鼓動


1 :朝月 直人 :2010/03/18(木) 23:35:21 ID:n3oJsHuJ

徒然なるままに。


2 :朝月 直人 :2010/03/18(木) 23:41:44 ID:n3oJsHuJL3

+鼓動+

誰かが急かす。

嗚呼もっと速く、と。

私は頷く。

嗚呼もっと速く、と。

鳴りやまぬ音に私は世界を知る。

切り取られた今に私は世界を知る。

生きている。



それはこの鼓動。


3 :朝月 直人 :2010/03/18(木) 23:44:30 ID:n3oJsHuJL3

+かたち+

私の手はそれを握る
それは私の手を握り返す

何かを確かめるように
何かを分け合うように

私の手はそれを強く握り返す


4 :朝月 直人 :2010/03/19(金) 00:05:27 ID:n3oJsHuJL3

+おやすみ+

まずは服を脱ぎましょう
外の世界のほこりも全部
ここは持ち込み禁止です
さあさあ素早く脱ぎましょう
次に支度がまってます

ではでは寝巻に着替えましょう
それは貴方のための特別製
中はふわふわ
外はかっちり
なのに軽くてよく動く
色はどれでも選べます

よしよしとてもよく似あう
お待ちかねですベッドです
まだまだ寝てはいけません
まずはそっと座りましょう
貴方の体を包み込む
このふわふわシーツも特注です

なになに匂いが気になると?
わが社はお日様仕様です
結構お高いんですよ

やれやれようやく完了です
無音の真白い枕に
騒音響く頭をのせて

ようやく静かになりました

それでは貴方

どうかゆっくりおやすみを


5 :朝月 直人 :2010/03/30(火) 23:38:54 ID:n3oJsencQ3

+背骨+

それは私を強く支える

上を向かず前を向けるように

それは私を突き抜ける

白く鈍く光りながら

私はここにいるんだと

大地に垂直に立とうとする

それは私が曲がることを拒む

時間をかければ次第に曲がっていくのに
どうして今は、まだ、まだ、と言うのだろう

それは私を強く支える
小さく小刻みに揺れながら
私という肉塊を突き抜けて
私を前に向かせる

それは私の地軸


6 :朝月 直人 :2010/03/30(火) 23:41:38 ID:n3oJsencQ3

+無題+

熱い




私はこの熱さの意味を知る

貴方を追うこの胸のリズムで


7 :朝月 直人 :2010/05/14(金) 11:12:39 ID:rcoJVnoFuH

約束

これは私とあなたを繋ぐ

この世で最も神聖な誓約


枷ではないのよ
罰も科せない

破られると
私があなたに二度と会えない

会えない

ただそれだけ


8 :朝月 直人 :2010/05/14(金) 11:24:54 ID:rcoJVnoFVL

+朦朧+

右を向いても左を向いても
身動きがとれない
痛みの降るちっぽけな世界で

何も痛みを感じないよう
モルヒネをたっぷり射ったら

頬を伝う涙さえも
わからなくなって

冷えていく唇から
洩れたおえつが
何を呪ったのか
わからなくなった

ゆっくり、と
奪われゆく痛みに
何故か安堵よりも
ぞわぞわ背中を走ったのは
焦燥感

ゆるりと瞼を閉じてしまいたいのに
モルヒネを射った痕がちりちり

ちりちり痛む

その痛みにとらわれないよう

私は新しいモルヒネを
沢山用意しはじめる


9 :朝月 直人 :2010/07/21(水) 12:58:46 ID:YHPikDLJQL

+無題+

ま白い壁に
四方八方足元から咲いた影が映る

どこから光が当たっているのか

背を向けているのか
前から当たっているのか

何もわからぬ私に
壁が笑う

影は沢山あるのにお前はひとり独り

くるくる、と影が回る
私が回っているのか
壁が回っているのか

何もわからぬ私に
影が喚く

お前は下しか見ようとしない
お前は上しか見ようとしない

ぐるり

足を取られ転んだ私に
ようやく影は見えなくなった


10 :朝月 直人 :2014/09/25(木) 22:23:55 ID:sGsFLizDr3

軋んだ針が
刻んだ時に
錆びた思い出が
鈍い痛みを呼び覚ます
追いかけてくる夜に
逃げ込んだのは月の夢
醒めない宴に
忘却のワインを乾杯
くるくる回る笑い声と
三日月形の口元に
冷えた血が体を廻ったら
やっぱりここはまだ
昨日のままだった


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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