夜を渡る者


3 : :2007/01/13(土) 00:03:26 ID:rcoJVemH

 ナイトウォーカーは呪縛されし者。
 そんな言葉を俺は思い出す。
 鈍く光る銀の刃にて、少女は人間の胸を貫き通していた。
 非現実なそんな光景。
「……どうしてここに入れるのよ、あんた普通の人間でしょう!」
 日本人形のような、そんなかわいらしい、綺麗な顔の少女には似合わない大声で少女は怒鳴る。
 ナイトウォーカーは銀の刃にて魔を狩る。
 俺はただ黙ってその光景を見るしかない。
 ただ俺は学校の帰り道、ただぶらりと裏路地に入っただけなのに。
 いつもと違う道を。
 冬の夜は早い。
 部活が終わったのは七時頃、夜というのにふさわしい時間。
 夜を渡る者は、男の胸に銀の刃をつきたてる。
 長い長い漆黒のスカートを夜の風になびかせながら。


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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