JUDAS


28 :アクロス=レザストロ :2007/07/26(木) 15:32:35 ID:kmnktixi

二十六章

「……あ、ゼルス様とジェキ様!」
 本部に帰ると、ロビーにいた子供が駆け寄ってくる。
「どうしたんだい?」
 ゼルスは笑顔で用件を聞く。
「……えっと、ボスが帰り次第新しく入った奴を連れて来いだって」
「ボスが? わかった。ありがとね」
「うん、じゃあね〜」
 子供はこっちに手を振りながら走っていった。
「……っていう事だけどソル、いい?」
 ゼルスがソルを見る。別に断る必要はないと判断したソルは頷く。
「ボスが何の用だろう……?」
 難しい顔をしながらゼルスは歩いていく。ゼルスの様子に首を傾げながらも、ソルは後に続く。


 ボスの部屋は建物の一番奥にあった。何度も曲がり、十分程でついた。
 その部屋の扉は鉄で出来ており、中から鍵をかければ破るのは至難の業だろう。
「さ、ソル。どうぞ」
 ゼルスはソルの為に道を開ける。ソルは扉を開けようと、扉に歩み寄る。
 そして、扉の前に着いた瞬間、扉が勝手に開いた。
「……え?」
 上を見上げる。そこにはセンサーのような物があった。
「これってまさか……」
 自動ドアだったのか、そう言おうとしたが、やめた。
 皆が苦笑していたのだ。聞くまでもなかったな、そう思ってソルは部屋に踏み入る。
「────!」
 瞬間、空気が変わった。空気が、とてつもなく歪んでいる。吐き気を覚える。頭痛がする。生きてる心地もしなくなってきたが、何とか耐えて中に入った。
「────くそ、何なんだよコレ……」
 ソルはどんどん中に入っていくが、不快感は消えない。それどころか段々強くなる。気を抜けば今すぐにでもその場に倒れてしまいそうな体で、奥へ向かう。
「大丈夫?」
 ソルは隣を見る。そこには心配そうな顔をしているゼルスがいた。
 そのゼルスさえも顔色が悪い。
「……ああ、大丈夫……自分の心配もしろよ……」
 まだ心配そうにしてたが、ソルは出来るだけ見ないように進む。
「……この空気いつもよりずっと歪んでる……ボスは何を……?」
 ゼルスはソルが倒れても支えられる位置を歩いていく。それに気付いたソルは少し笑みを浮かべた。


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