哀しみによって人は。


1 :小豆 :2006/10/21(土) 14:11:13 ID:PmQHuDse



「あの人と、満月と」


午前2時。眠れない夜。

私はホットミルクの入ったカップを持ち、夜空を見上げる。

季節は冬。私の吐く息は、白い靄となり、夜の闇に飲み込まれていく。

見上げた空には、とても、とても綺麗な満月。

あの人も、同じ空を見てるといいな。

こんなにも綺麗な月を、あの人にも見せてあげたい。

私は、携帯電話を手に取る。

こんな時間だから、電話はダメだよね。

メールで、あの人に教えてあげる。

今、満月は、悲しいくらい美しいよ、と。

願いをかけたら、叶いそうなほど綺麗だよ、と。

私は、今夜の満月に願いをかけよう。


あなたと、いつまでも一緒にいられますように・・・。


2 :小豆 :2006/10/21(土) 16:15:53 ID:PmQHuDse


「もう、いない」


もう何度、あなたのもとへいこうとしたかわからない。

けれど私には無理だった。

私はとても臆病者で・・・。

いつもギリギリのとこでやめてしまった。

だけど、あなたのことは忘れられない。

そんな自分も弱くて。小さくて。

でも、あなたに会いたくて。会いたくて。


こんなにも会いたいと願うあなたは、

もう、いない・・・。



どうしてあなたは私をおいていってしまったの?

どうして私を1人にするの?

私のことが、いらなくなった?

私は、邪魔だった?

わからない・・・。

今となってはもう、あなたに訊くことすらできない。

けれど、そんなあなたが愛しくて。愛しくて。


こんなにも愛しく想うあなたは、

もう、いない・・・。



それでもいつかは、あなたのもとへ。

その時までこの想い、枯れませんように・・・。


3 :小豆 :2006/10/21(土) 20:57:22 ID:PmQHuDse


「完璧」


不完全すぎる完璧。

そう言われたのは、いつだったか?

完全なる完璧。

それを求めたのはいつだったか?

求めて、求めて、求めて。

探し続けて。

見つからなかった。

そんなモノ、始めから存在しなかった。

けれど、それに近いモノを目指し、走り続ける。

それは悲しいことだろうか?

無駄なことだろうか?

その答えは、在るのだろうか?


お前らはどう思う?

俺には、わからない。

だけど、求めることしか知らない俺は、

ただひたすらに走り続けた。

その果てにある、絶望へと。


4 :小豆 :2006/10/22(日) 10:35:28 ID:PmQHuDse


 「求めたモノ」


生きることに疲れた僕たちは、

休むことを知らず、ただひたすらに走り続けてきた僕たちは、

今、この地で力尽きる。

動けなくなるほどにまで疲れて、初めて休息を知った。

安らぎを知った。

もがいて、あがいていた時間は、短くない。

それは全部、無駄だったの?

立ち止まってみて、初めて気付く。

求めていたモノは、探さなくても此処にあったことを。

僕たちは、馬鹿なのかな?

どうして、こんなにも大切なことに気付けなかったんだろう。

今、走ることを止めた僕たちは、

安らぎと、求めていたモノを両手に掴み、

この地に倒れ伏す。

やっと、見つけられたね。

すべてを、終える方法を・・・。


5 :小豆 :2006/10/22(日) 16:00:32 ID:PmQHuDse


「どうか気付かないでいて。この、想い」


たとえあなたの1番になれなくても、

私はそれでもいい。

私は知っている。

あなたには、恋人がいることを・・・。

私はあなたの彼女になれなくてもいい。

友達としてじゃないと、

あなたのとなりにいられないのなら、

私はあなたの友達であり続ける。

友達としての私になら、

あなたは笑いかけてくれるんでしょ?

そばに居ることを、許してくれるんでしょ?

だから、この気持ちはしまった。

あなたが困らないように。

あなたの重荷にならないように。

けれど、これだけは、

あなたに聞こえないようにそっと言わしてね。


あなたが好きです・・・。


6 :小豆 :2006/10/22(日) 20:40:57 ID:PmQHuDse


「強き者、弱き者」


人は、泣いたぶんだけ強くなれる。

なんて言うけれど、それは嘘。

私は、泣いたぶんだけ弱くなる。

脆く、崩れていく。壊れていく。

いつか、この涙が私の強さに変わるのだろうか?


もう、泣かない。

そう決めていたのに。

私の泣き虫は治らない。

いつか、泣きやんだとき、立ち直ったときに、

私の流した涙は、意味をもつのだろうか?


弱き者。今と、過去の私。

強き者。いつかなりたい、未来の私。


だけど、私は訊きたい。

強き者とは、涙を流さない者ですか?

弱き者とは、涙を流す者ですか?

涙を流せないことは、弱きことではないですか?

誰かのために泣けることは、優しく、強き者の証ではないですか?


私は、泣くことをやめないと決めた。

泣く理由を、変えてゆきたい。

今、私は私のために泣いている。

いつの日か、誰かのために泣き、笑える人間になりたい。

それが、私の求める強き自分。


7 :小豆 :2006/10/23(月) 20:45:14 ID:ommLQAmc


 「空に問う」



「俺が死んだ時、一体何人の人が泣いてくれるだろう?」

「お前は、俺が死んだら泣いてくれるか?」

 あなたがまだ生きていた頃、遠くを見ながら言った言葉。

 思い出すたび涙があふれる。
 
 あなたの、寂しそうな横顔。


「俺はいつも思うんだ。誰も泣いてくれやしないんじゃないかって」

「俺は、誰からも必要とされてないんじゃないかって」

 そんなことないよ。
 
 あなたは、私にとって必要な人だった。

 あなたが死んだ時、私は確かに泣いた。

 そして今も、泣き続けている。

 
「誰かに必要とされるから、生きていける」

「人間はな、他人に中にしか、自分の生きる意味を見いだせないんだ」

 私も、あなたと同じ。

 自分では、生きる意味を見つけられない。

 私にとってはあなたが、生きる意味だったのに。


「ごめん…。俺は、お前をおいて死んでいく」

「恨んで、憎んで、忘れてくれ…」

 恨めないよ。憎めないよ。

 忘れられないよ…。

 あなたの死は、私の中にいつまでも残り、私を苦しめる。

 あなたの笑顔、言葉は、鮮やかなまま、私を傷つける。


「もう、何もしてやれない。ごめんな…」

「今までありがとう。…さようなら」

 あなたはそう言い、死んでいった。

 今にも泣き出しそうな私に、笑顔を向けて。

 あなたは、笑顔でさよならを言えなかった私を、許せますか?


「…死なないで」

「私を、独りにしないで…」

 あなたが死ぬゆく時。

 私は、枕元であなたの手を握り。


「あなただけが、私を必要としてくれたのに」

「私は、これから先、何を生きる意味にすればいいの?」

 あなたの居ない、この世界で。

 私は、あなたが居るであろう空を仰いで問う。

 答えなんて、返ってこない。

 
 また、涙が一筋、頬をつたう。


8 :小豆 :2006/10/24(火) 18:36:51 ID:ommLQAmc



「飛んでゆけたなら」


何よりも深くて、

何よりも哀しげな、青。

あなたに、似ているね。

もう2度と、帰ってはこないあなたに。


海を眺め、浜辺を歩きながら。

私はいつも思う。

この海のずっとずっと先に、あなたはいるのかな?

願わくば、この海を越えて、飛んでゆけたなら。

もし、あなたに逢えるのならば。

私は、神をも信じよう。


・・・だけど、本当はね。

もう、どこにもいないってこと、わかってるよ。


青い、青い、海のそば。

私はいつも、あなたを想うのです。


9 :小豆 :2006/10/24(火) 23:04:53 ID:ommLQAmc


 「後悔と懺悔の向こう側」


夏の終わり。

急な坂道を、僕は自転車に乗ってゆく。

立ち止まらないように。

前に、進むために。

必死になってペダルを踏んだ。

あの夏はいつのことか。

坂道を登り切ると、急に視界が開ける。

この瞬間が、僕は好きだ。

そこに見えたものは、沈みゆく、太陽。

そして、光に照らされ輝く、大海原。

なぜだか急に、叫びたくなった。走り出したくなった。

空は、夕日に茜色に染められていて。

海は、まるで光の絨毯のようだった。


世界はこんなにも美しいのに、僕の心は空っぽで。

今、この瞬間は、こんなにも輝いているのに、僕の目は虚ろで。

どうしてこんな風になってしまったのだろう?

全部、僕のせいだって言うのか?

違う・・・。

お前の、せいでもあるだろう?


あの時お前が、生きることを諦めなかったなら。

あの時僕が、お前のことを救えていたなら。

今の僕はもう少しだけ、違うカタチだったのかも知れない。


・・・神様、僕は、大切な友を救えませんでした。

こんな僕には、生きる資格があるのですか?

それとも、彼の分も、一生懸命生きなければなりませんか?


僕が、生きていくこと。

僕が、彼のあとを追うこと。

どちらが、彼のためになるのだろう?

彼は、どっちを望むのだろう?


・・・なぁ、お前は、僕を許すのか?

僕に、託すのか?

あるいは・・・憎むのか?


夜に移りゆく世界を、僕は彷徨う。

まるで、迷子のように。

いつになれば、答えにたどり着けるのだろう・・・。

いつまで、彷徨えば救われるのだろう・・・。


お前の面影に怯えながらも、壊れてしまったセカイを、迷い歩く。

それは、後悔と懺悔にまみれた、この、僕。


10 :小豆 :2006/10/27(金) 18:09:45 ID:PmQHsHuF


 「最後の絆」


俺は、どうしてあの時、気付いてやれなかったんだろう?

お前が、あんなにも追い込まれていたことに・・・。

お前の心を救えなかった・・・。

どうして俺は、こんなにも無力で、小さいんだろう?

たった1人の大好きな人さえ、守ることができなかった。

お前は俺を、恨むか? 憎むか?

許して欲しくは、ない。

お前が俺を許したとき、小さな・・・小さな最後の絆が、

切れてしまいそうだから。

お前は俺を、恨め。

俺は、悔やむから。

そうして、俺たちの繋がりを守るから。

でも、ひとつお前に訊きたいよ・・・。


「なぁ、どうしてお前は、自殺なんかしたんだ・・・?」


11 :小豆 :2006/11/02(木) 18:13:56 ID:ncPik7Qc


 「私も、あなたのように」


あなたはいつも、前を向いて生きている。

まっすぐに、太陽を目指して……。

私とは大違いだね。

いつもうつむいて、嫌なことから逃げてばかりの私とは。


あなたはいつも、生き抜くことに一生懸命で。

短い命を知りつつも、ただ美しくあるために力を尽くす。

あなたはとても立派だね。

私もあなたのように、凛として前を向きたいな。

太陽に向けて、精一杯背伸びしてみたいな。


……そう、向日葵のように……生きてゆきたい。


12 :小豆 :2006/11/10(金) 21:14:27 ID:PmQHsHuD


 「待ち人」


あなたを、ただ待つことしかできない。

それは、とても辛きこと。

だけど私には、待つことしかできなくて。

あなたの、力になることはできなくて。

無力な自分が、悲しくて。

それでも、私にできる最大のことは、ただ、待つことだけだから。

だから私は、あなたを待ち続けよう。

あなたが、帰ってくるまで。

もう、帰ってこないかも知れないけれど……。


そして、あなたが帰ってきたときには、私は笑顔でこう言うよ。




「……やっと、逢えたね。待ってたよ……。ずっとずっと、待ってたよ」


「あなたのことが、好きです…………」


13 :小豆 :2006/11/18(土) 20:00:37 ID:ncPik7Q3


「人間」


ヒト。

それは、哀れで淋しい、生物の名。


知能を持ったが故、そして、感情を持つが為、最強であり最弱。

弱くて、脆い、ヒト。

それでいて、己は強いと信じ込む。

そうしなければ、自分が崩れてしまうから。


他の動物よりも、頭脳が発達したばかりに。

自然を破壊し、自らも滅びてゆく哀れな生物。

それが、人間。


救いは、あるのだろうか?

誰が、救ってくれるというのだろうか?

他者、自己、物品、自然・・・。

すがりつき、それでも尚。

淋しいと嘆く、虚ろな存在。


だけど私は、人間であることを誇りに思おう。

感情を持つことを、弱い生物であることを、感謝しよう。

心があるからこそ、優しくなれるのだから。

思いやりをもったり、何かを大切だと思うことができるのだから。

誰かを、好きになることができるのだから・・・。


14 :小豆 :2006/11/24(金) 21:42:56 ID:ommLQAme



「君のそばには」


頑なで、空虚な君は、

すべてを否定して生きていた。

それは、どれほど楽な生き方だろう。

どれほど淋しい生き方だろう。


君の心を見つけたとき。

俺が、何を思ったのか。

君は知らないだろう?


君が否定しているモノにも、価値があるのだと、知って欲しかった。

受け入れることのできる、心を養えるように。

そばにいたいと、思った。

守りたいと、想った。


だけど君は、俺を信じてはくれなかった。

俺は、君が否定し続ける“すべて”の一部にすぎなかった。


俺にとって“特別”の君は、弱い自分を守る為。

人を遠ざけ。

自ら孤独を愛し。

そして、傷つく。

なんと愚かで、哀れなんだろう。


どれだけ否定されようと。

疎外されようとも。

俺は、君のそばにいるよ。

君が、俺のことを信じられなくても、それでもいいから。


ただ・・・君のそばには、君を大切に想う人達がいるんだってこと。

忘れないでいて。


15 :小豆 :2006/12/03(日) 13:44:11 ID:xmoJm4rF




「あなたと、出逢えて」


私の心は、凍りついていた。

何を見ても。

誰かに何かを言われても。

何の感情もわいてこなかった。

それはまるで、人形のよう。

だけど・・・。

あなたに出逢って、私は「喜び」を知った。

あなたがくれた、喜び。

それは、私にとって大切なモノ。


あなたは、私と同じ。

孤独な人間だった。

それは、あなたが望んだことではなくて。

周囲の人間の、悪意によるもので。

あなたの寂しさを見るたびに、私は思う。

私は与えられてばかりで、何もしてあげられないの・・・?

そして、彼を虐げた人間を・・・。

許せなかった。

あなたを大切に想うから、私は「怒り」を覚えた。

そして、憤りはときに、人の人格さえも変えてしまうことを知った。


あなたは、とても優しい人。

あんなに、酷い想いをしたのに。

それなのに、誰にでも優しくて。

けれど・・・その優しさが、私を苦しめた。

私だけへの優しさが、欲しかった。

他の人達と、私。

あなたにとって、同じなの?

あなたの事を知っていくうちに、私は「哀しみ」に怯えた。

一抹の、寂しさを抱いた。

あなたが、遠かった。


あなたの、笑顔。

私に幸せをわけてくれた。

あなたといると、嫌なことはすべて忘れられた。

ちょっとしたことで、笑えるようになった。

もっと、笑いたいと思えるようになった。

あなたのそばにいるだけで、私は「楽しさ」を感じていた。

心が、弾んだ。

人を、好きになることができた。


あなたと、出逢えて。

私は人形をやめたよ。

たくさんの感情を持つ、人間になれたよ・・・。

いつも笑ってはいたいけれど。

泣いたり、怒ったり、哀しんだり。

そんな感情があるから、笑顔は尊いモノなんだね。

大切なことを教えてくれた。

あなたは、私にとってかけがえのない人。

だいすきな、ひと。


16 :小豆 :2006/12/07(木) 21:20:45 ID:xmoJm4rF

どうも。小豆です。作者です。
この詩は、人形姫をテーマに書きました。
それを頭の片隅にでも置いて、読んで頂きたいです。



――――――――――――――――――――――――――――――――――


「声にならなかった“サヨナラ”」


ねぇ、この気持ち、あなたに届くかな?


私は、あなたに逢いたかった。

もう一度だけ、逢いたかった。

ただ、それだけなの。

だから、私はね・・・・・・。

悪魔に、魂を売ったの。

「好き」と伝える術を、売ってしまったの。

あなたのそばに行きたくて。

あなたと、同じになりたくて・・・。


ねぇ、あなたは気付いていないの?

あなたを、荒れ狂う海から助けたのは、

あなたに、恋心を抱いているのは・・・。

私なんだよ?

あなたはきっと・・・。

今、あなたのとなりにいる人だと、思いこんでいるのね。

あなたは、その人を選んでしまったのね。

本当は、私なのに。

私なのに、私なのに、私なのに・・・。


届かなかった、この気持ち。

私の両手で包み込み、さようならを告げよう。


私に気付いてくれなかった、あなた。

朝日とともに、さよならだね・・・。


17 :小豆 :2006/12/12(火) 21:55:04 ID:ommLQAme


「自問自答」


今日という1日が終わりゆくとき。

私はいつも、問いかける。

今日は、何が得られたのかな?

何を、失ってしまったのかな?

1歩でも、あなたに近づけたかな?

つまらない、とてもつまらない、自問自答。

答えなんて、わからないのに。

それでも、私は毎夜、問うのです。

何かを、得たいから。

何も、失いたくなどないから。

あなたに・・・近づきたいから。

小さな、小さな、この願い。

大きな、大きな、この想い。

届くかな・・・?


自身への、問いの答えとは・・・。

私への、願いと。

あなたへの、想いなのです。


18 :小豆 :2007/01/09(火) 23:25:36 ID:xmoJQiPk


「誰かの死を嘆く僕は」


神が僕に永遠という時を与えなかった理由。

それは、自分だけ生き続け、

周りの人間がただ死んでいくのを、見ずにすむようにするため。

人の死にふれる悲しみを、いつまでも味わわなくてすむようにするため。

神様は優しいね。

永遠をくれないでいてくれて、ありがとう。

僕はもう、誰かの死を見るのは嫌だ。

だからもう、誰も死なないで。

僕が死ぬときまで、みんな生きていて。

この願いは、きっと届かない。

そんなこと、できるはずはないのだから。

人の死を受け入れることのできない、弱い僕。

この世界は、そんな僕への、試練なんだ。

見たくないなら、死ねばいいのに。

僕は、生にしがみつく。

誰かの死に、たくさんの涙を流しながら、僕は生きていく。

それはきっと、僕と死のふれあい。

無駄ではないと、信じていたい。

そして、僕が死ぬときは、きっと僕は泣かないだろう。

唯一、人の死に涙をこぼさずにすむのだろう。

僕が死ぬとき初めて、人の死を受け入れられる瞬間が来る。

僕の、嘆きの終わりが、来る。

そのときまで僕は、誰かの死を嘆き続けよう。


19 :小豆 :2007/01/21(日) 12:13:40 ID:ommLQAme


「海の向こう側」


海の向こう側には、何があるのかな?


私がまだ小さかった頃。

きっと、死んじゃったお母さんがいるんだと思ってた。

いつか、帰ってきてくれると思ってた。

だけど……大人になるにつれ、わかってしまった。

どこにも、いないんだって。

死んでしまったら、もう2度と逢えないんだって。


けれど私は、頭が悪いみたい。

わかってたはずなのにね。

死んでしまったら、もう2度と逢えないんだって。

なのに……。

あなたが、海の向こう側にいるんだって、信じてしまう。

願ってしまう。

お母さんと、同じなのに。

私はあの頃から、少しも前に進めてなかった。

繰り返される、現実、哀しみ、虚無、喪失……。


ねぇ、いつかきっと、帰ってきてくれるよね?

海の向こう側から、やって来てくれるよね?

死んでしまったあなたへ届くよう、海に語りかけるの。

泣きながら、語りかけるの。

それでも笑顔で、語りかけるの……。


20 :小豆 :2007/01/25(木) 22:14:14 ID:ncPik7QA


「追いかけた背中」


あなたの背中を追いかけて、追いかけて。

精一杯手をのばし、ふれようとした。

でも・・・届かなかった。

あたしの全部で頑張っても、

届かないところにあなたはいた。

少しずつ、少しずつ遠ざかってゆくその背中。

小さくなってゆくあなたの姿。

どうして置いてゆくの?

あたしは、一生懸命頑張ったよ?

応えてくれない、あなたの背中。

もう、追いかけるのに疲れてしまった。

立ち止まったあたしから、あなたは振り向くことなく去ってゆく。

あなたに、追いつきたい。

だから、前に歩かなくちゃ。

だけど、歩いたとしても、走ったとしても、

追いつけないかもしれない。

それが怖くて、怖くて。

だから、止めてしまった。

その方が、楽だから・・・。

けど、それは後悔に繋がっていた。

あたしは口元に自嘲を浮かべ、ただ立ち尽くす。

あたしは、馬鹿だね。

何もわかっていなかった。

もう、遅いのに。

あなたの姿は、見えなくなってしまったのに。

あたしは独り、立ち尽くす。


21 :小豆 :2007/02/07(水) 19:51:04 ID:ncPik7Q7



「飛べない鳥」


人を信じることをやめた鳥は。

怖くて、大空を羽ばたけなくなった。

あなたの死……。

人の死ほど、重いモノはないと知った。


人は誰しも。

哀しみをその身に背負い。

生きてゆく。

その哀しみは。

誰にぶつければいい?

誰が背負ってくれる?


死を恐れる私は。

飛べない鳥。


誰も、私に近づかないで。

あなたもいつか。

死んでしまうのでしょう?


しがらみに束縛された鳥は。

翼をもぎ取られ。

飛び方を忘れてしまった。


神様。

私に、勇気を下さい。

もう一度、空を飛びたい。

もう一度だけ、人を信じてみたい。

だから、その為のほんのちょっとの勇気と。

最後のチャンスを。

下さい……。


22 :小豆 :2007/03/23(金) 13:08:38 ID:ommLQAme



  「情緒不安定」


 「新着Eメールはありません」の

 表示を見るのが怖くて

 私は携帯電話を開けられないまま

 どれくらい時が経ったのかな

 あなたからのメールは来ないまま

 どれくらい時が経ったのかな


 私たち本当に、終わっちゃったんだね

 それでもあなたのこと好きな私は

 情緒不安定

 まるで幼い子供みたい

 意地を張って

 あなたからの来るはずないメール

 ずっとずっと待ってるの



 付き合ってた頃の

 幸せな日々思い出しては

 私は涙を流すの

 いつまでも思い出に浸っていたいのに

 涙が邪魔をするの


 あなたにはもう

 好きな人がいる

 それでもあなたのこと好きな私は

 情緒不安定

 まるで幼い子供みたい

 いつかあなたが

 戻って来てくれるんじゃないかって

 淡い期待なんか抱いてるの



 それでもあなたのこと好きな私は

 情緒不安定

 まるで幼い子供みたい

 きっとあなたは

 こんな私に嫌気がさしちゃったのね

 私はあなたのこと大好きだけど

 もう遅いんだね


23 :小豆 :2007/04/15(日) 23:19:25 ID:ncPik7Qc


 「死との戯れは……。続く、続く。」


  人の“死”というモノは。

  あやふやで。

  抽象的で。
 
  確かに、そこにあるはずなのに。

  とてもとても、遠い。

  だけど、唐突に理解する。

  それは、大切な人を喪う瞬間に訪れる。

  一種の悟り。

  死とは……。

  惜別であり、

  終焉であり、

  虚無であり、

  嘆きであり、

  安息であり、

  そして……。

  “生”の実感だ。

  だから、だから。

  誰かの死を思い知った人は。

  “生”をも、思い知るんだ。

  だから、だから。

  “死”は、無駄ではないんだ……。


24 :小豆 :2007/05/12(土) 22:22:02 ID:ncPikAsA


 「たとえば」


たとえば君がもう一度、僕の隣で微笑んでくれるのなら。

僕は何を犠牲にしてもいい。

たとえば君がもう一度、僕に涙を見せてくれるのなら。

僕は君が泣き止むまでそばにいよう。

たとえば君がもう一度、僕と共に歩んでくれるのなら。

僕は何があろうと、君のその手を離さない。

たとえば君がもう一度、僕の元に還ってきてくれるのなら。

僕は、僕の命が尽きようとも、君を守り続ける。

たとえば君がもう一度、僕の手に触れることができるのならば。

僕は人をも殺すことができるだろう。



たとえば、たとえば……。

そんな奇跡たちは、起こらない。

君の時間は永遠に凍り。

僕の時間は流れていく。

そんな2人に、たとえばなんて。

たとえば、なんて。


25 :小豆 :2007/09/06(木) 20:57:25 ID:PmQHuDse




  「ことば」


 あなたの言葉の。

 どこまでが本当で、どこからが嘘だったのかな?



 あたしは……。

 すべてがすべて、嘘であって欲しいと思う。



 もし、全部が嘘なら。

 あたしはあなたに騙されたかわいそうな女になって。

 あなたは今も、この世界のどこかで生きている。

 もし、全部が本当なら。

 あたしはあなたを愛したただの女になって。

 あなたはもう、この世に存在しない人になる。



 あなたの、言葉の。

 どこまでが嘘で、どこからが本当だったのかな?



 あたしは……。

 あなたに騙されたかわいそうな女になりたい。

 そうすればあなたは。

 まだ、生きていてくれることになるのだから……。


26 :小豆 :2008/03/18(火) 23:28:09 ID:ncPiWHtG


  「悟」


 くだらない。

 つまらない。

 どうでもいい。

 そんな言葉で、自分を騙して。

 何もかも、捨て去ってしまうくらいなら。

 最初から、何ももたなくていい。

 何も、求めなくていい。


 どうせ、棄てるくらいなら。

 誰かに、あげるといい。

 その価値を知っている、誰かに。

 きっとそれが、その人の手に渡った瞬間。

 眩しいくらいに煌めきだして……。

 惜しくなるから。

 気付くから。

 必要だったんだって。

 失いたくないんだって。

 ……大切なんだって。


27 :小豆 :2008/07/19(土) 21:48:47 ID:PnmLzLYA

はらり



はらり、はらり。


こぼれ落ちるは哀愁か。

はたまた、裏切りか。



こぼれ落ちるは想い。

君への冷めぬ想い。


指の間からすり抜けて。



はらり、はらり。



ほら、またひとつ。


28 :小豆 :2008/09/23(火) 18:21:43 ID:m3knrDrk

目を、背けられない


あの日に戻れるならば、どんなにかいいだろう



もう、後戻りなんてできない

私は、歩きすぎてしまった

背後の伸びる道は、永く遠い

そこに群がる屍に、私は目を背けられない



あの日に……

道を違えたあの日に、戻れるならば

どんなにかいいだろう……


29 :小豆 :2008/12/20(土) 10:08:51 ID:WmknrckH

ひとり(あそ)



 掛け間違えたボタンは

 すれ違いの証

 端から見れば滑稽なのに

 自分では気づかない



 届かない手紙に

 さよならさえ言えないまま

 月の光に太陽を探し

 海の底で空の青を想う



 栞を挟んだままのエッセイ

 ハッピーエンドは望めないから

 ガラスの破片の真ん中で

 壊れた砂時計だけを愛して


30 :小豆 :2009/02/27(金) 21:10:13 ID:ncPiWAVi

(いた)

窓から差し込む西日
一定の間隔で続く電子音
穏やかな君の呼吸
わずかに震える僕の両手

鳴り響くは銃声
純白の上に広がる深紅
すべての中心は、君
浮かべられた笑顔には
様々な感情が滲んでいた

夢か現か幻か
寝ても醒めても瞼の裏に
あの日の君が離れない

僕の脳裏に灼きつけられた
君の笑顔は心を焦がす
身を裂くような傷みとともに
どうか君を思い出させて


31 :小豆 :2009/11/21(土) 20:35:22 ID:xmoJmmncQi

君の声を聞きたかった



 嘘だと目をそらすことも

 信じたくないと逃げることも

 今はもう、手遅れでしかなくて



 気付かないほどに

 待ち受けていたリアル

 それを受け入れるには

 僕はあまりにも不器用すぎた



 君の温もりは

 こんなにも近くに感じるのに

 君の声はもう

 聞こえない



 ただ、君の声が聞きたかった

 それだけを思っていたのに



 どうかお願い

 もう一度だけ……

 もう一度だけでいいから




 「僕の名前を呼んでよ」




 それだけが僕の望み

 残したかった、最後の想い出


32 :小豆 :2009/12/23(水) 23:03:56 ID:xmoJmmncQi

純愛狂想曲


「生まれてこなければよかった」
なんて、言わないで
それを言うなら
「出会わなければよかった」
の間違いでしょう?

自分だけ被害者ぶるのなんてやめてよね
痛いのは私だって同じなんだから

……だから一緒に堕ちようって言ったじゃない?

自分だけラクになって
自分だけ、先にいっちゃうんだ?
そんなのズルイわ
私はまだここから動かずに
動けずに、いるのに
アナタはあっさり
逃げることができるのね?

だったらいっそのこと
私を孤独にしてよ
(……独りにしないでよ)

ああ、なんて矛盾した純情
責任とって殺しにきてよね
私を狂わせたのはアナタなんだから



今更フツーに生きられるとでも思った?
フツーに死ねるとでも思った?
勘違いはやめてよね
苦しんで、妬んで
苛まれて、悔やんで

それでも、しがみついていたかったのに

私がアナタの後を追わないとでも思った?
ばっかじゃないの?
あなたと出逢ったあの日から
私はもう、屍も同然

サヨナラくらい言ったらどうなの?
“ずっとそばにいる”って
言ってみたらどうなの?

ああ、なんて矛盾した恋心
責任とってよね?
私を壊したのはアナタのエゴイズム



淋しいと素直に言えないのは
アナタがここにいないからよ


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甘辛流小説家ギルドGAIA
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