたり
そこでようやく気づくんですね
相手が自分に向けている 深い愛に
そして自分は 悲しくなるんです。 なにより自分を愛してくれた人を
自分は誰よりも傷つけてしまった、と。
そんな暗い詩ですw(吐血

十個目の詩について。
これは、相手は自分に片思いしてて、自分もある人に片思いしてるという設定です(ややこしい
つまり一本通行の恋路ってことですかねw(意味不明
近くにあった愛を素通りして
求める愛を求めすぎて
近くにあった愛に手を出すのが怖くて
ホントボクは弱虫だ。って詩ですねw(ぇ

十一個目の詩について。
これも読んで字の如くですね。
けっこう気に入ってる詩の一つです。
好きすぎて、もうにっちもさっちもいかなくなるときって誰にでもありますよね?
俺もそれですw(チーン

十二個目の詩について。
片思いはつらい、という詩ですね。
好きすぎて つらいから
もうあなたの顔なんて見たくない。
けれども好きだから見たい。
あなたの笑顔が 見たいけれど
心が痛いから 見たくない。
そんな詩ですね。

十三個目の詩について。
これ一番気に入っている詩です。
短い文章の中に
この子の気持ちが伝わってくるんですっ!(ぇ
もう……大好きな詩ですw(自画自賛

十四個目の詩について。
これも好きな詩です。
どこか遠くに行ってしまった恋恋人へ
またいつでも 手をつなげるように
左手は ずっとあけておきます
あなたの居場所は ずっとずっと 私の左手にあるから。
そういう詩ですね(涙

十五個目の詩について。
この詩の季節は夏ですね。
いつものように蝉が鳴いている。
いつものように黄色い太陽がある。
いつものように暑い。
いつものように汗をぬぐってみる。
そして いつものように思い出す。
今はいなくなったけれど、君と過ごした夏が今年もやってきた。ってね(涙
会いたいけれど、会えない。
けれども彼はいつものように
彼女のために 笑顔を残しておくのです(涙


今回はここまで!
またいつかある解説コーナーでお会いしましょう!


18 :葵助 :2007/07/18(水) 14:40:07 ID:PmQHuALA

ただ



二人で 歩きながら



二人で 笑いながら



二人で



これは 恋 だと



知っていたのです。





今だに 黒髪を見ると
あなたを 思い出して

ああ 会いたい

なんて 情けない 恋 なんでしょう。


19 :葵助 :2007/07/19(木) 15:39:49 ID:xmoJm4kc

今日も アイツの顔を 見るだけで 終わってしまった。

夕日をスプーンで混ぜて 空を紅くしてみても

雲をバケツの中に入れて 太陽が見えるようにしても

どんなことをしても アイツと俺は 交わらない。


平行線。

一本通行。

決して交わらない 心。

楽しくない。

どうしても

もどかしいんだ。



なんで アイツは俺を 見てくれないのだろう?

俺だけを 見つめてはくれないのだろう?

俺はこんなに好きなのにさ?

無駄な 自問自答に 思わずため息がでる。


嗚呼

空が群青に染まっていき

やがて

音のない夜が 寂しい俺を待ち構えている。


20 :葵助 :2007/07/22(日) 15:54:20 ID:Wmknr7Qe

もっと 優しくしてほしい。



その優しさが もどかしくて



もっと 暴れてほしい。


21 :葵助 :2007/07/23(月) 22:17:07 ID:n3oJW4oA

上から

上から

白い冷たい でも温かいものが降りてくる。

それは醜い街を真っ白に染めていく。


灰色の 薄い空でさえも もどかしい。

空の向こう側にいる あの子を 隠さないで。


街を白く 無にしてしまう雪が イラつく。

あの子が 歩いてきた足跡を消さないで。


寒くて 寒くて ガタガタ 震える。

あの子の ぬくもりを 奪わないで。











キミ    が       いた。

それが  なによりも   幸せ だったんだ。   


22 :葵助 :2007/07/25(水) 16:47:37 ID:o3teWkLm

短編小説 happy birthday

今日は不思議と朝早くに目が覚めた。

まだ日が昇りきっておらず、薄暗く肌寒い。

ふと、ベッドの横に置いてあるカレンダーに目が止まる。

日付のところに、目立つように赤ペンでぐちゃぐちゃに丸をされ、その下にこう書いてあった。

『happy birthday』

もちろん俺の誕生日ではない。

そうか、今日はアンタの誕生日だったな。

一ヶ月前、死んだ俺の彼女の誕生日だったな。

誕生日って、すごく嬉しい行事なはずなのにさ、どうしてこうも悲しいのだろうか。

ぎゅって抱きしめて、誕生日おめでとうって言ってやりたかった。

プレゼントあげて、普通に笑いあいながら、ケーキ食いたかった。

なのに、なにもしてやれない――

温かい涙が、冷たい頬を落ちていった。

なんで、俺より先に死んじゃうかな。

いつでも、どこでも、いつだって、どんな時だって、俺たち一緒だっただろ。

最後の最後まで一緒じゃなかったのかよ。

こんなにも好きなのに、こんなにも愛してるのに

どうして、死ぬときまで一緒じゃないのかよ。

誕生日だってロクに祝ってやれないじゃないかよ。


一年前の誕生日は今でも鮮明に覚えている。

俺は合鍵を使って、仕事に行った彼女の家に忍び込み、誕生日パーティの準備を進めていた。

そして電気を全て消し、俺は机の下に隠れた。

しばらくすると、仕事から帰ってきた彼女が疲れた様子で部屋に入ってきて――それで――

彼女は口に手をあてて、目を見開く。

「嘘っ……」

「嘘じゃねぇよ。誕生日、おめでと」

テーブルに並ぶ豪華な料理。もちろん俺の手作りだ。そして決して綺麗な形ではないけれど、自分なりに頑張って作ったケーキも置いてある。

折り紙で作った動物たちを壁に貼り、クリスマスで使う電飾をカーテンや天井に巻きつけていた。

「あ……ありがとう」

感激のあまりかすれた声しか出ていない彼女は、とてもかわいかったな。


ほら、一年たった今でもその日のこと鮮明に思いだせるんだ。

今でもアンタが言った言葉、一語一句間違えずに思い出せる。

アンタと過ごした日々に戻りたいと、何度も思った。

アンタは俺から色を奪ったんだ。アンタ中心だった俺は、毎日が色づいていて綺麗だったのに、今ではこの世界はモノクロの世界にしか見えないんだ。

俺、弱いな。

死んだ彼女いつまで引きずってるんだよ。

『古い想いはいづれ朽ちる。新しい想いを大切にしな』

友達にそう言われた。

俺はどんな人に恋をしても、どんなにその子が好きになってその子のことを想うようになったとしても、

俺のアンタへの想いは朽ちてくれない。

あれほど、好きだったんだ。

あれほど、愛していたんだ。

朽ちてくれるはずがない。


天国にいるお前は、今の俺を見て情けないね、と笑っているだろう。

ゴメン、俺ホント情けない。

今、前が見えないよ。アンタのいた後ろしか見えない。

しばらくはそうさせていてくれよな。





誕生日、おめでとう。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なんで詩のコーナーに小説書いてるんだろって、自分でツッコんでみたくなりましたw(ぇ
でも、どうしても書きたかったんですよね。この小説
残されたほうもつらい、でも死んだほうもつらいんですよね。
世の中、つらさだけが平等にあるんですよ。
後ろ振り向いてもいい、立ち止まってもいいから、前に進んでほしいですね。
そしていつの日か、笑顔で天国にいる彼女に「誕生日、おめでとう」って言って欲しいですねw
さて実は長編小説でも『happy birthday』という小説を書いていますwけれどこっちは、恋愛じゃなくて、ファンタジーホラー(?)ですかねwそちらもよければぜひ見てください。


23 :葵助 :2007/07/26(木) 17:25:51 ID:xmoJm4kc

アンタの笑顔が好き。


心地良くなれるから。


アンタの笑顔は嫌い。


気がゆるむから。



アンタの優しさは嫌い。

アンタの大きな腕は嫌い。

アンタのぬくもりは嫌い。



全部 全部 好きだから。


24 :葵助 :2007/07/28(土) 17:34:44 ID:n3oJtkom

だっこ

たった一枚の洋服越しから

感じる

鼓動と体温と


心地よい 吐息



ぎゅっと ぎゅっと


それでも まだ足りず


もっと ぎゅっとしてほしい


25 :葵助 :2007/07/28(土) 19:07:39 ID:n3oJtkom

短編小説 しろねこ

梅雨もそろそろ後半に入り、朝から屋根を叩く雨音が耳につく。

窓越しに見える灰色の雲はとても分厚くて、今にもこの街を飲み込んでしまいそう。

雨の日に外に出るのが嫌いなあたしは、ベッドに寝転がり、もう何度も読み返した雑誌に再び目を通していた。

静かな部屋の唯一の音は、ストイックに時を刻む時計の音だけ。

だが、ふいに玄関のほうから小さな物音が聞こえた。

ドアを小さく叩いているような音や、爪でドアをひっかいているような音。

多分、風か雨の音だろう。

だがこういうとき、どうしてもアイツのことを思い出してしまう。


光也――

今は亡きあたしの恋人。

男のくせに極度の恥ずかしがり屋な光也は、せっかくドアの前に来てもインターホンを押す勇気がなくて、いつもドア前でもじもじしていた。

どうにかしてあたしに気づいてほしくて、ドアと小さく叩いてみたり、少し爪でひっかいてみたりして、あたしが出てくるのをいつも待っていた。

ある大雨の日なんか、屋根を打ち付ける激しい雨音のせいで、光也のほんの小さなサインを見逃してしまい、ようやく気づいてドアを開けたとき、光也はびしょ濡れでそこにたっていた。

それでも光也は怒ったそぶりすら見せず、女の子みたいな可愛い顔をほんのり赤くさせてこう言った。

『……おじゃまします』


今思い出しても、忍び笑いが止まらない。

本当に恥ずかしがり屋で、純粋って言葉は光也のためにあるんじゃないかっていうくらい、純粋すぎる子だった。

きっと天国でも、恥ずかしがり屋は直ってないんだろうな、と思いながら雑誌に目を戻した。

ガサガサッ

キィッ

明らかに雨や風の音ではない音が、玄関から聞こえてくる。

最初は無視を決め込んでいたが、その音が耳障りでどうにも落ち着かない。

ギギッ――

止まることのないこの音に嫌気がさしたあたしは、重い腰をあげ玄関に向かった。

まさか光也かも、なんてありえない期待に少し胸を高ぶらせながら、そっとドアを開けてみると――。

「誰もいない……」

辺りを見渡してみても、人っ子一人いない。

一体なんだったのだ、と眉をひそめながらドアを閉めようとした。

その時。

ミャァッ

下から聞こえたかすかな鳴き声。まさかと思い下を向くと

やはり猫だった。

爪でドアをひっかく音や、叩いている音の犯人はこの仔猫だったのか。

小さくて可愛らしい白猫。

首輪がついておらずこいつは野良猫だとわかったのだが、あまりにも毛並みが美しく白いので、どこかの豪邸で飼われている猫かと思ってしまう。

「寒いの? 濡れてるよ。入りたいの?」

そう言う私を不安げに見あげるつぶらな青い瞳は、あたしの心を動かすのに充分だった。

しょうがない入れてやるよ、と猫を抱きかかえようとすると、小さな体はするりとあたしの手をすり抜け部屋の中に入ってしまった。

リビングに戻ると、白猫はテーブルの下で丸まっていた。

「なに、あんたも恥ずかしがり屋なの?」

光也と同じだね、とクスクス笑い、おいでと呼びかける。

仔猫は一瞬あたしを見つめたが、ぷいと顔をそらしまた丸まってしまった。

ドアを小さくひっかいてみたり、恥ずかしがったりと、本当に光也に似ている仔猫だな、と思った。

光也の生まれ変わりなのか、とまで思ってしまう。

あたしは仔猫を捕まえようとテーブルの下に手をのばし、その小さな体を両腕に収める。

そして、あたしの目の高さまで猫の顔を持っていく。

仔猫は恥ずかしそうに顔をそらしながら、イヤイヤと足をばたつかせ逃げようとした。

「コラコラ、ちゃんと体拭かなきゃ。風邪ひくぞ」

ベッドの下にあったタオルを取り出し、しめった白い毛をくしゃくしゃに拭いてやる。

仔猫は不快そうに二回ほど小さく声を漏らしたが、それがまた可愛くてもっとくしゃくしゃにしてやった。

「よし。終わり」

耳を後ろに倒して、怒ったようにばたつく仔猫を離してやると、そいつは今度部屋のすみっこに逃げてしまった。

そしてチラチラとあたしを見つめながら、前足の肉球をぺろぺろと舐め始める。

「光也もそこまで恥ずかしがり屋じゃなかったぞ」

そう言っても、仔猫は聞こえた様子もなくただひたすら肉球を舐めていた。

小さく笑い、読みたくなくなった雑誌をラックに戻してベッドに寝転がる。

あの仔猫のせいで今日は光也のことたくさん思い出しちゃったな、なんて思いながら天井を見つめていると、いつのまにか睡魔が襲ってきてそのまま夢の世界に行ってしまった。


そうして、何時間くらい寝ていただろうか?

ふと首筋に感じるフワフワした温かい物を感じる。

目線だけ首元にずらしていると、あれだけ恥ずかしがって寄ってこなかったあの仔猫が、あたしに寄り添うように寝ているのだ。

ただ単にこのベッドで寝たかったのかも知れないが、その仔猫の行動があまりにも光也と似ていて、びっくりしてしまう。

恥ずかしがり屋の光也は、あたしの家に来てもほとんどしゃべらず、あたしに近づこうともしない。

けれども光也の無言の温かさが好きだったあたしは、別になにも言わなかった。

ほんの少しだけ他愛のない話をしていると、なぜかいつも眠たくなってしまい寝てしまう。

そして目が覚めたとき、いつも光也はあたしに寄り添うようにして寝ているんだ――

仔猫のように丸まって、スヤスヤと寝ているんだ――


「お前、光也なの?」

そう呟くと、仔猫はピクリと耳を動かした。

「そっか、光也なのか」

小さな頭を優しく撫でてやり、犬にするように喉の下を撫でてやると、そいつは今にもとろけそうな顔をした。

「あたしに会いたかったの?」

猫を抱きかかえじっと見つめる。仔猫も今度は嫌がる様子もなく、じっとあたしを見つめていた。

「そっか。会いたかったのか」

前に比べてずいぶん小さくなったね、とつぶやきながらそっと猫を抱きしめる。

光也より少し高い温度を肌で感じながら、あたしはその小さな体をずっと抱きしめていた。





あたしも 会いたかった





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
二作目の短編小説も、恋人が死んでいるという設定ですね。吐血
なんか俺、死ネタ多い?(死
この白猫が光也なわけないのですが、彼女には光也に見えてしょうがなかったのでしょうね。いや、もしかしたらこの猫は本当に光也かもしれませんね。光也は彼女に会いたくて
生まれかわったのかも知れません。


26 :葵助 :2007/07/29(日) 12:25:53 ID:n3oJteuG

アンタは今 泣いているんだろう?
泣けないくせにさ。


不器用でゴメン。
無愛想でゴメン。


笑顔の作り方 とうの昔に忘れてしまって
アンタのこと 大好きだったのに いつも仏頂面だったよな。

アンタはいつも笑顔で
冷たくあしらってしまう俺を見ても やっぱり笑顔で
その笑顔が心地よい反面 痛かった。

アンタはとうの昔に 涙の作り方なんて 忘れちまって
不器用だから いつも笑っていてくれたよな。


俺の分まで いつも笑顔でいてくれて
俺は アンタの分まで いつも泣いていて


互いのために こんなことできるって きっと 幸せなことなのに。


なぁ。
幸せなんて 俺達の間には最初っからあったのに。
目に見えなくとも 俺とアンタがいてくれれば それだけで幸せだったのに
今は その幸せが苦しい。
今 幸せすぎて 苦しい。
ぎゅっと握ってくれる手が 今こんなにも切ないなんて 知らなかった。


今さら遅いけれど
もっと 素直になればよかった。
もっと 甘えればよかった。
もっと 自由になればよかった。
できなかった。
しようとしなかった。


今度生まれ変わったら。
またアンタのとこに 来るよ。
何度でも アンタの横に 来るよ。
もっと 素直になって。
もっと 自由になって。
またいつかアンタに会えたなら。
俺は不器用な顔で 笑って。
アンタは不器用な 涙流して。


アンタが今 泣いていませんように。
もうじき いなくなる恋人を想って 笑っていますように。




また いつか 会えたなら。


27 :葵助 :2007/07/31(火) 19:01:09 ID:ommLPnzF

百枚撮れるカメラでも



きっと写しきれない。



思い出は


カタチでは残せないから


せめてさ


心のアルバムに閉まっておこうよ。






キラキラとこぼれる太陽を


体育館裏に吹く涼しい風を


短い命を燃やす あの蝉を


黒のキャンパスに一瞬だけ咲き誇る あの大輪の花火を


そして


いつも傍にあったキミの顔を






ありのままで

残しておこうよ。


28 :葵助 :2007/08/06(月) 21:43:19 ID:ncPik7s7

アンタが 俺の家から帰った後






温もりの残像が






僕を切なくさせる







,


29 :葵助 :2007/08/10(金) 21:30:15 ID:o3teWkL4

小さな 囲いで区切られた




この空の 下に




確かに君はいるんだね










,


30 :葵助 :2007/08/10(金) 21:32:33 ID:o3teWkL4

両手を伸ばしても 届かない



走り抜けても 追いつけない



なのになぜ 僕らは


諦めることを 知らないのだろう

















,


31 :葵助 :2007/08/21(火) 23:41:31 ID:n3oJtkoL

何度

押し流されようが

何度

離れようが

何度

引き裂かれようが



その度に

何度でも

戻ってくるよ

君の元へ




,


novel plaza system
甘辛流小説家ギルドGAIA
produced by COLUN.