孤独のそら


1 :三日月にゃんこ :2009/03/03(火) 19:18:08 ID:P3x7YkPF

青い空ばかり見ていた。


2 :三日月にゃんこ :2009/03/04(水) 16:25:41 ID:P3x7YkoL

しばられたくなかった。
いつもそうだ。
愛すれば愛するほど、いなくならないでと無意識に思うほど、
人は私の前からいなくなってしまう。
もう何度、涙を流しただろう。
もう何度、一人きりの瞬間を味わっただろう。
もう何度、眠れぬ夜を過ごしただろう。

私はもう
からっぽのほうがいい。
苦しみたくないのなら、失うものを持たなければいい。
だから私はそうやって生きて来た。
そう、そうやって生きて来た。

彼に会うまでは。


3 :三日月にゃんこ :2009/03/04(水) 17:14:55 ID:P3x7YkoL

ざわつく教室。
空には真っ白な雲が、わたがしのように飛んでいる。
空というのは見ていてあきない。いつだってちがう表情を見せてくれる。
「ねえ、かなめっ」
「なあに、あき」
「転校生、くるんだって!」
「あっそ。」
別にめずらしいことじゃない。
今日は二学期最初の日であって、他の学校でも転校生の一人や二人、
いるんじゃないだろうか。
「感受性にとぼしいなあ、かなめは。」
「あきが騒ぎすぎなのよ。」
「でも皆、話ししてるよ?男の子の転校生が来るって」
なるほど。いつもにもましてクラス全体がうるさいのはそういうわけか。
まったく、今ぐらい静かに寝させてくれ。。。。。。。。。

紹介が遅れたが、私の名前は堀内かなめ。
ごくごくフツー。。。。というわけではないが、少し冷めた中学2年生だ。
で、どこがフツーでないのかというと、私の両親と兄妹は9年前に死んでしまったのだ。
しかも、そのあとひきとられた親戚の家のおじさん、おばさんも、
運命のいたずらというやつだろうか、亡くなってしまった。
中学にあがるまではいとこの一家に居候させてもらっていたが、そのあとは一人暮しをし
ている。
で、今私の前で黄色い声を発しながらしゃべるのに夢中になっているのが、一応私の親
友、中野あきである。正直、彼女はかわいい。
ふんわりとした栗色がかった髪と、これまた栗色のくりくりした愛らしい目。
スタイルもいいときている。
クラスの男どもが色めきたつのも、わからなくはない。
ちなみに私は、頑固な直毛の黒髪に、こいグレーの目つきの悪い目だ。
そんなわけで、ここは私とあきの通う桜中学校の教室である。
私はあまりクラスメートと話をしたりしない。
それでもじゅうぶんやっていけている。とゆうか、
なぜか女子生徒に人気らしい。クールなところがツボだとか。

話はもどって教室。


4 :三日月にゃんこ :2009/03/05(木) 21:12:13 ID:P3x7Ykn4

「でさあ、私、かっこいい男の子だったらいいなって思うんだ!
かなめもそう思わない?」
「。。。。別に。私の睡眠の邪魔をしない、静かな人ならいいけど。」
「いっつもかなめはねてるんだからー!でも、それでいて授業中に先生に
バレないってのも、2ー2の七不思議だよねえ」
まったく私は、一日15時間以上は睡眠をとらなければ、眠くて眠くて
何も手につかなくなってしまう。どうなってるんだ。。。。
「おーい、席つけー」
ありきたりないつものセリフを吐き、先生が入ってくる。
「えー、みんな知ってると思うが、転校生を紹介する。
白石くん、入りなさい。」
入って来たのは、背は高くも無く、低くも無く、
顔も、ひとなつっこそうな目以外は特筆することもない
寝癖のついた髪の、ごくふつうの男の子だった。
教卓に立った彼は、少し恥ずかしそうな笑顔で言った。
「白石リクです。よ、よろしくお願いしますっ」

別にそのとき脳内に雷が落ちたとか、バックに花畑が見えたとか、
そういうわけではない。
けれど、今日この出会いは、
このあとの私を大きく変えることになると
このとき、誰が予想しただろう。


5 :三日月にゃんこ :2009/03/06(金) 17:36:46 ID:P3x7YkPL

放課後。
律儀にも彼はクラス中の人にあいさつをして回っていた。
「まじめだねえ〜、白石君。」
あきのつぶやく声を聞き、私は思う。
なんかちがう。
彼はまじめとか、そーいうんじゃなくて、こう。。。。。
うーん、いい言葉がうかばない。
「初めまして!白石リクです」
「。。。。。。」
うーむ。この感じ。全身から出ているこのオーラ。
言葉にすると。。。。
「あ、あの。。。なにか気に触った?」
「えっ?」
「だって、倉内さん、ずっとにらんでるから。。。。」
どうやら、「ながめて」いるのを「にらんで」いるのと
勘違いされたらしい。
「ああ、考え事してて。。。」
「よかった!嫌われてなくて。。。」
そのとたん、彼は私の前にずいっと手を出した。
「な、何?」
私が聞くと、彼はにこにこしながら言った。
「握手!!」
私はおずおずと手を出し、彼の手をにぎった。
「これで倉内さんとも友達だ!」
うれしそうにほほえむ彼に私は言った。
「かなめでいい。」
「え?」
「これからは私のこと、かなめって、呼んでいいよ。」
ああ、何故こんな漫画みたいな台詞吐いてるんだ。。。。
すると、不思議そうにしていた彼は急に満面の笑顔になり、
「じゃあ、俺のことも、リクって呼んでよ!かなめ!」
ホント、漫画みたい。。。。


私は数日後、彼がクラス中はおろか、学級中、学校中、さらには飼育小屋のにわとりにま
であいさつをしているところを発見した。
ああ、思い出した。こういう奴を「天然」というんだ。。。。。


6 :三日月にゃんこ :2009/03/07(土) 12:49:15 ID:P3x7YkPm

..............................
思えば、あのときから私は変わり始めていたのかもしれない。
いつもの私なら、「あっそ」とか、「はいはい」とか、そういう無愛想な味っ気のない返
事をかえす所なのに、私は彼_____リクに握手という仲良しゴッコをゆるし、あげ
く、自分から下の名前で呼ぶことを許可した。
それも、無意識のうちにである。
けれど、私はこのとき忘れていた。
人に出会うということは、いつか別れがくるということを。
9年前のあの日、胸にちかった幼き自分の思いを______
..............................


7 :三日月にゃんこ :2009/03/14(土) 20:28:50 ID:P3x7YkoA

いかん。
なんか、最近の私、ガードがユルいぞ。
人には「近付かない、馴れ合わない」がモットーじゃなかったのか!?
何故だ?なんか最近、私変だぞ!?
それも、あいつが来てからな気がする。。。。。
「かなめーー!!おっはよーーーー!」
。。。。ああ、来たよ、元凶が。。。。。。。
「あー、おはよ。。。。」
「どーした?元気ないじゃん。」
。。。いや、リクさん?
私、これが地ですが何か?
「熱でもあんの?」
顔を近付けるリク。
って、えええ!!!???
ま、まさか、これは、漫画でよくあるパターンの。。。
デコ×デコで熱を計ってドッキドキ!?みたいな、例の。。。
「わ、わああーーーーー!!!!」
どーーーーん
「えっ!?えっ!?ちょ、かなめーーー!?」
無意識にリクを突き飛ばした私は、
教室をダッシュで飛び出した。
ああ、今日は午前の授業サボろう。。。。。。。


8 :三日月にゃんこ :2009/04/03(金) 20:45:24 ID:P3x7YkPm

風邪をいつわり、私は保健室にいた。
その、純白なシーツの中に。
もちろん寝るつもりだった。ああ、そのつもりだったさ。
でも、眠れない。。。。。。
せっかく堂々と寝れるのに、あいつの事、考えちゃうよ。。。
ホント、おかしい。。。


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