僕らは決して一人じゃない


1 : :2006/11/21(火) 20:15:00 ID:mmVcnHuH

僕らの星は弱かった。
あの、俗にたこのような見た目であらわされる火星人達に侵略されて、対抗するすべもなく軍は解体した。
権力の象徴だったモニュメントは跡形も無く、いまではそこに火星の領土であることを示す赤い布になにやら流星のような、流れ星のようなファンシーな模様がついたという感じの星旗がある。
彼らの操るロボット――――ネストのまえに地球連合軍はひれ伏す他なかった。
いまだに二足歩行型の戦闘ロボットどころか、高宇宙戦闘も出来ないような科学力である僕らに、勝利を勝ち取る力はありえなかった。
それから僕たち地球人は、彼ら火星人のもとで監視されながらの生活を送り始めた――――


3 : :2006/11/30(木) 20:29:02 ID:kmnktDoJ

ぼくたちが通う学校。 それは普通の学校ではない。 とりあえず、普通の学校で授業中に死者が出るなんて事は無いだろうと思うし。
ここはいちおう、火星人が設立した軍事施設の一つである。 地球人を立派な軍人に育成して軍にいれる気らしい―――――戦う力をわざわざ与えているようにしか思えないけど。
そしてぼくと彼方が所属している学部(?)は比較的優秀であるとされる、ネストのパイロット、その他整備士などだ。



「お姉さん、きりたんぽ一つ。」
「……君はずいぶんとマイナーなものを食べるんだね……」

時刻は昼時。 場所は学食。 ぼくは彼方とともに食事に来ていた。

「今年から二期生で、いろんな制限が解除されるからねえ。 心が踊ってつい食べたことの無いものを注文してしまったよ。」
「よくわからない理論だね。」
「君が体力馬鹿だからさ。 僕みたいに頭脳勝負であるところにいる人間で、まともな人に会ったことは無いよ? きりたんぽのおてんと様パワーに引かれたのさ。」

ちなみにいえば、昨日までぼくらは一期生だった。 二期生になれば今までの制限があらかた解除され、普段の生活がより潤う。 パイロットであるぼくには、とある点で心配なところもあるけれど。

「そういえば。 今日発表されたチーム分け、おまえいじくっただろ?」
「うふ? もちろんろん。 君と僕は離れてはいけないからね。 同じチームになるように、それと、出来るだけ優秀な人がうちに来るように仕向けておいたさ。」

二期生からは授業はチーム制になる。 一組5人のチームだ。 優秀な、それこそや彼方みたいな人物は、本来同じ一つのチームに二人といないはずだ。
それが、なんだあれは。

「なんかいも見直したけど、見知った名前のやつしかいなかったぞ。」
「ビバ! 学校の有名人大集合! みたいな感じだったねえ。」

ぼくとあと一人、無名の二人を除いた3人ともが有名人のオンパレードった。
機械整備、開発において三期生、教師達すら凌駕する彼方。 作戦指揮ではいまだ本気を出したことが無いといううわさの流れる優等生。 実戦闘での機械整備を任されたことのあるなかでは(彼方を除いて)最年少機械整備士。
……それぞれがそれぞれチームのリーダーを任されるような人物達だけだ。

「あの子がきたし、僕も開発に全力を注ぎ込めるよ。」
「情報操作したのばればれの組み合わせ……」
「そのあたりは安心だなん。 僕に逆らえば、教師でさえどうなるか知っているのだ。」

ふんぞり返る彼方。 そういえばいつぞやか『魔王』とか呼ばれていた時期があったな。 もしかしてまだ続けてたのか?

「あ、『魔王』ならもうやめちゃったのさ。 反応が一定になってきて、誰にちょっかい出しても迎撃もせずにすぐあきらめるから。 最近の若人はたるんでるねえ。」
「そりゃ最狂のハッカーに襲われたら、多分おまえの親父でも沈没するぞ。」
「つみゃんにゃい。」

きりたんぽの棒をくわえたままぼやく彼方。 今の彼女でも十分おとなしくなってきているのだ。
昔の彼方にあまりいい思い出はないのでこれからの生活に思考を向けようかな。

「そういえば、チームのみんなとはあとで寮で会うことになってるんだよな。」
「そうだねえ。 教師を僕ほどではないにしろ圧倒する彼らに、早く会いたいねえ。」


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