銀の星


1 :柚乃 :2009/12/25(金) 19:19:08 ID:tcz3unu7

あたしたちは

どうしたって

一番になれない

銀の星――――――――――――


2 :柚乃 :2009/12/27(日) 00:14:48 ID:tcz3unu7Wm

1

「恋、ホンット好きだな…」

ショートカットの、ボーイッシュな少女が呆れたようにため息をつく。
目の前には、恋(レン)と呼ばれた少女の姿があった。
雑誌を食い入るように見つめている。

「俺にはわかんねー…大体、生きてるうちに一度でも会えんのかって話だよ」
その隣で、さもつまらなそうに少し長めの黒髪を持つ少年が言った。
「そうそう。あっちはあんたの存在すら知らないってのに…恋、現実を受け止めな」

ずっと黙って雑誌を見ていた恋が、やっと口を開く。

「うるさいなっ。いいでしょ!あたし、この人じゃなきゃダメなの!」
「そんなことばっか言ってっからまともなレンアイできないんだろ?あんた完全に名前負け…」
「ほっといて」

そして少女―――柚月恋(ユヅキレン)は、再び雑誌に目を落とし、極上の笑顔でそれを眺め始めた。
誌面には見るからに爽やかそうな、ちょうど恋たちと同じ年くらいの少年が、これまた極上の笑顔で載せられていた。
その笑顔の下には『智沢レンジの素顔』と書かれている。
ショートカットの少女―――相葉巴(アイバトモエ)は、黒髪の少年―――湖東雪(コトウユキ)とともに肩をすくめた。


3 :柚乃 :2009/12/27(日) 00:20:58 ID:tcz3unu7Wm

ここは、この3人の通う私立高校の屋上。
3人は、この高校の2年生なのだ。

幼馴染である3人は、保育園の頃からずっと一緒に育ってきた。
柚月恋は、母親が有名デザイナーであるため家に独りになることが多かったので、その度に湖東雪の家に預けられた。
家が隣同士だったのと、母親たちの仲が良かったのが理由である。
そこへ、保育園でよく雪とつるんで悪さばかりしていた相葉巴が加わったのだ。
生まれたときにはすでに父親がおらず、また仕事の都合で母親との時間もほとんどないに等しかった恋にとって、2人は家族といっても過言ではないほどの存在になっていた。
それは、巴、雪にとっても同じだった。

今3人はクラスメートでもあり、ほとんどの時間を共にしていた。


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