災厄は、忘れた頃にやってくる


1 :醤油漬味醂味噌風味 :2008/06/02(月) 19:03:06 ID:PmQHuLYH

さほど昔ではない、たかだか数年前の記憶。そこから前の記憶はない。あるはずがない。

「なんじゃこれは? 神の力が薄れておるぞ? 自然、神とは生物の信仰に成り立つもの。ゆえに奴等が弱る時は、地球上の大半の生物が死滅したときだけだと思っていたのじゃが」
「いいえ、それだけじゃないわよ。現状大陸を支配する種族はほとんどが人類―――『科学』の力に頼り、信仰を忘れた種族。彼等が地球を闊歩すれば、それだけ信仰の絶対量は減少するもの。中には信仰を大切にする者もいるようだけど、最近はどうでしょうね。少なくとも先進国と呼ばれる国々の―――」
「くどいぞ魔女。大体、おぬしも元は『人類』とやらじゃろうに。それに、神の力が弱まっておる方がこの身にしてみれば都合が良い」

まだ自分の体すら完成されていなかった、東国の国で表すならば1999年7月1日とかいう時間帯。

「さて―――魔女よ、信仰心とやらの希薄な場所は、どこだ?」

絶対悪に分類される存在が、生を受けた瞬間だった。

   ◆

オカルトという言葉を知らない人は少ないだろう。だが、オカルトについて知っている人は少ないと思う。

まず一般の人はオカルトと聞くと、それだけでどこか怪しい、気持ち悪いと判断し一線を引いてしまう。未知のモノに対する興味はあっても、それに手を出す勇気―――というより必要性を感じないから。まぁ、○sやせる! ○cm伸びた! とかいうキャッチフレーズの前には、僕達日本人は簡単に手を出すようだが。

それでも、オカルトに手を出す人は少ない。僕にしてみればオカルト気色悪いかなぁ、とか思うのだが。だってつい最近の世の中は、秋葉原にでも行けば魔法使いの一人や二人会えると思うぜ? …これが偏見かどうかは、僕にはわからないのだけど。

しかし、一般の人が抱いている印象は、まこと勘違いも甚だしいところである。表を歩いているときに、そこの女子高生、君が手にして笑っている風水グッズも、実はオカルトの品だと知っているのか、とか心の中で言ってみたりもする。いや、知ってて買ってるのかもしれないけどさ。

世の中には、実は身近にオカルトはあったりする。さっきあげた風水だってオカルトだし、簡単な恋のおまじないだってそうだ。つまり、うちの隣家に住んでいる愚か者は、幽霊を否定しながら、それと同じ所に属するおまじないが大好きなのだ。大好きなのだ!

すなわち、今の日本においてオカルトが示すものは感覚的に大いに間違っているのだ。視野が狭いというのは哀しいことだとテレビで聞いた気もするし。

ちなみに、うちの妹は健全なる育成の結果、正しき知識を身につけつつある。これは兄としては喜ばしいのだが、そのおかげで僕の部屋に置いてある道具を「不吉だから」という理由で捨てないで欲しい。不吉だから買ったんだってば。

ここまで話を聞いていただき、さすがにわかっていただけたろうが、僕こと夜烏双真はオカルトマニアであると自負している。

何故、そんなにもオカルトが好きなのかって?

そりゃ君、勿論一般的ではない願い事も叶えてくれそうだからさ。

…世界よ、滅べ。…とかね。


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