臆病な殺人者


1 :カイト :2006/11/28(火) 00:19:20 ID:m3kntDV4

 
 自分にあたる冷たい風
  耳に心地よい木の葉のざわめき
   遠くに聞こえるサイレンの音
    
  ―――あぁまだ自分を探してる・・・

 右手に握った黒い凶器
  唸り声をあげる黒いバイク
   
  ―――もう少しここにいようかな?
 
 ファンファンうるさいパトカー達
  誰もいない静かな公園

  ―――見つかるまでは大丈夫・・・

 くーくー静かな寝息
  殺人者の安息の時間
 
    歪んだ正義の名のもとに
       臆病な殺人者が寝息を立てた

     


2 :カイト :2006/12/17(日) 14:33:04 ID:m3kntDV4

「序章」

 始まりは、一人の男だった。

「ねぇ、ゲームをしない?」

落ち着いた雰囲気のカフェ。客の数は少なく、そいつと俺を含めても客はたったの5人。
おっと、マスターとバーテンダーを含めて、5人。
実際客は常連の女一人と俺、そして同じく常連のそいつだけだった。

「え?」

とくにそいつと面識が会ったわけでもない俺は思わず飲んでいたコーヒーを置いて訊き返す。
今までにそいつと喋ったことは無く、ただ同じ店の中にいる男。ぐらいにしか俺はそいつを思っていなかった。
そいつは、ぽかんとしている俺にわずかにほほ笑みを向け、楽しそうに話し出した。
「だからゲームだよ。霧野 行人(きりの いくと)さん」
名前を名乗ったおぼえはない。
しかし、そいつは俺の名前を知っていた。
「何で俺の名前を・・・・?」
そいつは驚くおれをみながら人差し指を唇に当てて俺に黙れと態度でいう。
「そんなことどうでもいいじゃないですか。それよりも、今このまちに爆弾魔、つまりボマーがいます。それをみんな殺してください」
何を言っているのか理解できなかった。
頭がおかしいのかもしれない。そう思い、席を立ちあがろうとしたとき、そいつは懐から一丁の銀の拳銃を取り出し、カウンターに置いた。
「リミットは一週間。つまり、一月一日。年明けです。できなければあなたの家族からすれ違った人まで、全て殺します」
そんなことできるはずがない。そう思ったが、なぜかそう言えなかった。
「おまえはなんなんだ?!」
おれの小声の言葉は無視され、代わりに数発の弾丸を渡された。
「成功すればこれからあなたにかかる容疑を取り消しましょう」
殺人の容疑をなくす?なにをいっているんだ?それにそんなこと俺はやらないに決まっているだろう。そう言いかけたが、次の瞬間言えなくなった。

「失敗すれば、日本の中心にあるこの町に仕掛けた核爆弾を起動させ、この国を消します」

「―――――え?」


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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