アンダーツリー


2 : :2006/12/02(土) 22:42:35 ID:PmQHscoL

世界の始まりはすべての虚ろから始まった、世界は四つの属性に見守られ、創世されるはずだった。
「……願っても願っても叶えられない」
「……セレン?」
「なら壊してしまえばいいのに」
 静かに少年は笑っていた。金色の髪を揺らし、ただ静かに少年は笑う。
 願っても叶えられない願いはこの世界には存在する。そうセレンと呼ばれた少年はただ静かに微笑む。
「セレン、何言ってるんだ?」
「この偽りの世界を壊して、僕の理想の世界を創れば……」
 愛しても、愛されない時がある。そのような愛は世界には多い。
 そうセレンは説く、静かに両手を開きながら。対峙した少年は漆黒の瞳に深い悲しみと、慟哭、戸惑いを揺らげながら、セレンを見つめた。
 暗い焔のようだねその強き瞳、とセレンはただ呟いた。
 愛しても愛せれないときだってあるんだよ。
 この世界には悲しみが多すぎる。そう説くセレン、対峙する少年。
「それは間違った考えだ、セレン」
「そんなことないんだよ。アーヴィン」
 ああただこの世界に存在したいだけなのに、どうしたってそれは叶えられない願いなんだ。とセレンはアーヴィンの長い黒髪に少し見惚れながら呟く。
 ああとても美しい夜の瞳だね、とセレンはすべてを諦めたものだけが浮かべる笑みでアーヴィンを見た。
 


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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