アンデット


1 :向日葵 :2007/11/17(土) 11:17:48 ID:PmQHQ4oi







        諦めないって自信なら、絶対に負けない。



 

 

 


2 :向日葵 :2007/11/17(土) 11:31:18 ID:PmQHQ4oi

chapter0―永久の凄惨―


『ギャッギャッギャッ』

 薄暗い部屋の中にはロウソクが不気味に5本円状に灯っている。
近くの台の上には生き物の死骸らしき者が散乱している。
「…鳴き声が変わった」
誰も居ない部屋の中、ポツリ呟く男。
白衣に身を包みニタッと笑うその不気味な笑い。
『ギャッギャッ』
その男の目線の先には真っ白な鳥が悲痛な声をあげている。
「……」
白い鳥の目は黒目から徐々に青白い色に変化していった。
「…何と言う変化だ…」
男は再びニタッと笑うとナイフを取り出す。

『グシャッ』

そして徐に白い鳥の腹にナイフを突き立てる。
その瞬間血が飛び散った。
「…完成か…」
再び男は笑い出し、白い鳥の心臓を抉り取った。
それは尋常な心臓ではなく、不気味なまでに真っ青な心臓だった。
血管が繋がっていないのに、ドクンドクンと心臓は脈打っていた。
「はははっははははは!!」
その心臓を持ち上げ高笑いをする男。
「あとはこれを…」
そう言うと男はそれをケースにしまいこみ、ロウソクの火を消す。

『パタン…』

真っ暗になった部屋には扉を閉める音が響いた。

恐怖の幕開けまで、もう少し―…。


3 :向日葵 :2007/11/17(土) 11:45:15 ID:PmQHQ4oi


「寒い〜…」

 冷たい風が容赦なく頬に吹き付ける。
まだ5時だと言うのにすでに辺りは暗くなっている。
「あ〜もう、ドラマ見たかったのに補習なんてついてない…」
辺りは薄暗く、人通りは少ない。
少女はマフラーを巻きなおし、足早に歩いている。

『グルル…』

「…!」
突如聞こえた獣らしき声に、少女はピタリと足を止める。
「何…野犬…?」
少女が後を振り返るが特に変化はない。
「やだ…早く帰ろ…」
少女は携帯電話を開き友達の番号に発信をした。

『グガッ…ニ…ニク…チヲ…』

「!!」
聞き間違えなどではなかった。
恐ろしいまでにしゃがれた声に少女は身体が震えるのを感じた。
『グルルル…』
「っきゃぁ!」
少女は思わず携帯電話を落とし走り出した。
『もしもし―? どうしたの―? もしもし―?』
路上に落とされた携帯電話から聞こえる友人の声。
「きゃあぁ!! 助けっ助け…」
電柱に血が飛んでいた。
少女の悲痛な叫びは携帯電話に届く事無く、途絶えた。

『チ、シンゾウヲ…グルル…』

大きな影はそう言い残して少女を置き去りにし、闇へと姿を消した。

 少女の体は翌日発見され、『心臓のない少女』と新聞の一面を飾っていた。
この新聞は、全国を驚愕させ、震え上がらせた。


4 :向日葵 :2007/11/17(土) 11:57:40 ID:PmQHQ4oi

chapter1―雨天決行―


『ピピーッ』

 ホイッスルと同時に会場内がワッと盛り上がる。
「頑張れ―!! 第一高―!!」
ベンチからはスコアを持った少女が笑顔で応援している。
ボールをつく音とバッシュが交差する音が響く。
「パスパスッ! 回せ―!!」
4番のユニフォームを着た少年は一気に2人を抜くとそのままゴールへとシュートを決める。
「ディフェンス! 戻れ!」
そしてすぐさま守る陣地へと走る。
「今日も圧勝ね」
ベンチの少女は嬉しそうにスコアをつける。
「おいマネージャー、水汲んで来てタオル冷やしとけ」
「あっはーい」
腕を組み支持する男は監督であろう。
少女はすぐに体育館の外へ水を汲みに向かった。
「…わっ寒いな―」
北風が吹きぬける。
少女は蛇口をひねり水を出す。
冷たい水が勢いよくやかんに溜まって行った。


novel plaza system
甘辛流小説家ギルドGAIA
produced by COLUN.