アンダーツリー


4 : :2006/12/14(木) 18:30:25 ID:rcoJVemH

「みんなをこんな風にして、そして創られる世界なんて……」
 どうしてわかってくれないの? とセレンは無邪気に微笑むだけ。
 世界の堕落を知らないから。と彼は静かに呟いた。
「僕が願っても願ってもかなえられないものを君は持ってるね」 
 アーヴィンが叫ぶその声すらも聞こえない……あるのはただ虚無。
 虚ろがただ静かに言葉を続けた。
「消えてしまえ……」
 嘆きの言霊は世界に浸透する。アーヴィンは泣きながら叫ぶ。木の幹に手をおいて柔らかく微笑むセレンに向かって走りよろうとするが、壁のようなものに阻まれうまくいかない。
 世界なんて消えろ。と嘆きの言霊をセレンはささやいた。
 アーヴィンの瞳に光る銀の雫、それを見て一瞬だけセレンはとても綺麗な澄んだ湖のような孤独を映した瞳で彼を見た。
 そして世界は消えていった。
 


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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