誰かの世界


1 :心織 :2008/09/21(日) 08:29:45 ID:o3teQGrJ

ボーン。ボーン。ボーン。

賑やかな街。たくさんの人々。子供たちの笑い声。

平凡で平和な普通の街のはずなのに、

どこかおかしい。なにか変だ。

この世界の異常さに、私は気づいていなかった。

「ここは・・・どこ?」

それは街の鐘が3回鳴った日から始まった。


2 :心織 :2008/09/21(日) 17:54:28 ID:mcLmmHuL


性格:特になし

趣味:特になし

長所:特になし

特技:心を読むこと

私は今までの人生、これ1つで生きてきた。
家族、友達、学校も進路も恋までも。

小さい頃はみんながそうだと思ってた。
だからなんの悪気もなく、読んだことをそのまま口にしていた。
そうしたら段々不気味がられて、最後には独りぼっちになった。

それから私は、この特技が人に知られることを恐れた。
自分が普通じゃないことを知ったから。
何年間も読むことを避けた時期もあった。
けれど、一生は無理だった。

今では呼吸をするのと同じように、読めるようになってしまったからだった。


3 :心織 :2008/09/21(日) 17:54:52 ID:mcLmmHuL


性格:特になし

趣味:特になし

長所:特になし

特技:心を読むこと

私は今までの人生、これ1つで生きてきた。
家族、友達、学校も進路も恋までも。

小さい頃はみんながそうだと思ってた。
だからなんの悪気もなく、読んだことをそのまま口にしていた。
そうしたら段々不気味がられて、最後には独りぼっちになった。

それから私は、この特技が人に知られることを恐れた。
自分が普通じゃないことを知ったから。
何年間も読むことを避けた時期もあった。
けれど、一生は無理だった。

今では呼吸をするのと同じように、読めるようになってしまったからだった。


4 :心織 :2008/09/22(月) 01:28:31 ID:o3teQGrJ


だけど、すべてが損だったわけじゃない。
この特技のおかげで、助かったことだって沢山あった。
思春期にありがちな、友達や恋愛関係の悩み。
そんなものは、私にとっては初めからないようなものだった。
特に、友達の相談役は得意中の得意で、そこら辺のインチキ占い師より
頼りになると、仲間内では引っ張りだこだった。

まあ、心が読めるのだから当たり前なのだけど。
それを誰かに言うことは、決してなかった。

そんなこんなで、私は平凡な日常を取り戻していった。

すべてがうまくいっていた。順調だった。
そんなときだった。
あの少年が私の目の前に突然、音もなく現れたのは。


5 :心織 :2008/09/23(火) 01:25:00 ID:rcoJtGYi


その日の学校は、7限で掃除もあったので遅くなると思っていた。
だけど偶然、緊急の職員会議が入ったとかで、
7限の授業はなくなり、掃除も中止になった。
遅くなるどころか、暇な時間ができ、
いつも一緒に帰っている隣のクラスの友達を遊びに誘おうと思ったが、
偶然、彼女は5限の途中に早退していた。

仕方なく真っ直ぐ家に帰ることにした私は、
いつもより2時間近く早く帰宅してしまった。
その日は偶然、月に1度の友達とのお茶会の日で、
母は家にいなかった。
ということは、夕飯も遅くなるわけで、
なんだかお腹がすいた私は、近所のスーパーにお菓子を買いに出かけた。

スーパーの目の前まで行って初めて気づいたのだが、
私は偶然、今日が定休日だということを忘れていた。
こんなことなら、家で我慢していればよかった。
なんて後悔しながらも、少し遠くのコンビニに向かった。

お菓子を一袋と駄菓子を2つ買った。
今日の分と、ここまで歩いた自分へのごほうびに。
さっき通ってきた人通りの多い道で、
偶然、事故が起こったらしくて、交通整備されていたので、
少し遠回りになるけれど、違う道から帰ることにした。

今思えば、あの日の偶然はすべて本物だったのだろうか。
推測だけれど、あの日から私の運命を左右する
大きな何かは始まってしまっていたのかもしれない。


6 :心織 :2008/09/26(金) 03:38:29 ID:rcoJtGYi


陽も沈みかけ、辺りも薄暗くなりかけていた。
予定が狂い、買い物に時間がかかったため、
少し急ぎぎみに歩いた。
そして数分が過ぎ、陽が完全に沈んだ。
周りの街灯が一斉にパッとついた。
突然だったので、立ち止まり明るくなった頭上を見上げた。
夏だというのに、冷たい風が吹いたので、
早く帰ろうと思い、ゆっくりと顔を下ろしたその時だった。

目の前に同じくらいの背丈の少年が立っていた。
びっくりした私は、反射的に後ろに下がり腰をついてしまった。
そんな私に少年は、ゆっくりと手をさしのべた。
戸惑いながらも顔すれすれに出された手を、拒むことはできなかった。
その手は真っ白で、まるで女の子のように細くて繊細だったが、
引っ張る力はまさしく自分は男だと示しているように思えた。

立ち上がってしばらく、お互い向き合ったまま立ち尽くした。
私はその間、目の前の状況を全く理解できず、
頭の中で大量の疑問が生み出され、募っていくだけだった。
結局耐えられず、自分からこの沈黙を破った。

「、、、あの、何ですか?」

返事は返ってこなかった。
でも明らかに少年の目は瞬きすら感じられない迫力で、
私をしっかり見つめていた。
今のはあまりにも馬鹿馬鹿しい質問だった。
向こうが悪いとはいえ、手をさしのべてくれた相手に
最初に発した言葉が「何ですか?」って。
とてつもなく変な後悔と、じっと見られているという緊張とで、
体が固まり、涙が出そうだった。


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