きみといた夏


1 :ひばり :2010/01/06(水) 15:26:51 ID:scVcV4uF

まだ梅雨のジメジメした空気が残る7月の初め、君と出会った。

紹介で「輪」に入ってきた君は「はじめまして。よろしくお願いします」と、いかにもマニュアル通りの挨拶をし――その後は、積極的に会話に入ってくることもなかった。
接点のなかった私が君と交わした言葉は「こんにちは」「お疲れ様」・・・恐らく、この程度だろう。
気づけば、君は「輪」の中から消えていた。

この世界では、よくあること。
頻繁に起きる「出会い」と「別れ」。
突然連絡のとれなくなる人だって、少なくはない。
そんな日常だからか、君がいなくなったことも気に留める人はいなかった。
「あ、いなくなったんだ」・・・その程度。
無論、私も例外ではない。
君がいなくなったところで、私の日常が変化するわけではない。
君がいなくなったことは、日々よくある「別れ」であって、私には何の影響もない。

もうこれっきり、君と会うこともないのだろう。


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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