電波なお話。


1 :小豆 :2007/03/27(火) 20:51:12 ID:PmQHsHuF

……ねぇ。

なんだよ。

君は、どうしてLASの会長をやらないの? 誘われてるでしょ?

……面倒だから。

「神の子」なのに?

その呼び方は止めろ。

あはは。恐いな、睨まないでよ。

はぁ……。会長なら、お前がなるんだろ?

うん。僕には、夢があるからね。

だったら、俺はお前のそばでそれを応援する。それで十分だ。

……君の方が、会長になるのは簡単なのにね。

まぁな。皮肉なもんだ……。

それでも僕は、君をいつか追い越すよ。そして、君のそばで、世界のトップに立つ。

……楽しみだな。あるかどうかも分からない、俺よりも上にいくお前の未来が。

ふふ……。
僕は、君がそばにいてくれれば、それでいいから。だから、僕のそばから離れないで。

……分かってる。






遠い遠い、昔の話。
君と僕の。
お前と俺の。
昔話。
あの夢は、叶うことなく。
今も、願い続けている。


48 :小豆 :2009/01/31(土) 22:57:18 ID:ncPiWAVi

数年後の君


「……どけ。邪魔や」
 鋭く睨みを利かせた俺に対し、彼は極上の笑みを浮かべて。
「断る」
 あっさりとそう言った。

 目が覚めたら、すぐ目の前に彼の顔があった。丁度押し倒されたような恰好である。何かしてくるわけではなく、ただ、俺をからかうのが目的だということは百も承知。何年も一緒にいれば、これくらいのことでは動揺しなくなってくる。数年前なら、相当焦っていただろうけど。
 平静でいられる分、彼の思う壺にはならずに済むのだが、このままでは起きれない。はっきり言って邪魔だ。
「……ええ加減にせんと殴るで」
 眉間の皺を更に濃くする。すると、彼は楽しそうに笑って。
「クイズに答えれたら、どいてやるよ」
 仕方なく、視線だけで先を促す。彼はいたずらっ子のような笑みで。
「それでは問題です。……今日は、何の日でしょう?」
 ……なるほど。目的はこれか。
 唐突に理解した。だが、問いの正解を素直に答えてやるほど、俺はお人好しでもない。
 さて、どう応えようか。
「……何だ、わからないのか?」
 無言で考え込んでいた俺に、彼はごり押しでそう言った。向けられるのは、俺を試すかのような目。この状況をこの上なく楽しんでいるその目に、俺はついに切れた。
 ドカッ。
「いッ!」
 膝で思い切り蹴り上げる。彼は苦痛に顔を歪め、腹を押さえて横に転がった。その隙に、俺はさっと起き上がる。床に転がる彼に視線を落とし、冷たく言ってやった。
「調子に乗るからそうなるんや。ど阿呆が」
 自由の身になった俺は、さっさと扉まで歩いていく。ドアノブに手をかけ、少し考え事をした後、未だに転がったままの彼を振り向いた。


 腹の激痛に耐えながら視線を動かすと、片手をドアノブにかけたまま、こちらを振り返る彼の姿が見えた。いつの間にやら、彼の背丈はだいぶ俺に近づいてきている。それでもまだ、頭ひとつ分ほどは俺の方が高いのだけれど。
 彼は俺を一瞥し、扉に向き直る。小さな溜め息がひとつ、聞こえた。そして。
「……せっかくの結婚記念日やのに、いつまで寝とるつもりや? お前も早ぅ起きてこい」
 俺に背中を向けたまま、それだけを言って部屋から出て行ってしまった。俺は腹の痛みも忘れ、しばらくぽかんとする。次第に何を言われたのか理解し、そして。
「……何だよ。覚えてたのか」
 どうしようもなく、嬉しくなった。


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