少年兵 ――哀しい記憶――


1 :槻白啓也 :2007/07/03(火) 16:46:03 ID:m3knVFti

少年兵

地下にいる僕の仲間たち 聞こえるかい?
ここ見張り台からは とっても綺麗な夜空が見えるんだ
僕ずっと見張りをしていたほうがいい
戻りたくないよ

でも それは許されない
僕は呪われた身だから・・・

悪魔の呪縛 
それはどうして僕たちにかかってしまったんだろうね
まだ地上の世界のこともよく知らないうちに
暗い石畳の下へ連れてこられて もうどれだけ経つだろう?

僕がはじめて連れてこられた日 食べ物の奪い合いになった
そして 僕を含めるたくさんの少年たちが傷ついた
僕がはじめて寝場所を与えられた日 寝場所の無くなった少年が地下から追い出された
僕はそのあと 深い悲しみと孤独と・・・数発の銃声に包まれた
そしてその子は 二度と戻ってこなかった

シーグリーンの木々の切れ間から覗く
蒼い月
蒼い星たち
漆黒の夜空――
 
 ここ見張り台から景色を見下ろすたびに
僕は 血と火薬でけがれた身体がだんだんと清められていくような気がするんだ

明け方 銃を握っていた左手には摩擦傷が
昼間 勇ましく敵地に突撃していった両足には火薬の煙と泥が
夕方 敵の攻撃から立派に我が身を守った両腕には無数の傷が

攻撃してきたのは 僕と同じくらいの女の子だった

右手はどうしたのかって?
――激戦の最中にバクダン飛行型地雷に巻き込まれたよ

もう 僕は痛みも感じない

カナシイネ
カナシイネ


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