JUDAS


29 :アクロス=レザストロ :2007/08/27(月) 14:45:20 ID:kmnktiYL

二十七章

「……ここか……」
 ソルは歩みを止める。前を見ると、階段があった。
 ゆっくりと上を見上げる。階段の一番上は、カーテンが仕切られていて、シルエットを映し出している。が、玉座のシルエットしか映っていなく、外見は判らない。
「……ボス! これは……」
「何の真似だと訊きたいのか、ゼルス」
 気を抜けば声だけで気圧される程の威圧感を、シルエット越しにボスは放っていた。
───逆らえば殺される。ソルの本能が、そう告げていた。
「なに、只のテストだ」
「テスト……? この、敵意のこもった殺気が?」
 ゼルスが、多少怒っているように感じる。何故?
 思案しても解らない物は脳内から排除し、ボスを睨む。
「ボス……ですか。訊いておきます。何故俺を試す必要が?」
 テスト、と言ったからには俺を試す理由があったのだろう。
 そう確信したソルは少し強気に訊く。
「……それは僕も訊きたいですね。ボス、教えてくれますか?」
「……いいだろう、だが、もう一人登場してもらう」
 ソル達の後ろから、足音が聞こえてくる。急いで振り向いた先には、全身黒の鎧を着た大男が、そこにはいた。身長は190センチ後半ぐらいあるのではないだろうか。がっしりとした体つきをしている。
「ボス、何の用だ。こちらも暇ではないんだからな。早めに済ませろ」
 あの圧倒的な威圧感を放っている存在に、偉そうに話す男。
 説明を求めようと、ソルは隣のゼルスに視線を送る。……珍しくゼルスが心の底から呆れたような顔をしていた。
「彼はウィド・ギルダー。一応四天王の一人です」
 ソルの視線に気付いたのか、紹介するゼルス。
「……で、ボス。四天王、後一人は呼ばないのですか?」
 この場には、四天王三人がいることになる。ゼルス、ジェキ、ウィドの三人だ。
 ならもう一人いる筈だが……? 辺りを見渡しても他の人物はいない。バーハルがいるが、彼は四天王ではない。
「その事についてだが……、
ゼルス・ティルリア、
ジェキ・モーレイド、
ウィド・ギルダー、
そして、ソル・ディーチ!」
 今この場にいるバーハル以外のフルネームを呼び、一泊置いた後───
「お前たちを、四天王に任命する!」
───信じられない言葉を、言った。


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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