レーゾンデートル


1 :猫葡◆GsuQuHtk :2007/11/14(水) 17:13:24 ID:ocsFW7mk

最初の記憶はお父さんと一緒に手をつないで行った遺跡の入り口。
洞窟のようなそこは人気がなくて冷えた空気が奥のほうからあたしに向かって鳴いていた。
飾り気も何も無いぽっかりと空いた穴に、お父さんは迷いもなくあたしを連れて入っていった。
なんとなく不安になってあたしはお父さんの手を両手で掴んで涙目になりながら歩いていて、そのときのまわりの様子はよく覚えていない。
変な扉が壁に貼りついてるようにたくさんあったのだけ印象に残っていた。

突き当たりに扉があって、お父さんは躊躇することもなく扉に手をかけてゆっくりと開けた。
大きな祭壇の上に棺があって、そのときのあたしにはそれが棺だとはわからなかったけど何か気味が悪いと感じてお父さんのかげに隠れていた。
お父さんはあたしの頭を撫でてから祭壇にのぼって、棺の縁を指の先でコンコンと軽く叩いて、何か声をかけていた。
すると棺のふたが動いて、中から人が出てきた。
その後はお父さんとその人が二人で何か難しい話をしていて、話が終わった後お父さんはあたしに言ったの。

「今日からここが、俺とおまえの家だよ」

って。
そのときは凄く気味の悪いところに住むことになったんだって、大泣きしたんだ。


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