☆第6回!!GAIAクリスマス企画☆


1 :月見人 :2009/12/24(木) 01:36:44 ID:xmoJk3We

はろーはろーこんばんは、みなさま元気に12月のあれやこれやを満喫していらっしゃいますでしょうか。
企画発案者ありかさんに代わりまして、月見人がお邪魔致します。

日も変わりまして12月24日、今夜はクリスマスイブ。
GAIA小説ラウンジ発『☆第6回!!GAIAクリスマス企画☆』の作品投稿場として、この場をお借りしたいと思います。

企画内容を簡単に説明するならば、子ども役が出したお題をサンタ役が小説・詩にして、クリスマスプレゼントという形で子ども役に贈るというものです。
詳細は小説ラウンジ内の該当トピックをご覧下さい。

作品の投稿期間は、まあクリスマスの企画なので、クリスマス当日の前後が理想になるでしょうが、投稿が遅れるのはまったく問題ありません。この時期って忙しい方多いですし。私もちょい遅れそうだったりします。
プレゼントが桜が咲く頃に届いたって嬉しいものは嬉しいのです。
そんな訳で。もうイブだし今から参加するんじゃ遅いかな? と心配する必要はありません。ここを発見し興味を持ったならば、トピックへお題を出しに行くも良し、飛び入り参加で小説を投稿するも良しです。

また、企画に参加されない方々も、投稿される作品をどうぞお楽しみ下さいませ。

それでは、GAIAの皆様が素敵なクリスマスを過ごされますように。
メリークリスマス☆ミ

GAIA小説ラウンジ『☆第6回!!GAIAクリスマス企画☆』トピック
http://gaia.colun.net/nLounge/200911/09110001.html

(ついでに去年はこんな感じでした)
☆第5回!GAIAクリスマス企画☆
http://novel.colun.net/sixsix-66/


2 :三日月にゃんこ :2009/12/24(木) 18:08:30 ID:P3x7YkoJWi

無題 (まだ続きます)

私は暗闇で横たわったまま手をのばした。
窓からのわずかな月明かりで見える手は、自分でも分かる程に白くて細くて小さい。
そのままシーツをぎゅっと掴むと、私はやっと自分が震えていたんだと気が付く。
泣きそうになる。 でも泣いちゃいけないと自分でも分かっていた。
それは、弱さを見せたく無いとか、バカみたいだからなんていう陳腐な理由じゃない。そんな事だったら、私はとっくの昔に大声をあげて泣きじゃくっているだろう。
私が泣けない理由。
それは、仕事に支障が出るからだ。
彼から仕事に出る合図が掛かるまでそう何分もないだろう。

彼が積んだ荷物を世界中に運ぶ。それが私の仕事だから。


3 :一夜(ありか) :2009/12/24(木) 20:07:19 ID:scVcxGnJse

わたしのお父さん


「わたしのお父さん      3年2組  津田れいな
 わたしのお父さんのお仕事はサンタクロースです。みんなが知っている、あの、12月24日の夜になると、世界中をトナカイがひくそりに乗って、良いこのところにプレゼントを配っているサンタさんのことです。
 お父さんに聞いてみると、正確にはこっかとくべつこーむいんサンタクロースという難しくて長い名前が付いています。あんまりにも長いので、世界中では短くサンタさんと呼ばれています。
 お父さんのお仕事は、こどもたちにプレゼントを配るだけではありません。普段は世界中のこどもたちを日夜観察して、良いこと悪いこをチェックします。そして、その子のほしい物を調べて、工場にある特別な機械で作って、ほかのサンタさんたちと一緒にきれいな紙でつつみます。
 毎年、お父さんは12月になると帰ってくるのが遅くなります。それは、サンタさんのお仕事がとっても忙しくなるからだそうです。わたしが寝ているときに、お父さんはお仕事につかれていながら、帰ってきます。顔が真っ赤なのは、サンタさんの赤いおけしょうかなって思いました。
 本当はお父さんは、お父さんがサンタクロースということは内緒だよって言っていました。けれど、わたしはお父さんのお仕事はとってもすごいなあと思います。だからみんなにも知ってほしいと思って、今日は書きました。お父さんは、なかなか忙しくてお家に帰ってこられないけれど、わたしはだいじょうぶです。だって、お父さんはサンタクロースだからです。わたしも、大きくなったらお父さんのようなサンタになりたいです。」

 教室中が静まり返った。
 俺は、こんなにも居心地の悪い教室は初めてだった。
 今日は小学3年生の娘の父親参観日だ。普通は、体を大きく使った、父親とならではの教科をやるものだと思っていた。
 しかし、本日の授業内容は『国語』。そして黒板には大きく今日の授業内容であり、作文のテーマでもある言葉が書かれている。

『わたしの ぼくの お父さん』

 どうやら前の時間に書いたと思われる作文を、出席番号順に呼んでいくという流れらしい。津田れいな、俺の娘の順番になると、れいなは他の子供たちと同様に大きな声で「わたしのお父さん」と題名を読んだ。
 ここまでは良かった。良かったんだ。
 その次の言葉がくるまでは……

 愛娘、れいなが読んでいる間も、他のお父さん方の視線が痛い。知り合いが多いこのクラスの父親軍団。誰の娘かはすぐに判明してしまった。

 思い出すのは去年のクリスマスイヴの夜。

 しっかりと寝静まったはずのれいなの枕元に、彼女が欲しがっていたアニメのキャラクターが付いているおもちゃをそっと置こうとした。
 布団はしっかりと膨らんでいて、そこで誰かが寝ていることは確かだった。
 しかし。
「おとーさん、それプレゼント?」
 れいなは俺の後ろに立っていた。しかも、寝ぼけてとかではなく、しっかり覚醒した状態で。
「おおおおおおおおおおお!!!!なんでそこに!!!???」
 俺は布団をめくると、そこにいたのは娘でもなんでもなく、本来ならば自室で俺の帰りを待っているはずである妻だった。
「な、なんでここに」
「わたしが一緒に寝てってお願いしたの」
 れいなは普通に答えた。そして、とてとてとベッドに駆け寄り、俺がおいたばかりのプレゼントを持ち上げる。
 プレゼントだけなら、「お父さんから、サンタさんとは別にプレゼント〜とごまかせたが、そこにはしっかりと『サンタさんより よいこのれいなちゃんへ』というカードが貼り付けてある。
「おとーさんがサンタさんだったの?」
 当然こうなる。
 彼女は今年で8歳。すでにサンタの正体を知ってもいい年齢かもしれない。いつまでも純粋で素直なのもかわいいものだが……
 俺は一大決心をした。
 人生、いつかは訪れるイベントだ。そう……サンタの謎の解明。
 他のヤツに奪われるぐらいなら、俺がそれを果たしてやろうではないか。
 そう決心して、俺は優しくれいなの肩を持つと、
「そうだよ。実はお父さんがサンタだったんだ」
「えっ……」
 驚いたように見開かれるれいなの瞳。もしかして、ショックを受けたのかもしれない。これは、明日の朝に妻に泣きつかれるかも。そうなって怒られるのは、当然俺。
「あ……で、でもな。これは内緒だぞ。お父さんが言ったって内緒な?れいなは内緒に出来るもんな」
 急いでそういうと、れいなは笑顔でうなずいた。
「うん!!実はお父さんがサンタさんって内緒」
「そうだ!!さすが俺の子。賢いぞ」
「れいな、いいこ?」
「いいこだぁ〜」

 そして、今日に至る。
 あの時、俺は確かに言った。
『実はお父さんがサンタクロース』
 どうしてこうなったのだろうか?
 俺は、軽く引きつった笑顔で読み終えた娘を見る。
 すると、今日のためにいつもよりも少しだけかわいい服をしたれいなが、恥ずかしそうに、けれどとってもかわいい笑顔で俺のほうに手を振った。

 ま、いっか。

                            おわり 

 月見人さんへ ありかサンタより お題「わたしサンタになる」より
 GAIAの皆様へも心をこめて、メリークリスマス!!!


4 :仔空 :2009/12/24(木) 21:41:04 ID:m3knV4QeYL

サンタなんて大っ嫌い!


「…あ、雪……。」
 窓の外のそれを見て、今年はホワイトクリスマスかぁなんて思う。
「なぁに〜?仙崎ぃ、俺んこと呼んだ?」
「今日も寒くなるんだろーなぁ…。」
「え、無視?」
 あたしの隣でさっきからうるさいのは小日向幸太。
 コウタじゃなくて、ユキタと読む。呼びにくい名だけど、本人は気に入っているらしい。
「なぁなぁ仙崎ぃ!」
「うっさい!何。呼んでないし。雪降ってきたってだけ!」
「あぁ、もうそんな時期?お。明日クリスマスじゃん。」
「そうだよ。まぁ彼女いない幸太くんは、どぉせ暇でしょ?」
「はぃ?うっせーな。お前だって彼氏いねぇじゃん。なんならどぉ?サンタさんに頼んでみたらぁ?」
 む、ムカつく!!
 そのまま返してやろうかと思っていたところに、あたしたちの元へもう一人男子生徒が来た。
「そこは、‘俺なんてどう?’とかいうもんじゃねぇの。ユキ。ったく、お前ら悲しすぎなんだよ。」
 いきなり話に入ってきたのは東条未来。学校中の女の子に「みらいく〜ん♪」なんて呼ばれる学校1のモテ男…らしい。親友の香織が言うから間違いないと思うけど、あたしは信じられない。
「第一あまりもん同士ってだけでも悲しいのに、それでいがみ合うとか悲しい通り越してイタい。」
「黙んなさい、自称イケメン。しかも、あまりもんとはなんだ!」
「そうだ!!真の姿はただのナンパ男のくせに。」
 こういうときのあたしと幸太の団結力なめんなよ。
「おい、人を勝手にナルシスト呼ばわりすんな、トーカ。それと、ユキ。お前今度ナンパ教えろつったろーが。んなもん教えるよーなことじゃねぇだろ。しかも俺そんなナンパばっかしてねぇし。」
 逆ナンはあるけど?ってか!?
 うー……あたしたちは、未来に口で勝てたことがない。
「ま、せいぜい楽しークリスマスになるといいな?がんばれよっ。」
 言いたいことだけ言って未来は教室を出て行った。ふん。お前だってバイト通いじゃんか。
「あいつ俺らの事、馬鹿にしてるぜ。」
「うん。」
 幸太の言うとおりだ。未来の奴め!
「あのさぁ、仙崎ぃ。」
 唐突に幸太があたしに言った。
「何?」
「……俺なんてどう?」
「未来の言葉真に受けちゃった?」
 あたしは笑って答えた。
「…ははっ、まーね?でも、お前ならそう言うと思った!」
「でしょ?」
 結局、あたしたちの間はこんなもん。

 いつからだろう。幸太があたしのこと「仙崎」って呼ぶようになったの。昔は未来と一緒。トーカって呼んでくれたのに。
 なんか、あたしだけ幸太って言っててみじめな気がするんだけど?なんでだろう。
 仙崎透佳。今年も1人ぼっちのクリスマスになりそうです……。

 結局あたしは幸太と駅まで一緒に帰って、その後まっすぐ自宅のあるマンションに帰った。

 家についてみて、なんか違和感。
 ……なんでこんな暖かいんだろう…誰か、居るの……?

「おかあさーん?」



「あ、どうもー。」

 部屋で暖まっていたのは、赤い帽子に全身真っ赤な服を着た男の人。

「誰……?」

「誰って、この服見たら答えは1つだろー。サンタですー♪」
 嘘くさ!
「不法侵入者!」
「じゃあサンタはみんな捕まるのかよー。」
 その人(自称サンタ)は帽子を脱ぎ、頭をカシカシとかいた。帽子の中は猫っ毛な緑色の少し長めの髪。本格的なクリスマスカラーだね。
「今、オイラの頭見てクリスマスカラーとか思っただろー。失礼だねー。」
「勝手に心読まないでよ。」
「…あ、まじでそう思ってたんだー……。」
 床に指をついてぐりぐりしだした。何このノリ。幸太より数倍ウザい。

「あたしさ、サンタクロースって大嫌いなんだ。」

 あたしの言葉にサンタはぐりぐりを続ける。
「出てって。ここから。」
「いやぁ、それがトナカイがさー、迷子になっちゃってぇー。」
「は……?」
「……帰れないんだー、オイラ。」
「そのオイラってやめて。ウザい。あんたいくつなの?」
「サンタに歳聞くなんて夢のないガキだねー。」
「そんなに変わんないでしょ?」
 どうがんばってもあたしより5歳ぐらい年上?下手したら年下に見えなくもない。

「316ー。」

「何?番地?」
「オイラの歳ー。」
「は?」
「オイラ、これでも316歳だからねー。まあ童顔だから、若く見えるのかもー。」
 童顔にも程があるでしょ!!
 あたしより300歳も年上なの!?
「まぁ。まだまだ見習いでー。若い方なんだよー。」
 サンタって怖ぇ……。

「それで、なんでサンタが嫌いなんだってー?」
「嫌いじゃなくて、大嫌――――。」
 い、って言えなかった。
 ケータイが鳴ったから。

 ――――「自称イケメン・未来」

 着信は未来からだった。
「もしもし?」
「透佳!今、どこ!?」
 なんか嫌な気がした。未来が「透佳」だなんて。何。いつも見たいに「トーカ」って言えばいいじゃん。
 マンションの外、遠くで救急車の音が聞こえた。
「……どこって、家だけど?」
「んじゃ今から県立病院来てくれ!馬鹿が、…ユキが!!事故にあって意識不明の重症らしいんだよ!」
「ゆ、きた…が……?」
「いいから、県立病院だ!詳しい話は着いてからする!!」
 それだけ言われてケータイは一方的に切れた。

「…顔色、悪いよー。」
 悪い?顔色?
 手が震える。ケータイが床に落ちた。
「県立病院。………行かなくちゃ…。」
「いやぁその顔色だと近所のお医者でもじゅうぶ……――――どうかしたのー?」
「……あんた、サンタだよね?」
 サンタは、ただうなずいた。
「幸太が……事故に……助け……てっ!」
 かすれて声が出ない。
「県立病院って遠いのー?」
「車で30分かかる。今日は雪が降ってるから40分くらいかかるかも……。」
 あたしの言葉を聞いたサンタは立ち上がって伸びをした。

「10分で行こーかー。」

 は?何言ってんの?

「もしかして、空飛ぶソリで?それだったら10分かかんないかも!!」
 あたしの言葉にサンタは答える。
「何言ってんのー。ソリが空飛ぶわけないじゃんー。」
「……じゃあサンタは何で来るのよ。さっきトナカイがどうとか言ってたじゃない!」
「馬車で来ますけどー、何かぁ?」
 …馬車?
「あ、馬じゃないからトナカイ車かもねー。」
 なんだ、それ。つかそんなこと今はどうでもいい!
「何でもいいから!早く県立病院行きたいの!」
 10分で行けるなら何でもいい。早く幸太のとこ、行けるなら。
「じゃ、チャリンコ用意しなさーい。」
「はぃ?」
 チャリ?



「これしかないって。管理人さんから借りてきた。」
 借りてきたのはママチャリ。こんなので10分で着くの?
「上等ー。んじゃ、後ろ乗ってー?」
「はぁ。」
 もうサンタなんて信じられない。なんだ、こいつ。
「病院はどこら辺ー?」
「向こうに白い建物見えるでしょ?大きいの。そこ。」
「あー、大きなツリーがあったとこだねー?」
「うん。」
 県立病院の前には大きなイルミネーションツリーがある。病気で外に出れない人もクリスマスを楽しめるようにって県の偉い人が作ったんだって。ま、理由の一つには町の活性化を目指してるのもあるんだろうけど。
「んじゃ、まっすぐ斜め左ってとこかなー。」
「ここら辺、道入り組んでるし、信号もあるから時間かかるんだ。」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。」
 そう言って、ママチャリにまたがったサンタはいきなり歌いだした。
 有名なクリスマスソング。
 ちょっと音痴だ。

 ママチャリはガタン、と一歩踏み出すように進みだした。
 雪の上なのにすいすい動く。
 ちょ、目の前壁!!
「ちょっと!ぶつかるって!!」
 あたしを無視して歌い続けるサンタ。

 壁の中に入っていくママチャリ。はい?

 え、何!?何これ!?
 何事もなく、ママチャリは壁に吸い込まれるように進む。
 
 壁の中は真っ暗だった。ママチャリのライトだけが前を照らす。でもその向こうには何にもない。なんだろう、これ。変な感じ。

「ねー、さっきのさー。続き、聞いていいー?」
 
 サンタがあたしに話を振ってきた。どうやらクリスマスソングを一曲歌い終わったらしい。
「さっきの?」
「そー。サンタが大嫌いな理由ー。」
「あー、あれ。」

 なんでだろう。幸太が事故にあったって。あたし、あんなに焦ってたのに。手も声も震えて動けなかったのに。
 サンタの背中に頭をくっつけてみた。あったかい。伊達に300年生きてないんだなぁって思った。

 お父さん……。

「お父さんが、……居なくなったの。」
「……。」
「クリスマスの日に。愛人の人と駆け落ちしちゃった。……お母さんは笑ってたけど、絶対悲しかったと思う。あたしは誰も責めること出来なくて……だって、お父さんのこと憎めなかったから……嫌いになりきれなかった。だからサンタさんのせいにしちゃった。……もう10年も前の話だけど。」

 ――――サンタさんがお父さんを持って行っちゃったんだ。
 ――――サンタさんはプレゼントなんかくれない。
 ――――あたしからお父さんをとっていくの。
 ――――だから嫌い。お父さんをとったサンタ。お母さんを傷つけたサンタ。
 ――――サンタクロースなんて大嫌い。

「………そっかー。オイラのことも嫌いー?」
 きら……い。
「……。」
 声に出して言えなかった。
 言いたくなかった。

 傷つけることが怖かった。

「まあ、いいけどさー。これ。」
 サンタがポケットから何か出した。
「……お守り?」
「…効くかは分かんないけど……プレゼントー。明日はクリスマスだしー。オイラはサンタさんだしー。」
「……。」
「16歳の仙崎透佳ちゃんにー。透佳ちゃんは、小日向幸太くんにプレゼントしてねー。」
「……何を?」

「信じることー。」

 信じる……?

「彼がちゃんと目を覚ますようにって信じることー。…わかったー?」

 サンタなんて嫌い。
 でもあたしは大嫌いなこいつの言葉にうなづく。

「……うん。」



 病院に着いた。
 長い時間暗闇の中に居た気がしたけど本当に10分で着いてた。

「じゃあオイラはこれでー。早く行きなー。」
「うん。」

 あたしは病院の方へ足を向けた。
 あ。そうだ。

「ねえ……。……本当は、お父さんが居なくなったのとサンタ…関係ないって分かってたよ。」
 振り返ってサンタが居ることを確認した。
「うん。――よい、クリスマスをー!」
 そう言って、サンタはママチャリにまたがった。
 そしてまた、へたくそなクリスマスソングを歌う。
 あたしはそれを最後まで聞かずに急いで病院の中に入った。

 病院であたりを見渡すと、すぐに未来を見つけることが出来た。

「透佳!早かったじゃん。お前んちから40分はかかるって思ってたんだぜ。」
「サンタが…送ってくれた。ママチャリで。」
「…ショックでテンパってんだな。わかった。とりあえず落ちつけ。俺がついた時、ちょうど手術が終わったんだ。でも…あいつ…起きなくて…。麻酔のせいもあるって医者は言ってんだけど、もしかしたらこのまま植物人間ってこともあり得るって……。」
「……そんな……。あ!これ、お守り!」
「ん?お前……これ……安産祈願じゃねぇかよ。」
「は?」
 あたしはお守りを見た。さっきは暗くて見えなかったけど……確かに「安産祈願」って文字が。

 ――――「効くかは分かんないけどー。」

 サンタめ!

「とりあえず、病室には入れるから。後は祈るしかねぇんだ。」
「うん。」

 ――――「信じることー。」

 サンタの言葉が頭から離れなかった。



 病室に入ったあたしたちは、ずっと幸太のそばにいた。
 4時間もすると未来はうとうとし始めて。静かで暖かい病院の中。きっと未来はバイトで疲れてるんだ。
「未来……寝ててもいーよ。」
「あ?んなわけにいかねぇだろ。大丈夫だよ。」
「バイト…してたんでしょ?走ってきたんじゃない?」
 病院に着いた時、未来の肩は濡れてた。雪が降ってる中、走ってきたんだ。
「親友の一大事だろ。つかタクシー代ねぇし。」
 未来はケータイのストラップをいじりながら言った。
 その指先を見ながら、あたしは思ったことを口に出していた。なんかそうしてたら、いつの間にか幸太があたしたちの会話に入ってくるんじゃないかって思った。
「ねぇ未来。……幸太、未来の言葉真に受けてたよ。」
「は?」
「俺なんてどう?だって。……あたし、笑っちゃった。」
「……。」
「でも……なんだろう。…ちゃんと答えればよかった。」
「トーカ…。」

「あたし……きっと幸太のこと好きなんだ。」

「ばーか。俺に言ってんじゃねぇよ。こいつに言え。…絶対ぇすぐに目、覚ますから。その安産祈願のお守りしっかり持ってろよ。」
 そう言うと、未来は立ち上がって病室の出口に向かった。
「わりぃけど、ちょっと出るわ。…バイト急に出てきたし、店長からめっちゃメールきてるし。」
「うん。わかった。」
 未来はちょっとほほ笑んで病室を出た。





「ばーか……手間かけさせやがって……。」
 東条未来は病室のドアに背を預け、ゆっくりと座り込んだ。





 ……あれ?
「グッモーニーング♪」
 ……え?
「モーニングじゃねぇけどな。」
 ……は?
「そしてー?メリークリスマスー☆」
 ちょっとまて。
「サンタぁ!?」
「開口一番それかよ!俺、目覚めたんですけど!?俺に対する言葉は!?」
 なんで?あたしの目の前には元気いっぱいの幸太。頭に包帯、足をつっている姿。頬に絆創膏がついていて怪我人!って感じだけど、テンションはいつものそれ。超高い。
 そして太陽も超高い位置に。もうお昼なんだ。
 って、それよりも!
「…幸太っ……元気?」
「おう!トーカが安産祈願のお守り持っててくれたおかげで?」
「今にも産まれそうだったんだよな?ユキ。」
「いやー、ごめんねー。ひ孫の出産用に買ったやつー、たまたま持っててー。とりあえずお守りだからー。」
「って、なんであんたが居んの!?」
 あたしはサンタを指さした。そう、昨日のサンタ。ママチャリサンタ。
「だって、心配じゃーん。ま、幸太くんは、もー元気みたいだしー?オイラはそろそろ行こうかなーなんてー。」
 そして、サンタは窓の方へ向かうと、コンコンと2回窓をたたいた。
「じゃー、オイラはこれでー!メリークリスマース!!」
 そう言ったと同時に窓に馬車が現れた。いや、違う。

「…トナカイ車…。」

 あたしたちは手を振っているサンタを茫然と見送った。

「ま、いいクリスマスになったし。馬鹿ももう大丈夫みたいだし……俺、バイト行くわ……。」
 そう言った未来は悲しさオーラで、いっぱいだった。
「馬鹿ってなんだよ!しかも、バイト!?クリスマスも!?」
「そーだよ。俺だって行きたくねぇけど、バイト先はカップル多いんで。あいてるのは俺ぐらいなんだよ。くそ、マジむかつく。」
「ドンマイ!帰ってきたらみんなでケーキ食べよう!未来の分もとっとくから!」
「あったり前だろ。あ、板チョコんとこ俺が食うから。」
 そう言って未来はあたしたちに背を向けた。
 っと、その時にあたしの耳元にそっと口を寄せて言った。


「……帰ってきたとき、変なことしてたら気まずい空気になるからな。」


 なっ!?

「馬鹿未来、さっさとバイト行け!!」
 やっぱり、あいつの口には勝てない。

「なー、何言われたんだよ?まさか、愛の告白っ!?」
「なんでだよ。でもホント、後遺症とか残ってなくてよかった。」
「ま、雪道で車もゆっくり走ってた方だったし。」
「なんで、事故にあったの?まさか飛び出した?」
「まさか、小学生じゃないんだからさー。…ま、似たようなもんだけど。」
「何したの?」
「…犬がー、道路に出て行ったからぁ。」
「それ助けるために?」
「おう。だってイヴにひかれるなんてめちゃくちゃかわいそうじゃん!無事だとしても気の毒すぎる!」
 犬に対して気の毒って……。
 まぁ、でも。
「ま、そんな思いやりのあるとこが好きなんだけどね。」
「へ?」
「……。」
 しまった。つい口から出た。
「トーカ。もう一回。」
「はっ!?聞こえてたでしょ!?」
「いーやぁ?だから、もう一回。」
「……うー……。」
 もう一回だけだよ。そのあとちゃんと答え聞くからね!

「……幸太のこと、好き。」

「俺も。トーカんこと好き。すっげぇ好き。」

 なんだ…ちゃんと答えてくれたじゃん。
 そして、そのまま、あたしたちはキスをした。


 その時、夢中になってたわけじゃないけど、ドアの開く音に素早く反応出来なかった。
「やっべ、ケータイ忘れ――。」
 ごめん、未来。こんな早く帰ってくるとは思わなかった。



 クリスマスイヴに出会った緑色の髪をしたサンタさん。
 今年あなたに会ったから。

 …サンタクロースが少しだけ好きになりました。

「…ったく、あんだけ気まずい空気は作るなっつっただろ。向かいのおばさん笑ってたじゃねぇか。」
「だって、あんな早くに帰ってくるとは…。」
「ケータイはお前の命だろ。肩身離さずもっとけよ。」
「反省の色なしか!」
「ほらほら、クリスマスの板チョコ。未来くんの分ですよー。」
「……なんかこれ割れてね?」
「…うぐっ、……気のせいじゃね?」
「てめ、ユキ!先食ったな!?」
「い、いや。トーカも食った。」
「も?トーカ‘も’?」
「ばっ、幸太っ!チクるな!!」

「はいはーい。病院では静かにしましょうねー?」

 えっと……。

「なんで戻ってきたの?」
「……トナカイとはぐれてー。最近あいつら反抗期なんだよねー。もう50年の付き合いなのにー。」
「ただ懐かれてないだけじゃねーか。」
「未来、サンタさんに当たるなって。」
「そーだよー。未来くんひっどーい。」
 316歳に言われて未来の顔はひきつった。女の子だったら喜んだかもね。
「あ、これ嫌いなのー?」
「は?」
 静かに見守ってたあたしにいきなり聞いてきたサンタ。
「んじゃー、食べてあげるねー。」
「はっ!?」
 最後に残しておいたイチゴ!!
 真っ赤なそれがサンタの口に入った。
「ちょ、っと!?」
「あーあ。俺知らねぇからな。」
 そう言った未来はケータイを開いた。
「…あ、これ。おばさんも食べます?すみません、あまりものみたいになっちゃって。」
「あら、わたしもいただいていいのかい?やさしいねぇ。」
 幸太は向かいのおばさんにケーキの話をして逃げた。

「サンタさーん…?」
「……メリークリスマスー……♪」

 絶対許さん!食べ物の恨みは怖いんだからね!
 やっぱりサンタなんて嫌いだー!


 《月見人さんへ
 仔空サンタより》

 最後までありがとうございました!☆メリークリスマス☆


5 :熱風回流 :2009/12/24(木) 23:29:11 ID:onQHxJz3uF

馬鹿の独り言

「クリスマスなんて面白くも無いものだ。」

そう私は呟いた。

私はクリスマスは嫌いだった。
何が誰かさんが生まれた日を祝うことをしなきゃけないんだ、と。

今は、テレビでも雑誌でもネットでもクリスマスの話題で持ちきりである。
お前らがクリスマスで重要なのは、イブだろ?
クリスマス・イブまで騒ぎに騒いで、当日になったら来年の話だろうが。
親の友達の外国人が本当に不思議がっていたぞ。
クリスマス当日はクリスマスの話題より新春の話題のほうが多いって。
揃いも揃って馬鹿ばっかり。
おめでたいやつらだ。

サンタなんているわけ無いじゃないか。
そりで空を飛ぶなんて夢物語もいい加減にしてくれよ。
どうせ、親が子供に見つからないように買ったおもちゃがプレゼントなんだろ?
それか、子供が親にねだってプレゼントを買ってもらうのが大体なんだよ。
ばーかばーか。

ドラマとかで告白とかしている最中に雪が降ってきて「ホワイトクリスマスだね」とか言うのなんて、聞き飽きたわ。
ビバークでもして、その中で告白でもしてろよ。
つまらん。

こんだけふざけたことを抜かしている私だが、クリスマスが面白い日なんて思ったことは無かった。
むしろ、周りが五月蝿いだけの普通の一日だったよ。
リア充とかでしゃばらないで欲しい。
どんな方法でぼこぼこにしてやろうか考えてしまうから。

そんなクリスマスの日に文才の無い私が小説なんて書くのも、クリスマスへのあてつけかもな。
精神系の薬を飲みながら、小説を書く。

そんな日があってもいいよな。


6 :月見人 :2009/12/25(金) 00:02:01 ID:nmz3rmz7uF

ばかは願う

 雪の積もった街路を行く俺の手には、雪のように真っ白な紙袋がぶら下がっている。幅は三十センチ強、高さは四、五十センチくらいの、そう小さくはない袋だ。中身は何かというと、クリスマスツリーの飾りが入っている。当たり前だ。今夜はクリスマスイブであり、俺はこれから、知り合いの家で開かれるクリスマスパーティの準備を手伝わされに行くところなのだから。
 ただ、何が笑いどころかっていうと。そのクリスマスツリー用の飾りが、どうみても七夕の飾りにしか見えないということだった。

「へえ、松井君のお姉さんがねぇ」
 一頻り俺を馬鹿扱いした後、季節外れの飾りの出所を聞いた恵美(めぐみ)は平然と言い放った。厚手の茶色いコートに赤いチェックのミニスカートという、温かいのか寒いのかよく分からない格好で隣を歩く細身の女。この際一発小突いてやろうと目をやって、思わずぶるりと身体が震える。緑がかった黒のタイツを穿いているから、見た目程下半身は冷えないのかも知れないが、タイツの暖かさなど分からない男の俺には、やはりその服装は寒そうに見えるのだ。普段の無駄に元気な気性と陸上部で鳴らした健脚からして風邪の心配などは無用だろうが、色々な意味で、俺の目にその姿は毒なのであった。
「でも、あたしも分からなくはないなぁ、そーゆー気持ち。だって今年の七夕、どこもすっごい大雨だったじゃない。あの全国的どんより感はちょっと嫌だったわ。だからクリスマスで一緒に盛大に、っていうのも、悪くはないんじゃないかな」
「お前、それはさっきの発言を取り消してから言って貰おうか」
(シュウ)がお馬鹿さんなことに取り消しは要らないわよ」
 短く切り揃えられた黒髪をさっとかき分ける。説教じみたことを言う直前、こいつは必ず髪を弄る。というか、何かを頭の中で整理している時、手持ち無沙汰になった手が行き場を頭上に求めるのだ。
「あんたはね、もう少し柔軟な発想を持った方がいいわ。面白い試みじゃない、クリスマスに七夕混ぜるなんて。さっきのあんたの物言いじゃ、嫌々持ってきたとしか思えない」
「いや、実際嫌々持ってきたんだよ。ちゃんと飾らないとねーちゃんに呪いかけられるとか言われたんだぜ俺は」
 その姉に纏わる数々の逸話を聞くに、どうも従った方がいいだろうと持って来はしたものの、どうしたって乗らない気は乗らないのだ。
「つーか、そのリュウとも前に話したけどさ、なんだよクリスマスって。何の日だよクリスマス。七夕飾りのクリスマスってホントもう何なんだそりゃ」
 そもそもに目的を見失いがちなクリスマスを、さらにあらぬ方向へ昇華させようというのだ。気が狂っていると言われても仕方がない。
「何って、それは」
 恵美は心底呆れた風に肩を竦ませ、
「一年最後の、とっても楽しいイベントでしょ」
 クリスマスツリーに短冊だの提灯だのを飾るという邪道極まる蛮行を、楽しいの一言で片付けてきた。要するに、楽しければなんでもいいのだこの女。柔軟すぎるのも考え物である。
「……まったく。別にいいけどさ、持ってったって飾らせてくれるとは限らないだろ。いや飾らせねぇよ常識的に」
「光永君ちなら大丈夫よ。だいたい、そんなつまんないコト言い張るのはあんたくらいよ、今日集まるメンバーじゃ」
「…………」
 確かに、クリスマスに思い入れのありそうな殊勝な顔は、一つとして思い浮かばなかった。いや、俺だって別に思い入れなんてないんだが。
「変な顔してないでしゃきっと歩きなさい。転んでも知らないわよ」
「人の地顔にケチつけんな。転びもしねぇ。ったくさ、こんだけ雪が積もってる道で誰が転――」
 ぐらり、と重心が急変する。軸足が前に滑って踏ん張りが効かなくなり、上半身に掛かる重力がそのまま地面へと身体を引っ張ってくる。もう片方の足で支えていなければ――それは完全に無意識の動作ではあったが――、俺は雪路に尻餅をついていただろう。
「あ、ぶ、な……」
 余程おかしな靴でも履いていない限り、雪の上で滑って転びそうになるなど有り得ない。まったく予想外の出来事に、何が起こったかすぐには分からない。動悸と冷や汗に苛まれながら、足下をよく見てみる。雪が一直線に削れているのは、俺が今滑った跡だろう。その削れた雪の合間には、てらてらと光る黒い地面――いや、マンホールの蓋があった。光っているのは、反射された日光。蓋が水で濡れているからそうなるのだろうが、その様は見るからに滑りやすそうである。
 惚けてマンホールを眺めている俺に、「このばか」と再度嘲る恵美の声が届く。馬鹿である。言い訳のしようもない大馬鹿であった。
「あっぶないなぁ。折角の七夕飾りを潰しでもしてたら、そのまま踵落としをお見舞いしてやったところだわ」
 良かった良かった、と恵美はケラケラ笑った。恐ろしい。俺の身体よりも飾りごときを心配していたことより、本当に飾りを潰していたら喩え俺が骨の一本も折っていようが言葉通り追撃してきたであろう恵美が心から恐ろしい。
 紙袋をぶんどられる。頭に来るが、それでもやはり文句は言えない。文句どころか何も言えやしない。いっそマンホールの蓋を開けて中に入るべきなのではなかろうか。
 心に鉄球がぶら下がる。ズルズルと暗い方へと引きずられる。この程度で何を、といつも言われてしまうけれど。そういう性分なんだから、仕方がないじゃないか。
 酷く気分が落ち込むと、昔経験した嫌な記憶を思い出す。子どものころ。小さなころ。連鎖するように次々と。転んで怪我したとか、親に叱られたとか、誰かと喧嘩したとか、大勢の人の前で恥をかいたとか。どれだけ月日が経っても忘れられないそれらは、まるで心に深く刻まれてしまっているかのよう。或いはその、刻み込まれた傷こそが、人の成長の証なのかも知れないけれど。どんな意味を持っていようと、傷とは痛いものだから。避けられるものなら避けてしまいたいと。そうやっていつも、ああそう、思えばいつも俺は立ち止まり、呆然と立ち尽くし、
「なにやってんのよ秀。ほら、行くわよ。遅れちゃうでしょ」
「――――」
 その光景を見ていた。
 吸い込まれそうな夜空の下で。燃えるような夕焼けの下で。今のように、透き通るように晴れた空の下で。前に進めずにいる俺に、差し伸べられたその腕を。
 擦り剥いた膝で。腫れ上がった頬で。赤く泣き腫らした瞳で。惨めすぎて、自分でも見ているのが嫌になった俺に、投げ掛けられたその笑顔を。
「……ばか、手なんて差し出すな。子ども相手じゃあるまいし」
「馬鹿って何よ馬鹿って。そうでもしなきゃ秀、ずっとそこで突っ立ってそうな雰囲気だったんだもん」
 誰の所為だよと呟いて恵美を追い抜く。すぐに隣まで追いつく恵美は、どういう訳か気分を良くしたようで、僅かに口元を綻ばせていた。対照的に俺の気分が悪くなっていくのは最早恒例の現象である。
 けれど。気分は悪くなるのだけれど。なんでかな、避けたいとまでは思わないんだ。
「いち、に、さん……へえ、ぴったり人数分あるじゃない。しかもこれ、なんだろう、すごくきれい」
 上機嫌な声が届く。いつの間にやら、恵美が袋の中から短冊を取り出していた。家を出る前にちらと見たが、あの中の七夕飾りはどれもかなり上質そうな和紙で作られていて、特に短冊は、高級志向の装飾が施された、……明らかに俳句や短歌用の分厚い品であった。金を掛ければ願いも叶いやすいだろうという狙いなのか、単に何かを致命的に間違えただけなのかは知らないが、少なくとも松の木に吊して飾っておくような物でないことは確かである。
 ほらほら、と恵美が短冊の束を押し付けてくる。もう見たからいいと突っ返して、ようやく、そのことに気が付いた。
「……おい、それ」
「え?」
「下から二番目。もう何か書いてあるじゃないか」
 書いてあったのである。何がって、多分、恐らく、十中八九、“願い”が。誰の願いかは一目で察したが、ちょっと見なかった事にしておきたい。
 恵美も似たような心境だったのか、苦笑いを浮かべ、
「それにしても、困っちゃったね」
 なんて、口にする必要もないくらいに、困ったような顔をした。
「流石に、誰か一人だけ除け者にするのは可哀想だよね」
「そうか? 俺なら別に書かなくてもいいけど」
「このお馬鹿。あんたは良くても、他の人が気を遣っちゃうでしょうが。なんで分からないかなぁ」
 なんでもなにも、分からないものは分からないのである。そもそも今はクリスマスだ。短冊に願い書いてぶら下げるのは七夕のイベントだ。拘る意味が分からない。一枚足りない短冊を睨みながら忙しそうに後ろ髪を梳く恵美に、もう一押し入れようと口を開く。
 それを、「そうだ」という高い声で阻まれる。
「連名! あたしと秀の二人でさ、一つのお願いを書けばいいのよ」
「いやだ」
「だーめ。もう決定。ね、何お願いしよっか」
 今こそコけるべきだろうと思ってしまった。勿論俺がではなく。
「もうなんでもいい。連名でもなんでも勝手にしてくれ」
「投げ遣り禁止。ほら、折角のクリスマスなんだから。何かお願いないの? 欲しい物とかは?」
 ない、と言いかける。けれど、ない訳ではない。欲しているものは、確かにあるのだ。
 何もないこと、何も起きないこと。何も始まらない、何も終わらない、何も変わらないこと。それが俺の、ずっと抱き続けている願いだ。
 俺はあまりにも簡単に揺らいでしまうから。特別な何かは、ただあるだけで俺を傷つけるから。その痛みが、とても辛く、とても苦しいから。揺らがないために。傷付かないように。何も起きるなと、何も変わるなと、強く、強く願い続けてきたのだ。
「俺は――」
 そして、またしても言葉を詰まらせる。その姿が、その笑顔が、あまりにも眩しかったから。
「――いや、まあ。お前はどうなんだ。お前は何かないのか?」
「あ、そう言ってあたしのお願いパクる気だ。聞いてから、それでいいやとか言う気だ。真面目に考えなさいよ、まったく」
 俺が言い返す前に、恵美の手がまた髪弄りを始める。今度はどんな説教が来るのだろうと身構えたが、……結局、そんなものは来なかった。
「私のお願いは、変わらないこと」
 それは、本当に、何かに願うように。
「秀がいて、みんながいて。大人になっても、いつまでもずっと一緒にいて。今日みたいに集まって、楽しい時間をいっぱい過ごしていくこと。それが、あたしのお願い」
 僅かに朱色の差した頬で。彼女は確かに、俺と同じ願いを口にした。
「ああ――」
 その相槌はなんだったのか。それは、自分でもよく分からない。ただ――
「いいぜ。それでいこう」
 心から同意する。だって当然だ、同じ願いなんだから。
 なのに、やっぱり恵美は怒って、また俺に馬鹿だのばかだの言ってくる。仕方がないと、俺は笑うしかない。何を笑っているんだと、油を注がれた火のような彼女を見ても。ただ可笑しかった。ただ楽しかった。今は、どこも痛くなんてなかった。

 ――自分でもよく分からないけれど。きっと俺は、俺のとは真逆の意味を持つその願いを、少しだけ、気に入ってしまったのだろう。

                          ありかさんへ 月見人サンタより


7 :三日月にゃんこ :2009/12/25(金) 12:28:48 ID:P3x7Yko4xk

無題 (間があいてごめんなさい。)

彼はいつも私を見てはくれない。
見ているのは世界中の子供達だけ。私なんてただの「仕事道具」でしかないんだろう。
でも、文句は言わない。
言いたく無いのだ。優しい彼を自分の手で少しでも傷つけるのが嫌なのだ。
神様から永遠の命をもらった私達。
いつまで私は彼に恋をすればいいんだろう。
ずっとずっと、世界中を飛び回る運命なのだろうか。


8 :夕咲 紅 :2009/12/25(金) 14:07:04 ID:P3x7YnVJPi

「怪盗ブラックサンタ?」
 冬の寒空の下、下校中に幼馴染みの理子から発せられた言葉をそのまま返した。
「そっ。知らない? 二年前からクリスマスになると現れる泥棒さん」
 そう言いながら、なぜか楽しそうに怪盗ブラックサンタについて語る理子。
「でね! 噂によるとすっごいかっこいいんだって!」
 なるほど。ミーハー魂に火が点いたわけか。最近は落ち着いてたけど、元々アイドルとか好きな奴だしな。
「だからね! 会ってみたいと思ってるんだ!」
「は?」
 いきなり何を言いだすんだ……
「ブラックサンタはね、配られたプレゼントを盗むんだって。だから私の所にプレゼントがあれば、それを盗みに来てくれるかもしれないじゃない?」
「言いたい事は分からなくもない」
「だからね、京ちゃん。私にクリスマスプレゼントちょうだい?」
「待て待て待て! いや待て。プレゼントをあげるのはまあいいさ。って言うか毎年あげてるじゃねーか。でもその理由は納得出来ないぞ。あれか? 俺は盗まれる為にプレゼントしなきゃいけないのか?」
「うーん……まあ結果的にはそうなるかもしれない」
「なるかもしれないって……」
「話をすれば返してくれるかもしれないじゃない? 私は会って話がしてみたいだけだし」
「……何を言っても無駄みたいだな……まあ、どっちにしてもプレゼントは用意するさ。パーティはいつも通りでいいんだろ?」
 俺は毎年、理子の家で行われるクリスマスパーティに参加している。その時にプレゼントを用意して渡すのも恒例になってる。まあ俺も貰ってるんだけど。本当なら準備を手伝いたいんだけど、それは理子もメインで準備してる理子の母さんも許してはくれない。
「うん、大丈夫。待ってるね」
「おー」
 この時はそれでクリスマスの話題は終わった。

 それから数日、クリスマスイヴの夜――

 理子の家でのクリスマスパーティも終わり、俺は仕事≠始める。
 クリスマスの夜限定で活動する悪戯妖魔、コシュー。人の望んだ物の幻覚を見せ、ぬか喜びをさせる事が生き甲斐と言う存在。幻覚は望む強さによって持続時間が変わる。強い願望程長時間幻覚を見せられる事になる。場合によっては幻覚に飲まれ現実との区別がつかなる場合すらある。
 うちは代々退魔師の家計で、オヤジが早々に引退したせいで今は俺が仕事に就いている。
 怪盗ブラックサンタ――
 そんな呼ばれ方をしているのは知らなかったけど、間違いなくその正体は俺だろう。
 俺が仕事を始めたのが二年前。つまり、オヤジ程上手く誤魔化せてなかったって事だろう。噂レベルの話みたいだからまだ大丈夫だろうけど、今年はもっと上手くやらないとな……
 妖魔の反応を探り、俺はその場所へと向かった……


「よし。今回は大丈夫だろう」
 仕事を終え、ついさっき施した術が去年よりも上手くいった事を実感していた。これで今年も怪盗ブラックサンタが現れた。なんて話にはならないはずだ。
「――え?」
 なんて考えていると、俺はもう一つ妖魔の反応がある事に気がついた。ついさっきも感じた、コシューの妖気。去年まで二匹も出る事はなかったのに……
「!?」
 ちょっと待て。この方向、まさか――
 俺は慌てて駆け出し、妖気を感じた場所に向かう。
 直ぐにその場所に辿り着き、愕然とした。
「理子……」
 そこは、理子の家だった。いや、呆けてたって仕方ない。むしろ早くなんとかしないと……!
 俺は術を使って重力を緩和し、二階にある理子の部屋のベランダへと跳ぶ。認識をずらす術で俺の姿は見えていないはずだ。今度は透過。窓を潜り、理子の部屋に入る。そこには、何もない場所を笑顔で見つめ、何かを話す理子の姿があった。
 幻覚が固定化されるまで、コシューはその場を離れない。固定化してしまえばコシューはその場を去ってしまう。幻覚を消す為にはいくつかの手段があるが、一番早いのは幻覚を生んだコシューを滅する事だ。だから迅速に現場に向かい、コシューを滅する。
「破!」
 魔を滅する術を使い、コシューを消滅させる。コシューは幻覚を生む以外に大した能力はない。滅するのは簡単だ。後はそう、我に返った被害者の記憶を操作する事が大変なんだ。とは言っても、幻覚の内容、そして俺に会った事を夢だと思わせる程度の事しか出来ない訳だが……
 さて。それじゃあ――
「あれ?」
 考え事をしている内に、理子が我に返ってしまった。出来ればその前に術をかけたかったけど仕方ない。
「ブラックサンタ様は?」
 きょろきょろと周囲を見回し、そんな言葉を漏らす理子。今はまだ俺の存在に気がついていない。認識障害の術が効いているんだろう。だけど、術から晴れた今の状態は他の術も効かなくなる事が多い。
「――あれ? 京ちゃん? 京ちゃん! 何してるの!?」
「いつか説明する。だから今は忘れてくれ」
 そう言って、俺は理子に記憶操作の術を施した……


「でねでね京ちゃん! 昨日の夜ブラックサンタ様に会った気がするの!」
 12月25日。うちに遊びにきた理子が楽しそうにそんな話を俺にしてきた。
「はいはい。夢の話だろ?」
「うーん、そうなのかなぁ……あんまり覚えてないけど、あんまり夢って感じじゃなかったんだけどなぁ」
「リアルな夢を見る事だってあるさ。俺のあげたプレゼントだってちゃんとあるんだろう?」
「そうなんだよねー。でももしかしたら、話したら置いていってくれたのかもよ?」
「だといいな」
「うん!」
 俺の投やりな言葉に、理子は嬉しそうに満面の笑みで頷いた。
「私、来年こそはブラックサンタ様を捕まえるんだ!」
「は?」
 なんか話がスケールアップしてるぞ。
「話したかどうか覚えていられないなら、捕まえちゃえばずっと話してられるし、京ちゃんとも会えるでしょ?」
 いやそれは無理……
「早く来年のクリスマスにならないかぁ」
 無茶言うなよ……
「そうだ! 京ちゃん、来年はブラックサンタ様を捕まえるのに協力してね!」
「……はぁ」
「どしたの?」
 こいつはホントに……
「分かったよ。いつか、な」
「えー、来年協力してよー」
「考えておくよ」
 苦笑しながらそう答えると、隣りでぶーぶーと文句を垂れる理子。
 これはあれだな。来年のクリスマス前には説明する事になるかもな。

 終わり。

 いきなりサンタ夕咲より、月見人さんへ。


9 :ブランドスーパーコピー :2012/04/06(金) 18:04:52 ID:tcz3Lcucmc

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発酵が2008年の下半期の国際 金融危機 に小さい革、加工の生産能力の企業がめでたく廃業し70%にかつての萎縮を始め大幅に反発、ダイビングの皮革専門家は指摘して、業界の皮革格活力を回復して完全にまだうそは日時で。
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10 :ブランド コピー 代引き :2012/04/06(金) 18:05:12 ID:tcz3Lcucmc

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記者は取材に抑えるべき皮革花都狮岭の皮は引き続き取引だけではなく、輸出額の全国の第1を維持し総量は同時期と比べて増幅は,労働密集型の産業も達した22.9%では勢いに逆らっての上昇します。
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11 :スーパーコピー財布 :2012/04/06(金) 18:05:20 ID:tcz3Lcucmc

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皮革」は記者に教えて、獅嶺の従業員は「そもそも皮具城皮革城、進級してきちんとして,しかし施設を周辺の安全商売はそんなに良くありません,皮革ここ2年はずっと実行して進級して働きます。
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12 :スーパーコピーブランド :2012/04/06(金) 18:05:25 ID:tcz3Lcucmc

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厳重な包囲を突破し業界の困難2008年、毛皮と、我が国  製品の業界の皮革は同ドルで、輸出額が、増加速度425.3亿速度を緩める0.1ポイント減。10.4%2009年1―3月,同時期と比べて下がっドルで、輸出額、減速し86.3亿2か月前より3.63.5%を緩めます;ポイント同時期と比べて下がっ。
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浙江余姚城として開業毛皮  不足」の2周年の「新生児を勢いに逆らって厳寒の上、怖がらないで「平民」の札をかけ、アパレル小物のキツネの皮の数元から数十万元までのキツネの皮の異なっている消費需要の服装はみなそろっています。
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14 :ブランド スーパーコピー :2012/04/06(金) 18:05:35 ID:tcz3Lcucmc

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箱を作って国外にかんがみて の大量に対して 紡いで急速に成長して、箱を作って輸出需要と紡いでは企業の必然的な選択の1つです。そのため、我が国の輸出の箱は完全に紡いで作って、輸出志向型を形成したのは完全に業界は輸出を主と同時にあるいは経営OEM外向(性)の国内市場の加工型、国内市場では主として輸出を主と同時進行の経営あるいは加工のOEM企業。
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15 :ブランド時計 :2012/04/06(金) 18:05:39 ID:tcz3Lcucmc

ブランド時計

近頃の電子商取引の統計によって筆者 関連 データの表示だけでなく、電子商取引の取引がひとつあります,逆にいかなる影響を受け取っていないにも関わらず,やはり国内取り引きは外国貿易のピーク期の到来。
http://www.watch2o.com/ ;
http://www.watchbremen.com/ ;
http://www.watchesdesigner.net/ 
fantasyloveadj@yahoo.co.jp


16 :スーパーコピー :2012/04/06(金) 18:05:44 ID:tcz3Lcucmc

スーパーコピー

「金融危機」が吹いて業界  企業に多い当面の金融危機の温州  伝統産業で、この1ラウンドに遭遇した厳冬の下、温州のあらしも出会いましたがいまだかつてない苦しい立場のため、箱包业多数の外国貿易の依存度(度合)はとても高い会社はすべて包み、そのため企業に対して突然やってきた冬、多くの企業の国際経済の注文書から寒い大幅に下落している。
http://nsakura-jp.com/bid-1-20.html ;
http://nsakura-jp.com/bid-1-27.html ;
http://nsakura-jp.com/bid-1-28.html ;
http://yaplog.jp/helanchowhaha/ ;
babettetale@yahoo.co.jp


17 :bedztctn@gmail.com :2013/04/08(月) 19:52:43 ID:LDtexLoJrn

バーバリーブラックレーベル

こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま〜す。よろしくお願いします バーバリーブラックレーベル http://www.burberryofficialonline.com/


novel plaza system
甘辛流小説家ギルドGAIA
produced by COLUN.