明日の風音


1 :山内雪治 :2009/09/29(火) 18:39:31 ID:mmVcVnrA

普通と言うほど普通ではない少年「恵介」。4年ぶりに再会した彼女は押しかけ女房!?同じ学年の仲間の手により常に死と隣り合わせ。「生きろ!恵介!」


2 :山内雪治 :2009/09/29(火) 18:42:07 ID:mmVcVnrA

初めて

初めての投稿。緊張などが入り混じり少し変化と思いますが感想を待っております><:
なおYahoo!でもブログでやっております。興味のあるかは是非是非見に来てください!


3 :山内雪治 :2009/09/29(火) 18:45:04 ID:mmVcVnrA

第一話 俺の明日は無いのか!?

 「…ねぇ。恵介。」
 「なに?」
 「いつまでここに居るの?」
「しばらくはここでゆっくりしているつもりだけど?お前は先に行っていていいよ。」
「…いい。待ってる。」
「ん。そうか」
「「・・・・」」
「…ねー。」
「ん?」
「…いつになったら結婚してくれの?」
「お前なー付き合ってすらいないのにできないぞ?」
「…私は好き。だから言っている。」
「お前…まーいい。いつかな。」
「…いつかっていつ?」
「高校あたりじゃないか?」
「…分かった。約束だからね。絶対に。」
「ハイハイ。」
 

僕が高校生になって一年。正確には一年と一日だ。ウキウキした気分だったのが嘘だと思うほど鬱な気分だ。
「はー…どうしよう。」
ふとため息が漏れてしまう位に悩んでしまう。この町で少しだけ高くて安い家賃のこのアパートの部屋。一人暮らしなんて普通羨ましいはずの生活を送り最高の生活…のはずだが。
ぼくは家で静かに座って天井を見つめていた。昨日の入学式は金曜で今日は土曜で休みだ。部屋には僕ともう一人…。
「あ?珍しいなお前が溜息をするなんて。」
そう言って僕の正面で漫画本を読んでいるごつい顔と短髪の男は「北島隆弘」一年前に知り合った。こいつは体育の成績は「5」しかとらないほどの運動能力。中学時代は「孤高の狂犬」と呼ばれたことがあるらしい。だが今ではそんな様子もない。
「あー…うるさい。」
「こんなになるほどの事があったのか?」
「ほら。昨日学校で言っていたじゃん。あれの事でね…。」
「あー…あれがどうした?俺はうれしいけどな。お前は嫌なのか?」
「チョト訳ありでね。大変なことになりそうなんだ。」
「ふーん…そうか。」
そう言い漫画を閉じて俺の目を見た。
「お前が言う位だ。よほどやばい事だろうからな。」
「…。」
あぁなんていい奴なんだろう…。こいつはよく俺の事を理解してくれている…。
「ありがとう。心配してくれているなんて嬉しいよ。」
「あぁ。お前ほど頭のユルイ奴が悩むくらいだからな。」
「前言撤回だ。死んでしまえ。」
「だけどお前学校で一二を争うくらいじゃねーかよ。」
「なにが?モテ男ランキングで?」
「頭の悪さの。」
「あー!僕が一生懸命眼をそらしたことをー!」
平気でこんなこと言うなんてこいつは間違いなく人間じゃない!
「で本当は何があった?」
「それは…。」
その時家の呼び鈴が鳴った。
「ひ!」
「ん?客みたいだぞ?」
「隆弘がでて!」
「あ?ここお前の家…。」
「いいから!そして僕は居ないって事にしておいて!」
まずい。こんなに早く来るとは想定外だ。どこに逃げればいいんだ…!
辺りを見渡し逃げ道を探す
「!」
窓だ!窓かならなんとか・・!
『すいません。今恵介…って』
「!?」
まずい早くせねば。大丈夫さ!人間は常に進化してきた!僕が人間初の鳥に!思いっきり窓をあけベランダの下を見る。
「…。」
アパートの6階。相当な高さ…。
ゆっくりと部屋に入り戸を静かに閉め正座する。あぁなんで高い所にある部屋を選んだのだろう…。覚悟をきめ耳を澄ます。
『何かすごい音がしなかった?』
『たぶん恵介だ。あいつなんか様子おかしかったし。』
『また厄介事か?』
『じゃないか?』
(この声は…。)
ゆっくりと玄関に向かってみる。そして兵隊の如く。壁に張り付きゆっくりと相手を見る。
『あいつは本当に学習しないな。』
『まぁそう言うな。』
『まったく。』
(あれは…)
長い腰まで届く三つ編みそして「ザ・委員長」としか言いようのない雰囲気。
「委員長か。」
「む…。いるなら自分でくるのが常識だ。バカ者。」
委員長もとい「早瀬ミコト」小学校から委員長をやっている超秀才。なんかこの前はクイズ番組に出ないかって校長から言われていた。
「まったく。お前に常識と言う…。」
「あぁ。悪いと思っているさ。」
「む…。ならいい。」
そう言うとそっぽを向いた。
「顔が赤いけどどうした?」
「何でもないわよ。」
変な奴だな相変わらず。まぁそれは良いとしてだが。
「そういえば凪は?今日呼んだはずだけど?」
「いや。今お前の後ろに居るぞ?」
「え!?」
後ろに目をやると天井から上半身を出している人がいた。
「お邪魔しているぞ。恵介。」
「君は玄関から入ることを覚えてくれ。」
「それくらいは覚えているぞ。」
そう言い天井裏に戻るとしばらくして玄関から入ってきた。
「これでいいか?」
この謎な奴は「間宮凪」家のお隣さん。髪を後ろで縛っていて普通の女子より身長が高い。そして若干じじ口調。そして何より胸がデカイ…。そしてなんだか忍者みたいな奴だ。
「ま。今になって始まった事じゃないからいいけど、なるべく玄関から入って。」
「了解だ。」
僕は周りを見渡し人員を確認してから奥の広間に呼んだ。そして全員座ったところで用件を話し始めた。
「今日呼んだ理由なんだけどさ。少し困ってるんだ。」
「さっき俺に言ったことと関係るのか?」
「少しね。」
「何だ?それは?」
「金に関することならわしはパスじゃ。面倒だからの。」
「お金の話じゃない。ただ…。」
「ただ何?」

「しばらくかくまってくれないかな?」

「「「は?」」」
「もちろん世話になる間はお金を出すよ?むしろ天井裏でもいいからさ。お願い!」
「えっと…話が見えないのだが…。」
「なぜ故恵介を家に置くのだ?」
「ちょっと昨日のこと思いだして先生がいっていた事を思い出して。」
「あの転校生がくるって話か?それがどうしたのか?」
「名前は確か「浅間楓」って言っていたけど…。」
「その名を口にしないでくれ…。」
「ん?何だ?知り合いか?」
「昔一緒の小学校に通っていてね。その時に変な約束したんだ…。」
「「「どんな?」」」
「…いやちょっとした…。」
「「「どんな!」」」
どどうしよう!恥ずかしくて言えない!
「…結婚してくれるっていう約束。」
「「「「!?」」」」
どこかで聞いた声…まさか。
「ゆっくり後ろを振り返ってみた。そしてそこには

「…4年ぶり。恵介。」

僕の一番苦手な人が立っていた。


4 :山内雪治 :2009/09/29(火) 18:46:50 ID:mmVcVnrA

第二話 明るい未来か地獄で暮らすか

長めの髪にきりっとした顔立ち。スラッと伸びた足。凪より背は若干高く、委員長よりりんとした態度。みんなあっけにとられているが僕はそれどころではない。
「なな何でここが…。」
「お義母様に聞いた。」
あのくそばばぁ!言うなっていっていたのにー!!!
「というか義理の母と書いてお母さんって言うな!」
「…その内言うことになる。」
「ならねーよ!むしろ全力でその状況を避けるね!」
「…そうはさせない。」
「うるせー!」
「恵介…そちらは?」
「あ?昔の幼馴染…。」
「…婚約者です。」
「違うから!なぜ急にそんなこと言い出した!初対面だぞ!」
「…そうだった。」
そう言うと正座でみんなのほうを向いて座った。
「…始めまして。恵介の妻の浅間楓です。月曜日からそちらの学校に転校することになりましたのでよろしくお願いします。」
「「「こちらこそ…。」」」
珍しく3人の声が揃った。すると隆弘が
「あの浅間さん4人で話があるので恵介をお借りしてもいいですか?」
「…どうぞ。」
 「すいません。」
すると凪に手をひかれ隣の部屋に連れてかれた。
 「事情が分かった。うんあれはやばいな。
俺の危険信号がピークに達している。」
 「けどきれいな人だったね。」
 「まぁきれいはきれい…ってなんで凪は僕の手をそっちに向けようとしているのかな?そしてミサキはどこからそんなハンマーを?」
 そっちの方向には曲がらないよ?ギリギリ音を立てているし…。
 「恵介よ。あの御仁とは付き合っておるのか?」
 「不純異性交遊は認めない。」
 「いや付き合ってなぎゃぁぁぁ!ごめん本当だから痛い!」
 「本当かのう…。」
 「嘘は許さない。」
 「本当だからやめて!」
 「ふん。まーよい。付き合っておらんならな。」
 「付き合ってないなら。」
 そう言いながらとやっと凪は僕の腕を解放してくれた。そしてミサキはハンマ―を隠した
 「付き合っておったらわしが付き合えん。」
 「ん?何か言った?」
「いや何も。」
「そう。まーいい。と言うわけで家に居ると危険だからだれかの家に置いてくれないかって言う相談だったんだけど。」
「ならわし(私)の…。」
「いや。何かあれば凪かミサキの家に逃げ込めばいいからいいだろう。」
「…。」
「いた!何で殴るんだよ!」
「おぬしは意地悪じゃ。」
「空気を読め。原始人。」
「原始人って…。まぁごめん。だけどピンチを救ったら好感度上がるだろ?」
「そう言う事かの…。」
「そうかな?」
「そう言う事さ。」
「ねぇ三人で話しているところ悪いんけどさ。隆弘。」
「あ?」
「チョキの使い方知ってる?」
「じゃんけんで…てうぉ!何目をつこうとしてんだよ!」
「はっはっはっは。避けたら当たらないじゃないか。」
「うるせー!逃げるからな普通!」
「ふんだ!僕を見捨てたくせに!」
「いいから考えてみろ!」
「なにを!」
「あの人は絶対お前を探し出して引きずって帰るぞ!」
あ。そうか。考えてなかった。
「じゃあどうすれば?」
「あえて逃げない方が危険は少ないから逃げない方がいいだろ。一緒に住むわけでもないからな。」
「あぁそうか。よし。そうだね。」
「分かったなら戻るか。」
「うん。」
流石隆弘だ。頭がいい。
僕たちはもともと居た広間に戻ると楓がいなかった。
「あれ?どこ行った?」
「玄関から音がするから玄関だろ。」
そう言い玄関に向かうと何かいろいろと引っ越し業者が家の中に入れていた。そこでなにか楓が先導していた。
「えっと…。何をしているの?」
「…引っ越し。」
「「「「へ?」」」」
「…しばらくここに住む。」
「ターイム。だれが決めたの?」
「…私の親とあなたの親。」
あのくそ両親!!
「隆弘、どうしよう。」
「なんとかしろ。」
「そんなー!」
「話と違うではないか!。」
「不純異性交遊は認めない!」

数時間後ひともんちゃくありつつ作業は終わり、広間でみんなと休憩していると楓がお茶を出してきた。
「…どうぞ。」
「あ、すいません。」
「ありがとう。」
「すまんな。」
「…なんでぼくのお茶だけ色が違うのかな?」
「…何も入ってない。」
「なんでそんな返答が返ってくるのかな?入ってないなら普通言わないよね?」
「…ところで恵介。」
「話をそらすな!」
「…そちらの方々はだれ?そしてなぜ二人も女の人が?」
「僕が呼んだ。学校の友達。」
「…そう。」
なんだろ?起こるかと思ったのに…。
「…恵介はい。」
「ん?なに?」
渡されたのは…遺書?
「…ゴム無しバンジーやって。」
「するかぁぁ!!!」
「…じゃあ今すぐこれに判を押して。」
そいって出してきたのは…
「結婚届け?」
「…選んで。」
「俺の未来は結婚か死ぬしかないのか!?」
なんて狭い選択何だ…。
「…明るい未来か地獄で暮らす明日か。明るい方がいいと私は思う。」
「どっちにしろ地獄だよ…。」
と言うか僕は地獄に行くのか!?
「…地獄じゃない明るく新妻との生活。」
「やめてくれ…。」
「…ねぇ恵介。」
「何?って、うを!?」
とっさに避けるともともと居た場所がハンマーにより大きく陥没していた。
 「何するのさ!」
 シュカカ
 「…。」
 今度は鼻の先を刃物が通った。
 「ハハハ。外したか。」
 「避けたら当たらないじゃない。」
 「そんな物あたったら死ぬから!後普通避けるから!」
 「恵介。誤解しないでね。」
 「何を!?」
 「「殺す気だから(のぉ)」」
 「いやぁぁ!!!」
 「…浮気は許さない。」
 「恵介!生きろ!」


5 :山内雪治 :2009/09/30(水) 22:47:02 ID:WmknWJzn

第3話 朝には注意を

 「眠い…。」
 6階の1室ポニーテールをほどき、パジャマの上から2つ目までのボタンを外し布団の上であぐらをかいている凪がいた。
 (まったく。来るかと待っておれば…。)
 昨日恵介は、ハンマーや刃物が全身に刺されたあげくベランダから吊るされた。そして昨日から同居している楓のこともあり逃げ込んでいるかと期待していた。だが普通に考えれば暴行を加えた相手のところになど普通は行かない。
 (しかし普通に何もないまま夜が明けたのう。)
 実際は楓の事もあり不安で仕方がなかっただけなのだが。昨日の夜は11時位までは口論が聞こえたが、そのあとは何も聞こえなかった。ふと時計に目をやると時刻は6時半。もう日が昇り綺麗に整頓されている部屋の光がさしていた。ベランダに出ると外を大家(95歳)
がランニングをしていた。
 (あの大家は化け物か…。)
 95だと言うのに筋肉ムキムキでどう見ても30代にしか見えないがこの前恵介と大家の部屋に行ったときにお茶を飲んだ瞬間90代のおじいさんになったのを見た時は二人で驚いた。お茶と老化は関係あるのか…。
 「…よし。」
立ち上がりパジャマを脱ぐ。そして普段着に着替え鏡の前に立つ。ジーンズにTシャツと言う組み合わせでなんだか男子みたいなカッコだ…一部を除き。
「また大きくなったわい。」自分の胸を見て溜息が出る。しかしすぐにポジティブに考えてしまった。
(大きければ男が喜ぶ。それにあの楓とか言う者よりも…。)
楓は普通の女子と比べれば大きめだが凪は格が違う。少し上機嫌になりつつ部屋から出て玄関から外へ出る。そして隣の恵介の家に行く。いつも鍵は掛けていないからあいていると思い部屋に行く。ドアを開け左に入った部屋が恵介の寝室だ。
「おーい。けいす…。」
ドアを開けその向こうにはシャツとパンツの恵介とパジャマ姿で恵介にべったりと抱きついている楓の姿があった。
「…こぉの!!」
凪は恵介の頭をわしずかみにして。
「おお馬鹿者がぁ!」
壁に投げつけた。

「いたぁ!」
僕は突如背中に走った強烈な痛みで目が覚めてしまった。なんだよ…こんな朝から…。
「このうつけが!」
「?」
目を開け声のする方向へと顔を向けると逆さまの凪がいた。
「…ついに壁を歩けるように?」
「何の話じゃ!そう見えるのはお主が逆さまだからじゃろが!」
「あぁ。本当だ…。なんで?」
「お主…なぜゆえこの者と共に寝ておるのじゃぁ!」
「それはないはずさ。部屋に鍵かけておいたし、今頃別の…。」
あれ?だったらなぜ凪がここに居る?普通は廊下に…。
「!?」
僕はさっきまで寝ていた(思われる)場所を見た。そこには昨日部屋から追い出したはずの幼馴染が寝息を立てて寝ていた。
「「…。」」
「…すぅすぅ。」
「えーとね…。うん。あれだよ。」
「ほぅ。あれとは?」
「えっと…。」
何か…いい解決法は。うわぁ凪の顔に思いっきり怒りマークが…。
「そうさ!きっと不審者が…。」
「…恵介…ももう無理…。そんなのは…はいら…。」
「「…。」
何というタイミング!?なに!実は起きているの!?
「…恵介よ…わしは悲しい。」
「何が…?」
「この手で友を殺さねばならんかと思うと辛くてな。」
「じゃあやめておこうよ!」
「いや。お主のようなう腐ったものを出さないためじゃ。」
そう言うとどこからともなく凪の細身などにあったのかと考えるほどの鋭い刀身の刀を出してきた。
「ハハハ。そんな物向けたら危ないぃ!?」
とっさに避けたが僕の顔の横を鋭い突きが飛んできた。
「…避けるでない。」
「いやだよ!?」
「辛くなってこないから。」
「そこは辛くなるからでしょ!?」
「お主にそんな心配をかけるくらいなら明日の生活費にかけるわ。」
僕<生活費。
「友達を何だと思っているんだ!?」
「知らぬわ!お主なんぞ死んでしまえ!」
「…う〜ん。恵介?」
「「あ。」」
「…朝から何をしているの?」
どうやら起きてしまったようだ。目をこすり、上に背伸びをするしぐさは昔のままのようだ。
「じゃなくて何でいるんだ!?鍵はどうした!」
「…ピッキング。」
「そんな謎なスキルを手に入れるなよ!」
いずれ捕まる気か!?いやまずどこで覚えたんだよ!
「…恵介。」
「何!」
「昔と同じで朝は弱いからなるべく大声は控えて。」
「む?何かあるのか?」
「あぁそれはこいつが超低血圧なだけさ。」
「なんじゃ。てっきり病気かと思った。」
昔から朝は起きるたびこうだ。おかげで朝起こされることはなくても少しばかり手がかかる。
「…暖かいものない?」
「むぅなら良い頃合いじゃ。こんなこともやめてそろそろ朝ごはんを作るか。」
「あ。お願いね。」
「うむ。任せておけ。」
「…?いつもの?」
「あぁ言ってなかったね。」
「恵介は料理をまともに作っておらんから
朝と夜はわしが作っておる。」
 実際まともな食事など今までとっていた記憶がない。と言うのも僕の母親はユルイ人だった為、料理で人を病院送りにするような料理を作っていた。(もちろん被害者は僕だ)だからといって自分で料理を作る気にもなれずにいた。そしたらある日凪が来て「こんな物食事とは言わん!」と激怒して、それ以来ずっと作ってくれている。
 「…そうだったんだ。」
 「まぁな。お前も知っての党利親が親だしな。」
 「…じゃ明日から私が作る。」
 「「はぁ?」」
 僕と凪の声がそろった。それほど襲撃だった。と言っても凪は。
 「朝は弱いのに大丈夫なのか?」
 と言うものだが僕の場合。
 「作れるようになったの!?」
 と言うものだ。僕の場合は昔凪がお菓子を作ってくれた事があるが食えたものではない。しょっぱいし、なんだか洗剤の味がした。と言う苦い思い出ゆえだった。そんな僕達に対してかむっとした顔になり。
 「…昔と今は違う。朝は弱いけど少しすれば大丈夫。」
 「「どの位?」」
 「…今の時間なら6時間位。」
 現在時刻6時45分。うん12時45分。
 「そんなに立ったら逆にお腹がすくよ!」
 「第一にそれは昼飯じゃ!」
 「…おぉ。」
 「おぉじゃない!おぉじゃ!」
 こいつ頭はよかった覚えがあるけど今はバカか!
 「まぁよいどちらにせよもう作るからの。」
 「あ。僕もやるよ。」
 「むぅ。いつも一人でよいと言っておるのに。」
 「固いこと言わない。タダでやってもらうなんて、恩着せがましいこと出来ないよ。」
 「わしが好きでやっておるのに…。」
 そんなにお世話になる訳にもいかないし、後で恩返しなんてできないから最近の朝は僕も作っている。
 「…恵介。」
 「ん?何?」
 「…もう少し寝るから後で起こして…。」
 「分かった。」
 そう言うとまた布団にコテンと転がった。本当に朝は子供っぽいな…。
 「じゃあ作るかの。恵介。」
 「うん。さっさと作っちゃうか。」
 そう言うと僕らはキッチンへと向かった。
 
 「どうせ目玉焼きとご飯とサラダくらいじゃからいいのに。」
 「そう言わないで。」
 「あ、キャベツみじん切りにして。」
 「分かった。」
 キッチンでは僕と凪が二人で料理していて残るのは盛りつけだけだ。
 「凪?悪いけど盛り付け一人でやってくれない?」
 「別に良いが…なぜゆえじゃ?」
 「楓起こさないといけないからさ。今からじゃないと後30分は寝てるいかもしれないから。」
 「なるほど。ならば早く起こしてきてやれ。
ご飯はみんなで食べるものじゃ。」
 「ありがと。」
 僕はいったんキッチンから出ると寝室へと向かった。寝室には僕が出て行った時と同じ格好の凪がいた。昔からねぞうは良いな。
 「おい。もう飯だ。」
 「…う〜ん。あと…。」
 「5分も30分もだめだ。」
 「…地球がひっくり返るまで。」
 「一生寝る気か!」
 むしろその頃僕らは生きているのか?
 「…じゃあキスして。」
 「はい起きろ。」
 俺は楓の脇を持って持ち上げようとした。
その時何か男子にはない何か柔らかいものがあたった。
 「!?」
 何だ今のマシュマロのようなそれ以上か柔らかい物は!?
 「…くすぐったい。」
 今わかったがこいつはブラジャーをつけていない。そのせいで胸が生き物のように動いている。
 「〜〜〜〜!!!」
 だっ駄目だ!起こす前に僕の理性が…!
 「凪!凪来てくれ!」
 「呼んだかの?」
 「うわぁ!」
 凪は僕の後ろに座っていた。まずい!このままでは説教が…!
 「わざとじゃない!わざとでは!」
 「ほっほう。わざとではないと…。」
 やばい目が座ってる!刀か!?手裏剣か!
 「ふん。まぁよい。しかしおなごを扱うときはもっと慎重にするべきじゃ。」
 「お…おう…?」
 おかしいな?いつもならもっと激怒するのに?
 「あの…凪さん?」
 「ん?なんじゃ?」
 「僕何かしました?」
 「何もしてはおらんが?」
 「嘘だ!」
 「ヒグラシはとうの昔に終わったぞい?」
 「じゃなくてさ。いつもなら怒っていると思ってさ。」
 「恵介…わしをそんな目で見ておったのか?」
 「正直なところそうだけど…。」
 そう言うと今度は少し悲しい顔をした。
 「わしはもともと心の広い人間じゃ。わざとで無いものを咎める必要もあるまい。」
 「…ご飯は?」
 話の途中で楓が起きた。どうやら少し長く話し込んだようだ。
 「あぁそうだな。食べよう。」
 「そうじゃな。わしの腹がへったところじゃ。いくかの。」
 楓はおもむろに立ち上がりキッチンへと移動していった。しかしふらふらとしていて見るからに危ない。
 「…。」
しかし意外だった。凪はもっと気難しいかと思っていたけどそうでもなかった。そんな事を考えつつ凪を見ていると「なんじゃ?」と振り向いたため僕は「何でもない」とだけ答えた。
「「…。」」
そしてもう一つ分かった事。楓はよく食べるようになっていた。着いた時には炊飯器が空だった。


6 :山内雪治 :2009/10/02(金) 21:17:36 ID:m3knrckD

第4話 呪いの少女の提案

「まさか切れるとは…。」
朝楓がどんどん食べるため家の食料が終わってしまい買い出しに行く羽目となった。
「…ごめんなさい。」
「悪いと思うならあんな勢いで食うなよ。」
「…朝はちゃんと食べないと辛い。」
「見た目とすごい違いじゃな…。」
「まぁ見た目なんて信用できるものじゃないしね。」
「むぅ。世の中見た目が八割を占めるなんてよく言ったものじゃ。」
ぐちぐちと喋りながら三人で歩いて行く。しかしあんなに食べるなんて時とは怖いな。昔なんて朝はご飯を一全食べられればいい方だったのに。
「ん?あれって?」
目の前にはなんだか少し見覚えのある人がいた。
「…誰?昨日はいなかったけど?」
「昨日は用事があるって断られたんだ。」
本屋の近くの電信柱にもたれかかっていたのは同じクラスの「影槍芳」(えいそうかおる)だった。うちのクラスの人は全員色々浮いていて…この話は今度にしよう。その中で唯一物静かな人だ。小さくとても身軽な女の子だ。
「こんにちは。」
「!?」
驚いたかのように僕が急に声をかけると後ろに跳びあがった。正確には跳びあがろうとした。電信柱にもたれかかっていたのを忘れていたのか後頭部から衝突する。
「〜〜!」
「大丈夫?」
すると彼女は頭を縦に振った。
「問題はないはず。」
「すごい音がしたけど…。」
「たんこぶができるかと思いました。」
時計を見ると8時半だった。
「こんな時間に何しに来たの?」
「…(スッ)」
「?」
指を指した先には本屋があった。
「開くのを待ってるの?」
「…(コクコク)」
僕は本屋の前に貼ってある日程を見た。「日曜日定休日」
「今日はやらないよ?」
「!?」
「ほらこの日程。」
僕は張ってある日程表を指差す。彼女はそれを見て露骨に落ち込んでいた。
「…(シュン)」
相当ショックなのか眉を下げて考えていた。
なんだかこっちまで悲しくなってくる光景だった。すると凪が
 「芳よ。わしらも買い物に行くのだがついてくるか?」
 「え。いいの?」
 「問題などあるまいて。困る事もないからな。」
 「…(ペコ)」
 彼女は丁寧にお辞儀をするとにこにことした顔でこっちを見てきた。
 「えっと…。」
 しかし見たことのない楓に気が付いたのか急に動きがキョドキョドしていた。
 「あ〜。これは僕の幼なじ…。」
 「今度そちらに転校する間宮楓です。恵介とは夫婦です。」
 「ホント!」
 「嘘だよ!まだ僕は十八じゃ…。」
 その時目の前にチョキが飛んできた。
 「いたぁぁ!「本当です。」目がぁぁ!」
 くそ!僕のセリフにかぶせてきた!と言うか目がぁ!
 「これこれ。恵介よ地面にのたうちまわるなど恥ずかしいからやめい。」
 「うるさい!目がやられれば誰でもなるよ!」
 「桜卦さん…以外と大人だったんですね。尊敬しました。」
 「しないで!そして僕の目についてはみんなでするー!」
 「結婚なんてアニメでしかないかと思っていました。」
 「してないから!本当に!信じてぇ!」
 「ふふ。もちろん信じていますよ。」
 「なら僕の目が失明しかける前にきずいて…。」
 ものすごく痛いんだ。これ…。隆弘昨日はやろうとしてごめんよ…。
 「えっと…ところで薫。何の本を買うのだ?」
 「そう言えばこんな朝早くから居るし何かまずいもの?」
 確かにそれは気になった。僕だったらエロ本を買う以外は起きないな。
「…(フルフル)」
 彼女は首を振り否定した。まぁ女子がエロ本は買わないか。
 「じゃあ何の本?」
 「日本呪術図鑑。」
 「怖いもの買うね!」
 「普通だよ?」
 女の子は呪術図鑑なんて普通に所持しているのか!?
 「恵介よ…勘違いしていると思うから言うがな。普通は持っておらんぞ。」
 「嘘!?芳さんが言う位だからホントかと思ったよ。」
 よかった。一般高校生は持ってないよね。そんな恐ろしいものは。
 ん?てことは…。
 (ねぇ凪。)
 (なんじゃ?)
 僕は凪と聞こえない位の小さな声で会話をする。
 (女子から見てもやっぱり異質?)
 (うむ。少しばかりましかと思ったが、うちのクラスにまともな者はおらぬのか…。)
 やっぱり彼女はそうか…。僕の中での彼女の一途家が変わった瞬間だった。
 「普通じゃないってことは凪さんは一冊もないんですか?」
 「あいにくじゃが持っておらぬな。」
 「え〜。買った方がいいですよ?嫌な人を好きな時に…。」
 「芳さんストップ!それ以上はやめて!」
 僕はこれから君と接する事ができなくなってしまうから!
 「…?」
 彼女は「なんで」と言う顔をしているがみんながビックリすることだと思うんだ。まだ最近の腐女子とかなら分かるけどさ…。
 「何を朝から騒いでいるの?近所迷惑を知らないの?まったくあなた達は。」
 「あ。委員長。」
 そこには制服の肩に「奉仕活動」と書いた腕章を付けている委員長ことミサとがいた。
 「委員長じゃないか。何しているんだ?」
 そう言うと肩に付けている腕章を指差し「奉仕活動だよ。」と言った
 「なんでそんな面倒な…。」
 「ふん。私はすべての時間は有効に使っている。暇な時間など寝ている時しかない。」
 うわぁ。なんだろこんな真面目な高校生が今の世の中に居るんだ。凪なんか「めんどくさい」って顔を隠そうと隠そうともしない。しかし急に何か思いたった顔をした。
 「ご苦労なことだ。委員長。」
 「むっ。」
 そう言うと委員長は僕と凪を見てハッとした顔をした。
 「はかったな…!」
 「何の事じゃ?委員長どの。」
 「今日は恵介とどこにも行かないって言ったじゃない!」
 「おやおや。少し朝から問題があっての。その為に出かけているまでじゃ。文句はなかろ?」
 「くっ…!」
 「あいにくにも奉仕活動中の様じゃし。恵介よ。長居して迷惑をかける訳にも行くまい。早く行こう。」
 「そうだね。じゃ。委員長はガンバ…。」
 「待ちなさい!」
 そう言うと長い三つ編みを空中で振り。胸に手を当てると「私も行くわ!」と宣言した。
 「いいよ。悪いし。まだやるんでしょ?」
 「待ってなさい!」
 そう言い残し一緒にやっていると思わしき人と話をして戻ってきた。
 「許可が出たわ。」
 「なぬ!?」
 「さぁこれで行けますね?」
 「悪いって。そんな僕のが行く所なんてつまらないし…。」
 「楽しい楽しくないではなく委員長としての責任だから行くの!分かる?」
 「そっそんなプライベートまで来なくてもよかろうに…?」
 「関係ないわ。」
 「ぐっ…。」
 この二人はいつもどうでもいい事で喧嘩してるなぁ。何かあったのかな?
「あっあの。」
 「「なんじゃ(ですか)!」
 二人に芳さんが話しかけたけど怒鳴られたから少し小さくなった。いや。元から小さいけどね。
 「その…えっと。」
 「早く言わぬか!」
 「ぐずぐずしていないで早く言って頂戴。」
 「く…。」
 「「く?」」
 「くじで…班行動にして行動しません?」
 「「「「(…)はぁ?」」」」


7 :山内雪治 :2009/10/12(月) 20:01:03 ID:mmVcVnrc

第5話 恐怖or死

「なぜわしが楓どのと…。」
 「残念ね。じゃあ私たちはこっちの本やに居るから買い物お願いね。」
 くじ引きの結果は僕と委員長と芳の3人と、楓と凪の班になった。「なんでわしが」と今だ凪はぐちぐち言っている。
 「まぁもう過ぎたことだし気にしないでおこうよ。」
 「いや!もう一回じゃ!」
 「もう!いい加減諦めなさいよ!」
 「なんじゃと!」
 なんでなんだろうね〜。いつも喧嘩ばっかりだし。
 「まぁある意味丁度いいでしょ。」
 「なにがじゃ!」
 「だって作るのは凪で食べるのは楓。だったら食べる人の意見も聴きながら食材選びもできるしさ。」
 「うっ…。」
 僕の意見を聞いて少したじろいだ凪は普通にハトが豆鉄砲をくらった様な顔だ。
 「…。」
 「委員長。なんでぼくの額を触ってるの?」
 「珍しくちゃんとしたことを言っているから。」
 「馬鹿にしてる!?」
 「いいえ。少しばかり感心した。」
 「いつもはなんて思っているんだ…。」
 「頭わるいな〜って。」
 「なんてことを!?」
 いつも話すときそんなこと思っていたのか!これからどんな風に話せばいいんだ!
 「まぁとりあえず二手に分かれましょう。」
 「いやもう一か…。」
 「…凪さん。」
 「うむ?」
 「…これから迷惑もかけますと思うので親睦を深めるためにも今回はよろしくお願いします。」
 「しかし…。」
 そういい僕を指差し
 「あの者に取られるとは思わんのか?」
 「…恵介を信用していますから。」
 「…。」
 何か少しむずがゆいな…。流石にそこまで行くとはずか…。
 「…ひどい目にあいたくないはずですから。」
 前言撤回恐怖を感じる。
 「神に誓います。なんにも無いことを。」
 ふぅ…どんな買い物になるのやら…。とりあえず命が無事でありますように。


8 :山内雪治 :2009/10/18(日) 18:52:21 ID:m3knrck3

第6話 私の目線

 「はぅ…。」
 私がくじなんて提案したからいけないのかな?最後まで凪さん私を睨んでたし。
 「芳さん?凪の事は気にしないで。」
 溜息をついたのを見てミコトさんが話しかけてきた。
「けど私の事睨んでましたよ?」
「いいのよ。気にしなくて。むしろナイスよ。」
「?」
何がナイスなんだろ?すごく怒ってたし注意されると思ってた。
「けど凪はなんであんなに怒ってたんだろ?」
少し私達の前を歩く桜卦さんがふいに話しかけてきた。前を向いたまま話しかけていて表情は分からないけどなんだかすごく悩んでいるような口調だった。
「恵介…あんたホント鈍感ね。」
「?むしろ敏感な方だよ?」
「感覚の話じゃないわよ…。」
何のことだろ?私も凪さんが怒ってた理由は分からないのに…。
「!?」
そうか!分かってしまった!ズバリミコトさんは凪さんが不機嫌な理由を知っている!自分でもびっくりの推理力。実は隠れた才能が?
「?芳さん?何かひらめいた顔してるけど分かったの?
「…(フルフル)」
「そっか〜。なんでだろ?」
ふふふ。恵介さんは悩んでください。私は今解決の糸口を見つけ出しました。あとはこっそりミコトさんに真相を聞いて私だけ次のステップを進みます。
(ミコトさん。)
私はミコトさんより身長が低いため少し背伸びをしながらささやく形になる。
(?何?)
(ふふふ…。ミコトさんあなたは凪さんが不機嫌な理由を知っていますね。)
(うん。まぁそりゃあ私と凪は…。)
(なんです?)
後半は少し顔を赤らめよく聞き取れなかった。なんて行ったんだろ?
(いや…ねぇ。その個人情報だし。)
(いや。教えて下さい。じゃなきゃ私は凪さんに恨まれ続けます。理由が分からなければ謝れません。)
(いや…けど。)
(言わないと丑の刻参りで呪います。)
(こわ!殺されるのあたし!?)
(ぎりぎりです。)
(ぎりぎり!?ギリギリ死ぬの!?生きるの!?)
(ふふふ…。)
まぁ実際にやって自分に返ってくるのは怖いし、委員長さんは良い人なのでやりたくはないですし。
(けどふざけは抜きで謝りたいのでお願いします。教えてください。)
(…。)
私が真剣に頼むと少し悩んだ顔をして「しょうがないわね」と呟いた。
(実はあの子けい…)
「そうか!」
「「はい!?」」
ミコトさんから秘密の情報を教えてもらおうとした瞬間恵介さんが叫んだため話が中断されてしまいました。まさか私が意地悪しようとしたのがばれてしまったのでしょうか!
「分かった!」
「え!まさかあんた…!」
なんだかミコトさんの顔がすごい衝撃に満ちています!松田○作さんみたいです!
「そうか…凪の奴だからあんなに怒ってたんだ…。だから今朝も。」
「え!?なんでか理由分かったの!?」
「あぁ。…なんで今まできずけなかったんだろ…。こんなに簡単だったのに。」
「まってあんた…。」
「あいつの事そんなに傷つけたなんて。」
「待って!恵介!」
そうミコトさんが言うと恵介さんは振り向いた。…なぜかギャルゲーの主人公の最後の方のハッピーエンド近くの顔に似てます。
「凪もそうだけど…あたしも同じ気持ちだから!」
「!?お前…!」
「急にごめんね…けどあたしは…!」
ミコトさんが最後の言葉を告げようとしたとき恵介さんはミコトさんの肩をしっかりとつかんだ。なんだか私ここに居ちゃいけない気がします!大人の時間です!
「けっ…恵介…。」
「ミコト…。」
はぅ!何か二人とも色っぽい顔です!今にもキスをしそうです!何か無駄にドキドキです!
「お前もそんなに楓が嫌いか?」
「「へ?」」
「だってあんなに行くの渋った理由ってそれくらいしかないだろ。朝もご飯食べようと思ってそんなに俺の事考えてなかったからあんなに俺に優しかったんだ。けど食べられたからあんなに怒ったんだ。」
「…。」
「ホントですか!流石です!」
なんと!盲点でした!私はてっきり仲好しさんかと思っていたのに…やっぱりみんなはバカって言ってるけど恵介さんは天才です!
「あれ?けどミコトさん私もって…。」
「…。」
「ミコト…お前も嫌いだったのか!」
「やっぱバカだな。お前。」
「へ?」
「一個言っておくけどあたしも凪も楓さんは好きだからな。」
「え?けど…。」
「はぁ。まぁいい。とりあえずもう着いたしこっからは各自ばらばらに本を見よう。」
「え…あ、うん。」
「分かりました…?」
「お前らはやはりバカだ。」
なんでなんでしょう?なんだかとっても呆れた顔で見られました。それに好きって言っていたから…外れってことでしょうか?
「謎は迷宮入りです。」
やっぱり良くわかりません人は。


「おぉ!」
私は今までポイント集めのために一つの書店しか使っていませんでしたけど…これは。
「なんてすばらしいんですか!ここは!」
今私の目の前にには呪術関係の本がずらりと並べてあり、今まで利用してきた書店にはなかった本まである!すばらしすぎです!
「…。」
雨けど予算は少ないから買えるのは目当ての本だけかもしれない…。
「…けど見るだけならタダだよね。」
一つ本を手に取りペラペラとめくっていく。そこに張り紙で「立ち読み禁止」って書いてあるけど気にしません!
「この儀式見たことありません!すごいです!」
今まで見たこともないような儀式がずらりと並んでいて感動です!もうこっちにしましょうか…。いや!この日を待ちに待ったし目当ての本にします!
「えっと…。」
なかなか見つかりません。すごく分厚いはずだから見つかるはず…。
「あ。あった。」
日本呪術図鑑」と背表紙に書かれた広辞苑より分厚い本が少し高い…。
「…。」
いや。私にとってはとっても高い位置にあって…届くかな?
「…(キョロキョロ)」
辺りには店員さんもいないし…こんなところで呼びに行くなんて恥ずかしいし。
「人生経験が必要。」
覚悟を決め本に手を伸ばす。
「…!(プルプル)」
あと数センチ!いや数ミリ!届きそうです!
「……!!(プルプル)」
もうすぐ届く!いける!もうひと踏ん張りとジャンプしそうな勢いで伸びる。すると本をつかむことはできた。
「…(ぐっ)」
思わずガッツポーズしてしまうほど感動です!
「…(プルプル)」
つかむことはできた。うん。できました。けどとれません!体をゆすっても落ちないし…この本は何ですか!無駄に重すぎです!
「…(ぱし)」
ふふふ…。ならば両手なら…。
「………!!!(プルプルプルプル)」
もっと大変な状況に!体が浮いて腕のプルプルが増しました!宮○大輔さんなら「あかーん!」って叫んでます!もう無理です!
「…!(ぐっ)」
しかし負けません!ここで離したらいつつかめるかわかりません!諦める訳には…!
つる
「あ。」
手が滑ってしまいそのまま地面に落下…。
「おっと…。」
落下と思ったら誰かに受け止められた。
「?」
誰かと思い後ろを向き確かめてみた。
「恵介さん…。」
「危ないよ?店員呼べばいいのに。」
「諦めるがなんだか恥ずかしくて…。」
「時には勇気を出してみたら…。」
「…(シュン)」
時々自分の身長の低さが悲しく思います。
 「身長さえあれば…。」
 「ん?別に無くてもいいでしょ?
 「…!(ガーーン)」
 無くてもいい…。一生身長が低いままでいろと!
 「恵介さん!見そこないましたよ!そんなひどい事!」
 「無いからこんなに可愛いんじゃないか。」
 「!?」
 何を言うんですかこの人は!バカですか!知ってましたけど!
 恵介さんは日本呪術図鑑をとり「重いな」と一言つぶやき私に差し出し
 「それが好きって人もいるよ?僕は結構好きだよ?」
 といってきた。 
 「…………!!!!!(パクパク)」
 「ん?顔真っ赤にしてどうしたの?」
 「ここで告白はどうかと!」
 「はい!?」
 「すすす好きって!!!!!」
 「落ち着いて!君は何か重大な事を間違えてる!」
「第一に楓さんと言う人がいるじゃないですか!」
「楓は関係ないよ!?」
「第二に返答に困ります!」
「落ち着いて!告白してないからぁぁ!」
その後店員さんに注意されるまでずっと口論をしてしまいました…。すいません。


9 :山内雪治 :2009/12/02(水) 20:41:25 ID:WmknWJY7rm

誤解なんだぁ!

「ふぅ…。」
薫さんがパニックになるとあんなに喋るなんて…。人間以外に分からないな。
「…(ヒョコヒョコ)」
しかもその本人は重そうに本を抱えてながら楽しそうに歩いてるし僕の事は全く考えてないな。
「その本だけでいいの?」
「…(コク)」
「他は全部あるの?」
「全部ではなく三分の二程度です。」
「…。」
うわ〜…。別の意味で危険を感じるよ。てかおこずかいよく持つな。僕だったらすぐ死んじゃうよ。漫画はあるけど数冊だけだし。
「お願いします。」
彼女はレジに着くとそんな事を言い財布を開けてお金を出す。それが不思議なことにぴったりおつりが出ることなく千円だった。ふつうはおつりとかの小銭かさばるのにこうゆう関係の本は出ないのかな?
「ん?終わったか。」
「委員長。何か買ったの?」
委員長の脇には本らしきものが入っている袋があった。
「あぁ。少しな。少しロシア語が勉強したくなってな。」
「それって気分でできることなの!?」
「以外にできるんだよ。まぁもっとも日常会話ができるようになったらやめるつもりだがな。」
ほぼマスターですかい!日常会話ってそんな簡単にできるの?
「恵介さん。終わりました」
振り向くと紙袋を両手で持ってる芳さんがいた。
…なんかかわいいな。
「分かったじゃあいこうか」
「…」
「委員長?どうかした?」
「いや。仲がいいなと思って」
「?そうかな」
「何かが違う気がする」
委員長ははしきりに何かを考えるようにあごに手を当て始めた。
「…(クイクイ)」
「どうしたの?」
つつかれたため見ると薫さんが指をさしていた。
「楓さん達来た」
「あっ」
その方向には確かに袋を持った凪と楓が居た。
「?」
「なんだか仲良くなってないかあの二人?」
「…(コクコク)」
確かにそこにいた。けど別れる前より楽しそうに話していた。最初はあんなに一緒に行くのを嫌がってたのに?
「でさぁ……お!恵介。買い物終わったのか?」
「一応ね。そっちは?」
「うむ。一応カレーにでもしようかと思ってな。食材はぜんぶ買ったぞい」
「カレーか……久しぶりだな」
実際に食べるのは5か月ぶり位だ。
凪がカレーの匂いがやだとか何とか言って作ってくれなかったのが本音だけどね。
「…カレー好き。」
「あぁ〜…。そうだったね。すっかり忘れてたよ。」
本人は「…家族が大勢で来た時に便利」と言って家の母親に習いに来ていた。
「カレーは…わしはあんまり好きではないがせっかくだしいいかと思ってな」
「めずらしいわねあんたが人の意見聴くなんて」
「ふん。わしは協調性がないと思ってたのかな?委員長殿」
「別に」
「……」
なんだろ?あんまりいい状態ではない気がする。すごく怖い。
「ではそろそろ行こうかの」
「…(コク)」
「そうだね。もうお昼になるし」
「ん?昼ごはんに作る予定だったのか?」
「まぁね。楓と凪が作ってくれるって言ってたんだ」
「!?」
委員長は凪のほうをゆっくり見ると「ちょっといい?」と手招きをした。
(あんたまさか楓さんから情報を聞き出す気?)
(何の事かさっぱりわからぬな)
(しらばっくれると校長脅して恵介と同じクラスにして貰ったことばらすわよ?)
(……)
(携帯にちょうど学校の電話番号も…)
(…そうじゃ)
(やっぱり)
ぼそぼそと何かを呟きあった後に「恵介」と僕を呼んだ。
「私も行っていい?」
「うん?委員長が?」
「何か悪い?」
「そんなことないよ」
「じゃあ行くわね」
「なら芳さんもどう?」
「私ですか?」
「「「!!!」」」
なんだろ。すごい見られた気がした。
「別に大丈夫ですけどいいんですか?」
「うん。大勢いたほうがいいじゃん」
「ありがとうございます恵介さん」
「「「!!!!」」」
なんだろ。話してるだけなのにいやな予感がする。
「…恵介なんでそんなに仲良くなってるの?」
「いや別に…同じだけど」
「背が低いのがいいかの?」
「いや…特に」
「そういえばさっき「桜卦さん」じゃなくて「恵介さん」って読んでいたな…」
「それは芳さんに聞けば?」
「あぁ。あれはその前に恵介さんって呼んじゃったし、いいかな?って思ったんです。」
「まぁ僕も桜卦って呼ばれ方はなんかしっくりこないしね。」
「呼んだって何かあったのか?」
「はい。少し…」
彼女はそう言うと顔を赤らめてしまった。
まずい!あれは告白じゃないって言ったのに!
「いや、待って!別にあれは誤解だって!」
「はっはい!分かってます…」
あぁ!余計赤くなってくし!けどなんか恥ずかしがってる顔もかわいいなって思え…。
「痛い!痛い!」
「うるさい!芳殿に何をした!」
「不純異性交友だけではなく援助交際までやるとは…」
「いや、私は同い年です!」
「……!!!」
僕の昼ごはんはまだまだ先みたいです…。


10 :山内雪治 :2009/12/26(土) 21:13:26 ID:mmVcVnrcuL

第8話平和な時を…

「そっちにあるのもらえんか?」
「これか?」
「その右じゃ」
家について今は女子軍(芳さんを除いた)全員が台所にいる。そして今…。
「なんで俺まで…」
「気にしないで。てか女子の中に男子一人って悲しいからさ…」
「ギャルゲの主人公みたいでいいんじゃないか」
「お断りだよ」
隆弘が来ている。家でゆっくりしていたみたいだけど俺一人だけ不幸な目にあってたまるか。
「隆弘さんはカレー好きなんですか?」
「え…!?いや…それほど…好きでも」
「じゃあ恵介さんと仲がいいから来てくれたんですね」
「え…いや」
 むしろ悪いくらいなんですけど。
「やっぱり友情っていいですよね」
「あ…あぁ!そうだな!」
そう言って肩を組んでくる。暑苦しいしやめてもらいたい。いつもは馬鹿にしかしない癖に
急なことだがちなみに隆弘は芳さんが好きだ

『はぁ?馬鹿じゃねーの?』
「いや。頼むから来てくれ」
『やだよ。なんで俺が…』
 「芳さんもいるよ?」
 『3秒で行く』
 
 という会話をして実際3秒とかからず玄関に着いていた。そして息を切らしながら「ぜぇ…よ…はぁはぁ…来たぞ」と笑顔で玄関に立っていた。
 「…恵介」
 「ん?どうかした?楓」
 振り返るとキッチンのところから楓が出てきて後ろに立っていた。
「恵介と隆弘さんは辛口になるけどいい?」
 「別にいいよけど…」
 「…よかった。ルー足りなくて」
 「買い忘れたの?」
 「間違えていたみたい。私としたことが不覚だったわ」
 そう委員長が顔をしかめハァと溜息をついていた。
 「別に俺は辛口でも何でもいいぞ。食えれば」
 「じゃあお前は生ゴミな」
 「それは食えねーよ!」
 「分からんぞ。人間は以外に丈夫じゃからな」
 「いや!流石に危険だぞ!」
 仲いいよな…この3人なんかコント観ているみたいだ。
 「……」
 そんな取引をしているときに芳さんは読書をしていた。さっき買ったばかりの「日本呪術図鑑」を黙々と読んでいた
 「……」
 流石にそんな不思議すぎる本は気になってしまうな…。ソーッと近づき後ろから見てみる。
 「…!?」
 「……」
 「…!!!」
 だめだ!電波すぎる!なんかもう怖い!ぶっちゃけ見ているこっちが呪われそうだ!
 俺は近くにあった椅子に腰かける。
 「?どうしました?」
 「別に…」
 心配そうにこちらを振り返ったがあなたのほうが心配です…。
 彼女は本にしおり?的なものを挟み閉じるとこっちを見てきた。
 「なにかあったとしか思えませんよ?」
 「なんで?」
 「顔が青いです」
 「ははは…」
 「なんでそんな死にそうな笑い方」
 きっと顔が青いのはあなたのせいですよ。言ってしまえばもう恐怖でしたから。
 「そうそう。恵介さんに一つ言っておきたいことがあったんです」
 「何?」
 「今度私の魔術書借をしましょうか?」
 「え…」
 「露骨にいやな顔をしないでください。予想はしてましたけど傷つきます」
 「(じゃあ言わなければいいのに…)」
 何なんだろうこの子は。今日ですごく印象が変わった。おとなしいかわいい子かと思ってたらただの恐ろしい子だった。
 「何だかわからないですけどいたって普通ですよ?」
 「超能力者!?」
 俺口に出してないよね!なんで分かるの!
 「超能力者は棒機関の皆さんだけで結構です」
 「いや別に他にいてもいいでしょ…」
 「それは放っておいて…」そう言い俺の前に乗り出し、俺に顔を近づけ「恵介さんは少しいやなオーラが出ているので覚えて損はないと思うのです」
 「オーラって…」
 どこの電波ですかあなたは。そんな世界に俺は入りたくありません。
 「とりあえず入門編から貸しますのでぜひ読んでみてください」
 「けど…」
 「けどじゃないんですけどじゃ!」
 なんか熱いよ。普段教室で読書してて少しくらい静かな人かと思ってたのに…」
 「あなたがもし呪われた時にどうやって呪い返しやるつもりです!」
 「一生来なければ嬉しいです」
 「甘いですね…。私だってもうクラスの5人を…」
 「5人!?何があったの、うちのクラス!」
 「気にしてはいけません」
 「気にする…」
 そこでふとクラスの皆を思い返す。
 「………」
 「黙らないで下さいよ」
 「いや…あのクラスだしね…」
 「否定はしませんが。それより」そういいさらに俺に接近し「今度貸すのでぜひ一緒に魔術を勉強しましょう!」
 「あ…」
 「異論は認めません!」
 なんで今日に限ってこんなにテンション高いんだろう。若干困る。
 「…恵介何してるの」
 「へ?楓どうしたのさ、そんな怖い顔して?」
 呼ばれて振り返ると何か黒いオーラを発しながらカレーを両手に持っている3人と額に怒りマークを5つほど付けている隆弘がいた。
 「恵介よ…。そこまでしないとわからぬことかのぉ」
 「いくらなんでも芳さんと近すぎでしょ…」
 「「!?」」
 今、冷静になってから分かったけど顔の距離は5センチあるかないか位だった。
 俺の顔には芳さんの長い髪が若干かかり息が触れ合うには十分な距離…。
 「痛い!痛い!ごめんなさいぃ!!」
 「…浮気は許さない…!」
 「死ね!このうつけが!」
 「お前を更生してやる!」
 「恵介テメェ!」
 「大丈夫ですか、恵介さん!」
 きっと無理です。今意識が消えていきます。
 
 『芳さん!そんな奴に騙されてはいけないんだ!』
 『何の事か知りませんが恵介さんの顔が白いです!』
 『いいんです!こいつは…こいつはぁあ!』
 『それはそっちに曲がりませんよ!』
 
 部屋が騒がしくなっているときその窓の向こうの外には一人、今日からマンションに住むことになった住人が部屋を眺めていた。
 「ふーん」
 つまらなそうに鼻で笑うとマンションへと入っていく。
 「何だか面白そうだな」
 そう笑い中へと消えていく。


novel plaza system
甘辛流小説家ギルドGAIA
produced by COLUN.