Paradise is now here


1 :琥珀 :2007/02/22(木) 21:52:59 ID:PmQHz4V3


近いようで遠いのね。

手を伸ばせば届きそうなのに。

どうしてでしょう。

本当に。

どうしてでしょうか。


2 :琥珀 :2007/02/22(木) 22:22:22 ID:PmQHz4V3

この世界に愛と光と平和を。


残りの人生を、

私は絵の勉強をしてすごそうと思う。
そうしたら言葉を知らない子供達に無音の言葉を教えられる。

いろんな写真を撮ろうと思う。
そうしたら耳の聴こえない子供達に動かない美しさを教えられる。

沢山の唄をうたおうと思う。
そうしたら目の見えない子供達に無限な音の力を教えられる。

世界中を旅してまろうと思う。
そうしたら子供達にこの世界の全てを話そう。
光があれば、闇も存在すること。
正しい答えがあれば、間違った答えもあること。
笑っている子がいれば、必ず涙を流す子がいること。

美しさ。儚さ。もどかしさ。醜さ。


貴方は独りじゃないってこと。

それは誰かのために。
そして私自身のために。


3 :琥珀 :2007/02/22(木) 22:35:19 ID:PmQHz4V3

風神


幾度も涙を流してきた
伝わらない想いを殺してきた

躓いても差し伸べてくれる手なんて無くて
それでも「立ち上がれ」と囁くから
ぼろぼろになって、血まみれになって
後ろ指を差されながら歩いてきた

大きな夢への階段を上る貴方を羨ましいと思った
確かに叶えられる貴方を憎らしいとも思った
貴方と同じ場所に立てない私を醜いとも思った

嗚呼。

もしも私が壊れてしまったら
どうか貴方が私を殺してください
その骨を粉々に砕いて
風の便りに乗せてください

せめて貴方の輝く姿を
一目だけでも見せてください


4 :琥珀 :2007/02/27(火) 14:52:59 ID:PmQHz4V3

最後の助言



よせよ 冗談じゃねぇぜ

いい年扱いて餓鬼みたいな面さげてんじゃねぇよ

甘ったれんな

人生そう上手くいくと思うなよ

お前もう何年人間様やってんだよ

言葉の重さっつーもんがまだ解らねぇのか

ちょっと立ち止まって周りをよく見てみろ

お前はいつから独りになったんだ?

それでも足りねぇ足りねぇって喚くなら

便器に顔突っ込んで頭冷やせ

それから地べたにデコくっつけて土下座しろ




ほら。

お仲間さんが呼んでるぜ。


5 :琥珀 :2007/02/28(水) 15:05:18 ID:PmQHz4V3

夏の日の思い出


「あきらめんなよ」



夢は夢のまま終わりにしてはならない。



「今度会うときは有名になってるな」



されど、夢。



「約束、だぞ」



こんなにももどかしい。



「絶対に……叶えるから」





ねえ。
今、貴方は何を見ていますか?


6 :琥珀 :2007/03/28(水) 14:59:02 ID:PmQHz4V3

いと恋し


春ですね。


てふてふがひらひら飛んでいますね。
桃色に色づいた町が、喜びに満ち溢れていますね。
素敵じゃないですか。
いいですよね。やっぱり春は。
あの人もその人も皆血色がいい。
頬を赤らめ、目を細め、みぃんな笑っていらっしゃる。
遠くの未来を夢見て歩き出そうとしている。
ほら。また花びらが。


もう、春なんですね。


7 :琥珀 :2007/04/03(火) 16:25:37 ID:PmQHz4V3

countdown



新たなる時を見た。

薄暗い部屋の奥で。

背を丸め、小さくなった貴方を見た。

先の長くないことを知っているように、

笑いもせず、ただ振り返った。

時を止める術を知らない私は、

ただ貴方を見つめていた。



時が止まった気がした。


8 :琥珀 :2007/04/06(金) 19:24:30 ID:PmQHz4V3

泡沫



解ってはいたんです。ただ心がついていけなくて。

こんなに苦しいことがあるのかと、その時少し大人になりました。
別に大人になりたいわけじゃなくて。できればずっと貴方に甘えていたくて。
貴方にしてみれば別に何でもないことだったんだろ。
俺の名を呼ぶことも、俺に触れることも。
その一つ一つにどきどきして、どんどん貴方を好きになって。
嗚呼、何故でしょう!貴方が怖くて仕方がない。
嫌われることを恐れながら、一瞬でも貴方に見てもらえるように。
少し背伸びをしすぎたかな。もう疲れちゃいました。
だってどう頑張っても貴方は立ち止まってはくれなかったから。
あまりにも簡単に俺の前をすり抜けていったから。
解ってはいたんだ。
腕を伸ばしても貴方は逃げていくだけでした。
掌を掴んでも優しく解けていきました。
解ってはいたんだよ。
ただ悔しくて。ただ涙が溢れて。
やっと貴方の心を聴けた気がしました。
こんなにも側にいて初めて聴けた気がしました。
そうならそうと言ってくれればよかったのに。
俺の努力が報われることはないのでしょう?もう答えは見えていたのに。
あれだけ優しくしといて。もう貴方無しでは生きていけなくしといて。
貴方は簡単に裏切ってくれる。人の気なんて知らないで。

解ってはいるんです。ただ、もう、くるしいんだ。


9 :琥珀 :2007/04/09(月) 15:13:47 ID:PmQHz4V3

深紅の調べ


赤い花の下に埋まっているものを、僕等は知らない。


誰かの願いは僕等に届かない。

何も聞こえない。何も聞こえない。

時折鳴る鼓動に僕等は気付かない。

何も聞こえない。何も聞こえない。


幾千の涙は雨になった。

けれど僕等は何も感じない。



赤い花が咲く理由を、僕等は知らない。

知ることはない。


10 :琥珀 :2007/05/04(金) 23:55:00 ID:PmQHz4V3

おかあさんへ


げんき?ぜんぜんあってないね。
ゆうちゃんね、ずっと、いいこにしてるよ。
きのうもね、ボールでね、あそんだよ。
おかあさん、おびょうきなおった?
はやくあいたいです。
いしょに、こうえんいきたいね。
ふたりのせかいが、あったらいいのにね。
そこに、メリゴーランドあったらいいね。
コーヒカップも、あたらいいね。
はやく、かえってきてね。


いつもありがとう、お母さん。
我が侭な娘でごめんね。プライド高い娘でごめんね。
大好きだよ、お母さん。
頼りない娘でごめんね。嘘吐きな娘でごめんね。

ねぇ、お母さん。

あの時の願い事は、今の願い事じゃないけれど。
でもいつでも貴方の幸せを祈っているよ。
誰よりも幸せになって。誰よりも笑っていて。

ねぇ、お母さん。
どうしてだろう、涙が止まらない。





ねえ、お母さん。
文字の世界でしか、貴方をそう呼べなくて、ごめんね。


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