JUDAS


27 :アクロス=レザストロ :2007/06/16(土) 12:24:57 ID:kmnktixG

二十五章

「……で、この子供はどうするんだ?」
 ソルは、倒れている子供を見る。ドラゴンの消滅と同時に倒れたのだ。
「僕達が預かるよ。……それより、そろそろここを離れないと」
 ゼルスはお姫様だっこで少女を抱える。
「何故だ?都合が悪い事でも?」
 ソルは首を捻る。その時、何処かに行っていたバーハルが帰ってきた。
「ゼルス様、貼ってきました」
「ご苦労。さ、行こうか」
 ゼルスは村の出口へ向かう。
「……何のことだ?……ま、いいか」
 三人の後ろに、ソルも続く。


「ここか?化け物が現れた村というのは」
 白い鎧を見に纏った騎士が、先程までソル達がいた村の入口に現れる。その後ろには、三百程度の兵士がいる。
「はっ!国境近くにある村というのはここしかありませんので、間違いないと思われます!」
 後ろにいた兵士の一人が答える。
「よし。第一陣!村の様子を見てくるんだ!」
「了解!」
 五十人程度の兵が村の中へ入っていく。
「ドーリア様。一つお聞きしたいことが……」
「何だ」
「はっ……村を滅ぼす程の敵を相手に、何故少数編成を?」
 その問いに、『ドーリア騎士団』の隊長、ドーリアが迷い無く答える。
「我等が大群で動いたとなれば、民は何が起きたのかと不安になる。民をわざわざ心配させる事はない」
「流石隊長です!民の事を一番に考えるなんて」
 ドーリアは憧れの的とされている。人を身分で差別する事は無く、目上の人にも対等に意見を言う。その上剣術も出来るのだ。彼は今となっては、シーダール国の国民全員から尊敬されていた。
「隊長!村の家にこんな物が貼ってありました!」
 走り寄ってきた兵から紙を受け取るドーリア。
「これは……!!」
 それには、異形の槍を持っている天使が描かれていた。
「間違いない。【デス・エンジェル】の紋章……くっ!我等はまた奴等に先を越されたというのか!」
 化け物現れる所に【デス・エンジェル】あり。紙の裏にそう書かれていた事には、誰も気付かなかった。


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