プロローグ
眼球。
明暗、形状を認識する感覚器官。
光受容器。
最初から完全な状態で作られていなければ目は目たりえない。
これは誰が言った言葉だろうか?
かの『種の起源』の著者であるチャールズ・ダーウィンは眼球を「自論の欠点」と記していた。
複雑にして単純な仕組み。
目。
世界を共通認識におくために必要な器官。
しかし、今私が見ている光景は、認識している出来事は真実なのだろうか?
私と貴方が見ている世界は同一なのだろうか?
私と貴方が認識している世界は同一なのだろうか?
見ると言う行為によって認識し、情報として脳が捉え再現する。
其れによって頭の中に無数の世界が存在する。
その一つ一つが真実で、
その一つ一つが偽りで、
その一つ一つが願望で、
悲観で、
未来で、
過去で、
現在である。
では、今見ているのは、一体何なのだろうか?