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1 :るびい :2010/01/10(日) 18:21:02 ID:onQHx4P3

短編集、はじめます!!!
いろんなジャンルに挑戦すると思います!ていうかします!!
頑張るので感想とか、アドバイスとか書き込んでもらえると、とても嬉しいです!
よろしくお願いします!!


2 :るびい :2010/01/18(月) 20:07:42 ID:onQHx4P3tF

I don’t know



「お前にはわかんねぇ事だよ・・・」

 

彼は今朝、そう言い残して家を出て行った。

 

「頑張ってね。」

 

私が今朝、彼に最後に言った言葉、この言葉に対し言った言葉がその「お前にはわかんねぇ事だよ」だった。

 

 

彼は何を言いたかったのだろう・・・

 

私は何が分からないのだろう・・・

 

私は今日、家にいる間中ずっとそのことを考えていた。

 

 

私の名前はラシェル。

 

この雪山と氷河と森に囲まれた小さな家に住んでいる。

 

この小さな家の地下にある洞窟で服やマフラーなんかを作っている。

 

 

そんな私と一緒に暮らしている彼の名前は、ブルース。

 

彼は雪山に大量発生してしまったある生物を捕まえ、その生態を調べる仕事らしい。 

 

 

いつもなら一日2着は毛皮のコートを作れるが、今日はなぜか1着目のボタンを縫い付けているくらいでもう夜の7時だった。

 

それは職員が1人休みだったからだけが理由じゃない気がした。

 

 

一日中、あの言葉がつっかかっていたから仕事が進んでいないのだろうか・・・

 

 

そろそろブルースが帰ってくるので裁縫道具を箱にしまい始めた。

 

 

今日の夕飯は、クリームシチューと魚のフライなどだった。

 

クリームシチューは彼の好物だ。

 

 

彼とであったのは今から1年前くらい。

 

私がこの職について間もない頃だった。

 

当時、私は下っ端の人間でここと比べとても暑い地域に行かされたり、

 

安い収入で残業ばかりをやらされたりしていた。

 

 

そんな時、私は少し遠い村の商店街で物を売る仕事をする日があった。

 

そこでの仕事が終わり、売れ残ったコートやマフラーや手袋を持って

 

自分の住む村へ帰ろうとしたその時、

 

一人の男性が雪の上で倒れているところを見つけたのだった。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

私は動揺して心の中が真っ白だったにもかかわらず、落ち着いた声で言った。

 

それでも返事は無かった。

 

うつ伏せになっている体を私のひざに乗せ、顔を覗いた。

 

真っ青だった。

 

その男性は整った顔を青くしていて薄っぺらいTシャツに薄っぺらいジーンズをはいていた。

 

この男は、この村の寒さをなめてるな・・・、と少し腹が立ったが

 

とりあえず持っていたコートを着せて、家が近かったので家まで引きずった。

 

 

家に着くと暖炉の近くに布団を敷き、その上にタオルを敷いてその上にその男性を寝かせた。

 

改めて男性の顔を覗き込む。

 

整っていて、きっと女性に好かれるのだろうな・・・、と思い少し鼓動が速くなった。

 

 

男性は徐々に温まり、顔も血行が良くなった。

 

 

「・・・・あれっ・・・」

 

1時間後くらいに低い声がして、男性は起き上がった。

 

「あっ、目が覚めましたね。良かったです。ここは私の家ですよ。

 

さっきあなたが外で倒れていたのでここに寝かせておきました。

 

こんな薄着でここに来たから倒れてしまったんですよ!!!」

 

私は怒り口調で言った。

 

「すみません・・・僕は今日からここの辺りで働くのでここに来たのです。

 

ここの村をなめていました・・・」

 

その男性はちょっと困った顔をして笑った。

 

私はその顔とこの声に完全に惚れてしまっていた。

 

「あの・・・」

 

私はそんな自分の気持ちを自覚し、思い切って話しかけた。

 

「私の名前はラシェルと言います。どうかお名前を教えていただけますか?」

 

「あぁ、失礼しました。僕はブルースと言います。よろしくお願いします。」

 

そしてブルースは手を差し出した。

 

 

そう、ブルースとの出会いはこんなだった。

 

このあと「お礼がしたい」と言われ、食事にいったり連絡を取り合ったりしているうちに

 

今のようになったのだった。


3 :るびい :2010/01/18(月) 21:29:54 ID:onQHx4P3tF


がたっ、と玄関から音がしたので慌てて玄関へ向かった。


「おかえり。今日はクリームシチューなの。」

私は笑顔で言った。

 
今朝のことは気にするな、気にするな・・・


しかし彼は「うん」とだけ言い、自分の部屋へ向かった。


彼は気にしているのだろうか・・・


私は思い切って話しかけた。


「ご飯・・・食べないの?」

「・・・・うん・・・ごめん・・・」

「疲れてるの?」

「・・・・・う・・ん・・・・」

「・・・・分かった・・」



ベットに潜り込むブルースを横目で見ながら、

私はため息をついた。


・・・ご飯・・・食べないんだ・・・


そう思って悲しい気持ちになっていると急に食欲がなくなって、私も眠ることにした。



そんなに疲れる仕事なのかな・・・?


そんなことを思いながら、自分が知っている彼を出来るだけ思い出した。

そして思った。



私は彼を少ししか知らない。



そんなことを思っていると、1年がとても短く感じた。

すごく不安な気持ちになった。


朝、目覚まし時計の音で目が覚める。

気が付いたら眠っていた。

朝の4時半。

いつも、私たちが起きる時間。ブルースは5時過ぎに家を出て行く。

朝食は昨日の夕飯。


起きてくると、テーブルの上に置手紙があった。

汚い文字で「今日は早く出ます。それと夕飯おいしかった。今日は早く帰るから ブルース」と書かれてあった。


テーブルの上にはカラになった皿やスプーンが置いてあった。


私は嬉しくて嬉しくてにこにこと笑いながら支度をして地下へ行った。


4 :るびい :2010/02/08(月) 18:37:00 ID:onQHx4P3tF



「おはようございます!!」


地下に行くと職員の中で一番仲が良い部下のフローラが挨拶をした。

「おはよう!今日も頑張ろう!!!」

「あれ?今日なんかテンション高くないですか?」

「そうかな?まぁとにかく今日も頑張ろー!!!!」


今日は少し明るい気持ちだったがやはりブルースのことが知りたいという気持ちはまだ消えていなかった。



「あれっ?ラシェルさん、今度はテンションすっごく落ちてますよ?大丈夫ですか?」


・・・どうやら私は顔に出てしまうようだ。


私はブルースと同じ職の夫を持つ、フローラに話をした。

昨日のあの言葉・・・全然知らない仕事・・・・


話し終わった頃にはもう仕事はもうすぐに終わるところだった。

ずいぶん長く話したんだな・・・



「ラシェルさん、明日、私の家にきません?」

唐突にフローラが言った。


「え?」

「私の夫なら分かると思うので!」

「いいの?じゃあ・・・お邪魔させていただきます!」

「はいっ!ではさようなら!!」

「うん、ばいばーい!」



フローラが帰ってからまた地下で片づけをしていると、


「おーい!ラシェル〜!!!いるのか?」


!!!


「おかえりなさーい!いまーす!」

「やけにご機嫌だな。ただいま。」

「うんっ、待ってて、ご飯今持ってくるから!」

そして私が慌てて台所に駆け込もうとすると、

「あー・・・ごめんラシェル・・・今日仕事のやつらと食べてきちゃったんだ・・・悪いっ!」

顔の前で手を合わせるブルース。


「あ、そうなの・・・?分かった。」


私はこんな些細な事だったが泣きそうになっていた。



「・・・なんで?なんで黙ってるの?そんなこと」

「え・・・?」


私は怒りと悲しみが抑えきれなくなってしまった。


「どうしてブルースはそんなに冷たいの?私のこと好きじゃなくなっちゃった?」

「ラ・・・ラシェル・・・あのさ・・」

「もう良いよ。ブルースは私のこと好きじゃなくなっちゃったんなら・・・もう・・もう良いからっ・・・」




なんて・・・なんて私は短気なんだろう・・・些細なことなのになぁ

でも、私は・・・なぜだろう・・・とても悲しい。とても腹立たしい。

きっとこの腹立たしさはブルースではなく自分に腹が立っているのだろう。


気が付いたら私は走り出していた。

服の上に何も着ずに外へ飛び出したのでとても寒かった。

外は霰が降っていた。

寒くて辛くてしゃがみこんで泣いた。


ザザザ・・・


足音が聞こえた。ブルースが着いて来たのかな?


顔を上げた。


・・・フローラだった。


「大丈夫ですか?あっ、泣いているじゃあないですか!!」

驚いた顔で目はいつもの2倍くらい見開いているフローラの可愛らしいく安心できる声に、また涙が出てきた。


自分は弱いなぁ。


「・・・ブルースさんが原因ですか?」


なぜか小さな声でフローラが言った。

私は頷いた。

私は本当になんて弱い人間なのだろう・・・


「では・・・あのとりあえずこんなところだと凍ってしまうので・・・私の家に来てください。」


家にお邪魔すると、ラシェルの旦那様、ウォーレンがキッチンに立っていた。


「おかえり」

低い声でウォーレンが言い、ウォーレンはそのあと私の存在に気付き、「あ、こんばんは」と言った。


「お邪魔します・・・ごめんなさい・・・こんな時間に・・・」


ウォーレンは見た目が恐かったので私は少しおびえながら言った。


「いや・・・別にいいっすけど・・・」

無愛想に彼は言った。


5 :るびい :2010/03/09(火) 19:03:21 ID:onQHx4P3tF


暖炉の前にあるテーブルでご飯をご馳走になった。

メニューはカレーライスだった。


しばらくの間、みんなもくもくとカレーライスを口に運び続け、誰も何も言わなかった。



「あの・・・」

最初に口を開いたのはフローラだった。


「ウォーレン、ちょっとラシェルさんの話、聞いてあげて。」


そういうと視線は私のほうへ集まった。



私はウォーレンに悩み事を話した。



話し終えるとウォーレンはスプーンを置いて

「今日はうちに泊まって行ったらどうですか?」

と言った。


気が付くと私はまた大粒の涙をポロポロとこぼしていたのだった。

それに今家に帰ってもどうすればいいのか分からない。

そういうことに気づかってウォーレンはそんなことを言ってくれたのだろう。


私は結局その日、家に泊めさせてもらった。


悩み事を話したのに、ウォーレンは何も反応を見せなかった。

そんなことをぼんやりと考えているとフローラがむくっと起きてきた。


「あれっ、ラシェルさん、起きていたのですか」

「うん。どこか行くの?」

「はい。もう夫が起きるので朝食を作りに」

「えっ、もうそんな時間なの?」


時計を見ると、針は4時過ぎを指していた。

私、一睡も眠らないでいたんだ・・・


「じゃあ、私も朝食作り手伝うよ。泊めてもらっちゃって悪いし」

「そんな!申し訳ないですよ!!」

「いいから!」

「・・・分かりました・・・お願いします」


私は早速キッチンに立った。

隣でフローラは「ラシェルさんの手料理、食べてみたかったんですよー!」と言った。


朝ごはんはトーストとオムレツをメインとするものだった。


「おはようございます」


ウォーレンが起きて来て皆で朝食を食べ始めた。


皆が食べ終わり、片付けようとした時、

「あの・・・ラシェルさん」

ウォーレンに呼び止められて足を止めた。


「今日、仕事現場に一緒に来ません?」


いつも無愛想だった彼が急にそんなことを言うので

私は少し驚いて聞き返した。


「え?」

「ちょっと考えたんですけど、やっぱ自分の目で彼のことを知っていったほうがいんじゃないですか?」


「・・・でも、そうですよ。行って、自分で知ったほうがいいと思いますよ」

フローラも言った。

こうして私は今日、ウォーレンの仕事場、またはブルースの仕事場へと行くことにした。


ウォーレンが立ち止まった場所は、灰色の大きな建物の前だった。

木でできたドアを開けると、小さく「キィィ・・・」と鳴ったので、少し古い建物だ。


私が一歩中へ入ると、ウォーレンはじっと私を見つめた。

「ブルースさんは、2階にいらっしゃいます。では俺は1階なので、これで・・・」


これから先は自分ひとりで行くことになって少し不安だったが、来たからにはしょうがなかった。

2階への階段は木でできていて、1歩上るごとに不安定な音がした。


そして2階へと・・・



「そこの紙をとってくれ。」



ブルースの声がした。

恐る恐る壁から顔を出すと、6人くらいの人が台の周りに集まっているところで、私の存在には気付いていないようだった。

次々と聞こえてくる、意味不明な言葉。

おそらく、専門用語なのだろう。


ブルースは、その中で一番偉い人のようだった。

怒鳴ったりもしているがなぜか優しい声で指示をしていた。


熱心に頑張っている彼の姿は、きらきらと輝いていた。




―1ヶ月後―


「大変だと思うし、私も頑張るから、無理しない程度に頑張ってね!!」

「うん!お前もな!!」


家を出て行くときの会話は、このように変わった。


それからというもの、彼はなぜか口数が前よりもすごく多くなった。


今思い返すと、彼は仕事の枠と彼女の枠という枠があって、

私を仕事の枠に入れさせてくれなかったのだと思う。


でも今は、まさに「一心同体」に近いくらいだ。


来月、私たちは結婚する。


6 :るびい :2010/03/09(火) 19:05:43 ID:onQHx4P3tF

あとがき

はいっ・・・
えと、これで終わりです。
どうでしたか? ちょっと最後のほうおかしいでしょうか・・・?

また次もお話書くので、ぜひ見てください!
このお話の感想もよろしければお願いします。


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