ワタシとサツジンキ


1 :夜風三日月 :2007/06/16(土) 20:30:14 ID:nmz3rize

以下の物語は、旧小説広場で書いていた「サツジンキとツキノヨ」を新小説広場への移動を機に大幅に加筆したものです。
内容がかなり変わっていますので、以前に読んだ事のある方は、全く別のものとして読んで下さい。


2 :夜風三日月 :2007/06/16(土) 20:37:20 ID:nmz3rize

人生において、一体全体幾人が、映画やドラマや漫画や小説のような人生を送れるのだろうか。

「なあ、人間って好きか?」
「何ですか、いきなり。」
「ちょっと気になっただけさ。」
「そうですね……嫌い、ですかね。」
「なんでさ?」
「だって自分のことばっかりだし、素直じゃないし、なんにも解ってないからです。」
「………そういうのを人間って呼ぶんじゃねぇか?そういうのは人間しかやらねぇよ。」
「人に聞いておいてイチャモンはないですよ。そう言う君はどうなんですか?」
「好きだぜ。」
「即答ですね。」
「だって面白いじゃん。デモ運動とかデカイことする奴とか、自殺とかひっそりしたことする奴とか。馬鹿馬鹿しい自己主張がさ。」
「自己主張が馬鹿馬鹿しいって………結構酷いこといいますね。」
「いいんだよ、俺にとっちゃな。言論と思想の自由さ。俺も馬鹿だし。」
「やっぱり、君って優しくないですね。」
「当たり前じゃん。殺人鬼だし。」

異常にあこがれた少女と、殺人鬼の少年の物語。


3 :夜風三日月 :2007/06/16(土) 20:38:45 ID:nmz3rize

確信

結論から言わせてもらいたい。
「大抵の物語で巻き込まれるのは何のとりえも無い、ごく普通の人間である。」と。
この答えを見出した私は、ごく普通の人間になり、待った。
自分では何も起こせないから、何かが起きるのを待った。
テストの点も、成績も、周りからの評判も、親との仲も、良いともいえないし悪いともいえない。いわゆる『何処にでも居そうな高校生』。
それが私、斉藤菊。
もともとひとりの人間としては思考以外、普通の部類だったから、『何処にでも居そうな』という自分をつくるのはそう難しくは無かった。けど、普通という生活を送るのは異常という夢を見る私には耐え難いものがあった。
しかし、普通の人間として生きてきた私にも終わりがおとずれる。
異常とは不意にやってくるものだ。それを身をもって知った。

私が出会った異常は現在進行形で目の前に居る。
しかし、現状況を語るよりも先に、この状況に至るまでを語ろうと思う。


4 :夜風三日月 :2007/06/17(日) 02:49:41 ID:nmz3rize

十二日@ ―予想―

つまらない。
世界はなんてつまらないんだろう。何も起きさないし、何もおこさせようとしない。まぁ、今世界では確実に何かが起こっているんだろうけど、私の周りではこれといって何かが起きる気配は無い。
私が期待することは何一つ起きない。ということは私の期待することはそれほど現実が難しいのだろうか。
………普通ってイヤだなー。
いつまで続くのかな、こんな生活。もう私が起こしちゃいそうな気分になってきた………
「………ねぇ。ねぇ?菊。菊?………もう。ねぇ、ちょっと聞いてた?今の話!」
前から友人、絵梨の怒声が聞こえてくる。
あ、しまった。いまは絵梨と話中だったか。いつのまにかマイワールドに入ってしまってた。
「え?なに?」
適当に返事をする。
「はぁ、やっぱり聞いてなかった。アンタいっつも変なこと考えてるわよねぇ。」
年中遊ぶことしか考えていない絵梨には言われたくない。
「今度の日曜、遊びに行こうって話になったのよ。だから当然菊も行くわよね。」
どうやらお遊びの話らしい。
「どこへ?」
「花火よ。花火!もう夏でしょ。だからよ。」
なんでそこまでテンションが上がる。楽しいっけ、あれ。
…………日本人らしくも無いことを考えた。
付き合いも大事。学校では一応よいこの私。特に行きたい理由も無いが、行かない理由も無いので、「行く。」とだけ言っておいた。

放課後、帰宅部の私は絵梨に別れを告げ、さっさと帰ることにした。別に早く帰る理由も無かったが、この先居ても何も変わらないだろうと判断した場所からはさっさと去ろうと考えたからだ。

帰り道、私は何度も溜め息を吐き、何度も「つまらない。」をつぶやきながら歩いた。


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