もう一人の君


1 :優夜 :2007/03/06(火) 14:22:17 ID:onQHtFrm

幽霊や超能力が登場します。
苦手な方はご遠慮ください。


2 :優夜 :2007/03/06(火) 14:48:04 ID:onQHtFrm

「・・・幽霊?」
春陽は怪訝そうな声を上げた。
友人の啓子は心霊や占い、いわゆるオカルト系のものが好きなのだ。
よって春陽は、よくこういった話につき合わされている。
もっとも、春陽自身には全く興味が無い話だったが。
「家の学校の体育館!昔自殺した女の人の幽霊が出るって噂なんだよ〜。知らないの?」
「知らん。興味無いし」
「・・・少しは興味持とうとか思わない?幽霊とかはともかく、占いくらいは興味持とう よ」
そう言いつつも、啓子は自分の話を続けている。春陽は興味が無い話でも一通り聞いてくれるので、ついつい話してしまうのだ。春陽はいわゆる聞き上手の部類に入るのかもしれない。

だが、啓子やクラスメートたちは、根本的に勘違いをしている部分がある。
彼らは春陽が幽霊などを信じていないから興味が無いのだと思っている。
だが、春陽が興味が無いのは、信じていないからではなく、しょっちゅう視ているからなのだ。

春陽がこの能力を他人に話したことは無い。言っても信じてもらえないだろうし、例え信じられたとしても、周りは春陽自身ではなく、その能力しか見てくれなくなるだろう。
同じように視える人に会えればそれもいいのかもしれないが、あいにくまだ会ったことは無い。

そもそも、春陽自身はこの能力がそれほど特殊な物だと思っていない。
他人よりも少しだけ視える世界が広いだけ。その程度の認識しか、春陽は持っていないのだ。
だが、この能力に悩まされたことは多々ある。向こうから話しかけられることは日常茶飯事だし、夜中に安眠妨害をされたことは両手の指の数ではとても足りないほどだ。

しかし、よく漫画などであるように、「私は異常なんじゃないか」と思い詰めたことは無い。元々芯がしっかりしている春陽自身の性格もあるが、何よりも・・・。

『春陽ったら、もう少し聞いてあげたら?せめてもう少し愛想よくさ』
(・・・春歌)

ずっと自分と共にこの一つの体を共有している、大切な半身―春歌にも、視えている世界だから。


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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