gravity and white bird


1 :雨宮 宙音 :2009/01/22(木) 16:52:16 ID:ommLPFQn

重力と白い鳥
わたしはただ目を懲らす
羽ばたいたその羽根の強さを
わたしにもください


2 :雨宮 宙音 :2009/01/24(土) 18:54:56 ID:ommLPFQn

風が吹いて

舞い散る塵
そして砂
一瞬のうちに自由の身となったそれらは
空の青色をいくらか埃っぽくする
しかしそれは陰鬱の灰色でなく
決意の白色と迷いの黒色の混ざった
始まりの灰色である
そして
一瞬のうちにいつものそれになった風景
そして頭上には空色

風が吹いて


3 :雨宮 宙音 :2009/01/25(日) 19:56:07 ID:ommLPFsL

音楽

脳で感じるのでなく
五感で感じるのでなく
ただ流れるのでなく

羅列の羅列でなく
波長の波長でなく
ただ平面でなく

それは桜の花弁のように
それは獣の眼のように
繊細で猛々しく

それは笹の小舟のように
それは真夏の嵐のように
穏やかで激しく

絡り廻って繰り返して
僕は瞼を静かに閉じる


4 :雨宮 宙音 :2009/02/05(木) 15:49:07 ID:ommLPFQH

誰が運んでくるのだろう
この儚げな桃色を
誰が運んでくるのだろう
この陰鬱な気分を
誰が運んでくるのだろう
この突き抜ける開放感を

そして

今年も春がやってくる


5 :雨宮 宙音 :2009/02/05(木) 15:53:44 ID:ommLPFQH

太陽は理性を蝕み
空と海は群青色の光を選び
空気は少し埃っぽくて
月の光に洗われる

そんな
夏の思い出


6 :雨宮 宙音 :2009/02/11(水) 20:50:19 ID:WmknPLne

煙のにおい
枯葉のおと
パステルの堕落
いつのまにか閉じこめられた箱庭
そこで貴方に想いをはせる

色褪せた
秋のうた


7 :雨宮 宙音 :2009/02/11(水) 20:54:54 ID:WmknPLne

その輝きは雪の色
染まらない色
毛糸のマフラーは君の色
そして私は
染まってしまった鳥の色

そして
冬は眠る

季節は廻る


8 :雨宮 宙音 :2009/02/13(金) 20:04:57 ID:WmknPLne

欲望

じんるいとは
かぎりない ちのうの だらくである
じんるいとは
はかない きおくの うみである
しぜんのこえを きかずして
ぎんいろのみずに あしをひたす
そのぎんいろは けっしてすきとおることはなく 
いつまでも よどんだまま
じんるいを むしばむ
ふちのない みずのなかで
いつしか しずんでゆく たましい

じんるいとは はてない たんきゅうしんの ほのおである
じんるいとは しんかのやみにしずむ こどくである


9 :雨宮 宙音 :2009/02/17(火) 17:57:20 ID:WmknPLne

傲慢

わたしたちから逃げてばかりいたくせに
いつからそんなに傲慢になって
わたしたちを殺しては金属を流した
さんざん利用しては捨てていったくせに
いまさら共生しようなんて

空に向かって伸びるわたしたち
空に向かって無理に飛び立って
それで賢くなったつもりか

人間よ
光をあげよう

人間よ
錆びるなよ


10 :雨宮 宙音 :2009/02/18(水) 17:58:52 ID:ommLunQi

走る

走る
光の浸みたアスファルトを走る
起きたばかりのグラウンドを走る
今日から明日へ走る
時間の上を走る
地平線を走る
夢の中を走る
今日一日を走る

命を走る
休まず走る


11 :雨宮 宙音 :2009/03/08(日) 20:57:42 ID:ommLPFsL

記憶

カーテンの一揺れ
北極星の瞬きの合間

時間の流れに記憶が 洗われてゆく

忘却を忘れた
喜びも絶望も抱えた

夜空の星に瞳が 洗われてゆく

こんなに宙が冷たい夜は
ビルの上にも オリオン座が廻る

そんな澄んだ夜の記憶
愛されている記憶を
抱えてる 今日の孤独


12 :雨宮 宙音 :2009/03/15(日) 21:56:08 ID:ommLunPi

疎外

水平線の裏の 赤い空に沈む 燃える夕日眺め
私はただ波に浮かび眠るわ

地平線の裏の 暗い宙に浮かぶ 揺れる月を眺め
私はただ土に沈み眠るわ

深い森の裏の 木々の下に吠える 獣たちを眺め
私はただ砂にまみれ潜むわ

浅い夢の裏の 孤独の中廻る 星たちを眺め
私はただこの場所を捨てられずに

相容れぬものの裏の 泥沼に耐えられずに
私はただ旅立ちの朝を迎えて

相容れるものの裏の 鋭利な眼に耐えられずに
私は知らぬ間に堕ちてゆくわ

歩むことを選び 勝ち抜いてきた 私たちの定めなのです


13 :雨宮 宙音 :2009/04/01(水) 10:25:31 ID:o3teoFkc

重力 gravity

いつからか重い鉄の塊は空を飛ぶようになり
私たちは空を飛ぶことをあきらめた
鉄よりも重い何かが躰の中を離れず
重力をつくりだす
ためしに誇りを捨ててみた
まだ重力は消えない
今度は記憶を捨ててみた
それでも私は浮かばず
思考することを捨てたとき
私はどこまでも堕ちていった
いつまでも重力を感じてる
舐めてみたら幸福の味がした
全てを手に入れる幸福に
私たちは重くなっていく
もう戻れない重力を知らなかった日々
いつまでも重力を感じながら生きてゆく
どんなに宙が近くても
どんなに天が遠くても


14 :雨宮 宙音 :2009/04/09(木) 13:15:13 ID:o3teoFkc

サクラ

いつかサクラサクよと言った君

そうだねと笑った僕

風に乗る若草の匂い

水面には薄ピンクの花びら

サクラチル


15 :雨宮 宙音 :2009/04/12(日) 21:00:51 ID:o3teoFkc

定義

桜 
「散るさだめ」とはよく言うが、だとすれば僕達はどうやって花を愛でればよいのか
人類
「知能をもつ」とはよく言うが、だとすれば僕達はどうやって空を見ればよいのか
地球
「蒼い星」とはよく言うが、だとすれば僕達はどうやって感情を燃やせばよいのか


偉大な都市高層ビルの真上で
定義を持たぬ彼が笑っている


16 :雨宮 宙音 :2009/05/25(月) 09:03:53 ID:o3teoFkc

もしも君にほんの少しの優しさがあるならば

もしも君にほんの少しの優しさがあるならば

どうかこちらを向いてください

愛に飢えた私たちの叫びが

・・・・・・聞こえますか?

そして例の屈託のない笑顔で

無力な私たちを

安らぎへと導いてください



君にとっては一瞬の出来事

でも

私たちにとっては永遠の幸せだから




幸せの青い鳥


17 :雨宮 宙音 :2009/06/11(木) 17:18:16 ID:o3teoFkc

崩壊が、

ミサイル

ミサイルが

ミサイルがとんでくる

ミサイルがキャベツ畑にとんでくる

ミサイルがキャベツ畑の水滴にとんでくる

ミサイルが、


ロケット

ロケットが

ロケットがおちてくる

ロケットが破滅をのせておちてくる

ロケットが破滅をのせて涙のなかにおちてくる

ロケットが、


急行列車

急行列車が

急行列車がやってくる

急行列車がわたしを攫いにやってくる

急行列車がわたしをここから攫いにやってくる

急行列車が、


とぎれたじかん


18 :雨宮 宙音 :2009/07/04(土) 22:00:03 ID:o3teoFkc

生き生き、と。

生き生きと、生きよ
過去から、未来から吹いてくる、肌色の風を感じて

さて、この地面の奥には、また違う地面があるわけでして。
決して積み重なった時間では、ないのです

さあ、生き生きと、生きよ
丁度、東の空から吹いてくる、遙かなる風を感じて


19 :雨宮 宙音 :2009/08/19(水) 18:32:47 ID:o3teoFkc

元素

開いてみた理科の教科書

『元素は増えたり無くなったりしない』

そう、この教科書のこのページは

いつか海だったのかもしれない


20 :雨宮 宙音 :2009/09/15(火) 22:22:24 ID:o3teoFkc

染みる

この灰色の地面に
雑踏が染みている



この肩までの髪に
時代が染みている



ほら
向こうに
星が
堕ちた

ほら
向こうに
人が
堕ちた


21 :雨宮 宙音 :2009/10/29(木) 18:26:01 ID:o3teoFkc

無題

この私たちはあまりにも曖昧な存在でありますので
「護る」と「壊す」は表裏一体であります

そして私たちの理性はあまりにも軟弱ですので
「時の流れ」を認識できずに笑うのです

私たちは最期、あまりにも無力でありますので

果たして知るべきか否か

迷ったまま消えるのです


22 :雨宮 宙音 :2010/03/04(木) 23:43:26 ID:o3teoFkcuc

背中合わせ

いくつもの光が目に染みて
どれほどの影を見たろうか
いくつもの後悔が行き場もなく
線路の端っこに横たわっているだろう

擦れ違う度に 強がって君を見ない
視線ぶつかる度に 嘘ついて君を見ない

いくつもの夜に泣いて
どれほどの波があるだろう
私を濡らす雫で
なにか綺麗になってる気がしてた

沈殿する 見れなかった君が
少しずつ汚れていくのを知っていた

いくつもの君を見ないで
見ないまま過ぎていく季節が
春になり 夏になり 秋になり 冬になり
私を苦しめるのでしょう

知っている 分かっている
私はいつまでも見られないのだと
知っている 気づいてる
君も私を見られないのだと
擦れ違う度に 少し歪んでしまう唇が
そっと動いた 音を立てず


novel plaza system
甘辛流小説家ギルドGAIA
produced by COLUN.